カウンセリングサービスの青山リナです。
私たちは子供から大人になる過程で反抗期という時期を通過します。
この時期は子供から大人になる大切な時期で、親から離れ、自分の足で立つことを決めチャレンジする時期でもあります。
親の視点から見てみると、
なんだかうちの子がとても悪い態度で、どんどん悪くなっていくように見える。うちの子、どうしちゃったのかしら?大丈夫かしら?誰か悪いお友達でもできたのかしら?誰か悪い男と付き合っているのかしら?心配だわ。私がしっかり管理しなきゃ。
なんて思う期間でもあったりしますよね。
そんな風に不安に感じて、実際子どもへの監視を強化されたお母さんもいるのではないでしょうか。
私の母はこのタイプでした。
でも、子どもの立場からすると、
いつまでも親元にはいられない、だから自分で親から離れる準備をしなければならない。
今までなんでもお母さんが決めてくれていた。
AよりBが良いと言われれば、そんなもんかと思いBを選んできた。
Cは間違っている、Dが正しい、と言われれば、お母さんがそういうなら間違いないね、と思って迷わずDを選んできた。
だけど…あれ?私、なんかBよりAの方が、もしかしたら好きかも。Aでも…いいかな?
今までずっとDが正しいと信じていたけれど、なんかCも…間違ってる?本当に?Cを選んでる人もいるみたい。右の人も左の人もCを選んでる。ん~、私も今回はCを選んでみようかしら?
視野が広がり、入ってくる情報も増え、どうやらお母さんが教えてくれたことばかりが全てじゃないらしい、ちょっと私が自分で選んでみようかしら?なんて自分の意思を尊重し始める。
すると、お母さんは、今までのお母さんの世界では「当たり前」じゃないことを娘がし始めると、お母さんは驚きます。
私たち人間は、慣れないことに対して警戒心を強めます。疑います。不安を感じます。そして、その警戒心が強まった分、防御態勢が強固になります。
すると、お母さんはお母さんで、「なにこれ!?どうゆうこと!?いつもと違うじゃない!?どうしたの!?」お母さんの怖れが強ければ強いほど、反応が激しくなります。
思わぬ激しい反応が返ってくると、娘側も、「え?いいじゃない!もうほっといてよ!好きにさせてよ!」急にキューっと吸い付かれたような気分になり、振り払おうと、激しく抵抗を見せたりします。
それが反抗期。
お母さんと娘の距離が元々近ければ近いほど、反抗期はお互い態度が激しくなったりします。
そしてここで、「あぁ~、反抗期ね。大人になる準備をしているのね。」と、少なくともどちらかが冷静に対応できていれば良いんですよね。するとそんな時期を通過して、改めて適切な距離を保つことができる。
だけれど、多くの場合、これが難しかったりするんですよね。
だって母は母で、寂しくなるから。
わかってる、娘の成長は喜ばしいこと。それはそうなの。本当に。
だけど、あんなに小さくて、可愛らしくて、一生懸命手をかけてきた娘が離れて行ってしまうなんて、寂しくないわけなんてないじゃない。
でも娘の成長を邪魔しようなんてことは思っていないのよ、本当に。私は私で、自分の第二の人生を見つけなきゃね。
なんて思ってくれている。
一方、娘は娘で、なんだか悪いことをしているような気分になる。
お母さんには感謝してる、いつも面倒見てくれて、いつも私を助けてくれたよね。だけど、私だっていつまでも子どもでいられないし、私だって自分の自由を手に入れたいのよ。なのに、なんで私の邪魔ばかりするのよ!なんで私のことそんなに監視するのよ!もうやめてよ!もういい加減気持ち悪いから!あ~、だけど、こんな私、めちゃくちゃ冷たい、めちゃくちゃ嫌な娘じゃん…。
そんな娘の罪悪感が強ければ強いほど、反発はするけれど、その分どこかで償おうという気持ちが勝手に湧いてくる。
そうするとどこか大人になり切れないし、お母さんという存在が鬱陶しくて仕方が無くなってくる。
ちなみに、私はこの罠に思いっきりハマりました。
この罠は本当にハマりやすくて、
全部お母さんが悪いじゃん!
もう私に吸い付いてこないでよ!
大体お母さんがそういう態度を取るから私が無駄な罪悪感を感じるんだよ!
お母さんがその態度改めてくれなきゃ、いつまでたっても私も腹立たしいし、この関係だって良くならないじゃない!
もう、これ全部お母さんのせいなんだから、いい加減わかってよ!
って、全てお母さんが態度を改めれば良くなるはずなのに!と、母のせいにしていました。
でも、このマインドを私が持ち続けている限り、良くはならないんです。
一時的に良くなったように見えることもあるのかもしれない。
だけれど、そもそも自分で決断する、という、「大人」としての行為が無い状態で、反抗期は終わらないから。
と、ここまで、親と娘の反抗期の仕組みを書いてみました。
次回はこれによる本当に困った弊害について触れてみようと思います。