カウンセリングサービスの青山リナです。
自分がどれほど相手の役に立っているのかに気付いていない。
自立同士のカップルの盲点は、お互いが自立であるということ。
それは、自分に厳しく、自己評価がとても厳しいがゆえに、自分が相手に対してどれほど素晴らしいものを提供できているのか、気付いていない。すると、自分が相手に対してどれほど役に立てているの受け取らない、どころか、そもそも気が付かない。
言い換えると、相手にどれほど感謝されているのかを知らない。
だから結果的に、相手からの感謝を受け取らない、というパターンができている。
私たちは子ども時代、一生懸命親を助けようとしてきた時代があった。そんなことを意識していたかどうかは別として、言ってしまえば、この世に、その親の元に生まれてきた時点で、その親を助けたいと思ったのだろう。
だけど、子どもだからゆえに、上手くその望み、その親を助ける、ということができなかった、叶わなかった、という過去の傷が大きく残っていたりする。
そんな二人が一緒にいるとなると、どうなるのか。
お互いが、それぞれ自分の孤独を抱え、知らず知らずのうちにその孤独さを優先する、ということをしてしまいがちになる。
なぜならそれが一番慣れた方法だから。
心に壁を作っている状態、とも言える。
本来それは、望むものではない。
もしこの孤独の戦いをやめられるのなら、
どれほどいいだろう、
どれほど楽だろう。
そんな想いすらあるけれど、そう簡単に、やめるわけにはいかない。
だって、ずっとそうしてやってきたんだから。
でも本当は、やめたい。
孤独のままでいたくなんてない。
過去に戻ると、実は、この戦いは、自分のための戦いだったわけではなく、誰かのための戦いだった。
本来、孤独さを選び続けることは、誰かを助けるためだった。
それは、忙しいお母さんに甘えたいところをグッと我慢して、お母さんに迷惑をかけないよう、寂しくても1人で寂しさと戦いながら耐えていたのかもしれない。
お父さんに遊んで欲しかったけれど、仕事でクタクタになっているお父さんは休ませてあげなきゃいけないんだ、と、自分の伝えたい望みを飲み込んで、お父さんと遊べなくても平気なフリをずっとしてきたのかもしれない。
そんな風に、自分に我慢させ、自分を耐えさせ、甘える自分の心を自分で叱り飛ばし、自分を奮い立たせてきた、そんな人が、人に甘えるとか、人に頼るとか、人に自分の弱さや寂しさ、できないこと、泣きたい気持ちなんて、簡単に見せられるわけもなく。
するそそこに硬い壁を作ろうとする。
子どものうちは、自分に我慢させ、自分を耐えさせ、甘える自分の心を自分で叱り飛ばし、自分を奮い立たせるやり方が有効だったけれど、もし今そのやり方が、相手と近づけない、そんな壁になっているのだとしたら。
もし今、そんな壁を取り払い、相手に自分の弱さや寂しさ、できないこと、泣きたい気持ちを見せることが、相手を助けることになるとしたら。
あなたはそんな世界に、羽ばたく勇気、持てますか?