カウンセリングサービスの青山リナです。
カウンセリングでお話しを伺っていると、よく出てくる会話に、「自分を愛する、とか、自分を大切にする、ということがよくわからないんです。」というのがあります。自分のことって自分ではとても分かりづらかったりしますよね。自分を甘やかすことが自分を大切にしていることになるとも限りませんし、逆に、自分を叱咤激励して自分のお尻を自分で叩くことも、自分を愛していることに繋がるとも限りません。
でも多くの場合、自分を愛していなかったり、自分を大切にできていなかったりすると、不思議なことに恋愛が上手くいかない、という現象が頻繁に起こったりします。
自分を愛せないことが恋愛にどれほどの影響を与えるのか。そして、自分を愛することの重要性は一体どこにあるのか。これから、そんなテーマについて深堀りしていきたいと思います。
1. 自分を愛することの基本理解
自分を知る、ということには、自分を愛する、ということが欠かせません。自分を愛する、ということは、単に自己中心的になる、ということではなく、自分を理解し、どんな自分も受け入れる力でもあります。
例えば、自分を甘やかすことが自分を大切にすることに繋がるのか、それとも逆に自分を厳しく叱咤することが自分を愛することなのか。自分を愛する、とは、このジレンマに真正面から向き合い、自分を取り巻く複雑な感情と向き合う必要が出てくることも多くあります。
私は結婚したいけれど、彼はまだ結婚する気が無い場合。
私はそこで別れを選ぶのが、自分を大切にすることなのか、それとも、彼が結婚する気になるのを待つのが、自分を大切にすることなのか。
自分自身の望みを把握して、自分が本来何を望んでいるのか、逆に何を望んでいないのか、その理解がなければ、恋愛において自分のニーズや欲求を相手に伝えることも難しくなります。
自分自身の心の中を覗いてみることで、相手との関係もより深めることもできると、素敵な、そして温かいパートナーシップに繋げていくことができます。
次に、自分を知ることが恋愛に与える具体的な影響や、その理解がどのようにしてパートナーシップを向上させるのかについて、もう少し掘り下げてみましょう。
2. 自分を知り、愛することの重要性
自分を知り、自分を愛すること、大切にすることは、恋愛において不可欠です。
過去の経験や価値観を通して自分を知ることができます。カウンセリングでは、今抱えている問題を具体的にどう対処するか、ということも一緒に考えますが、それと同時に、過去のお話を伺うことがとても多いです。それは、クライアントさんが、過去、どのような感情を感じ、どのように処理されてきたか、その心理的パターンを一緒に見つけていきます。その中で、クライアントさんの深層心理に抱えていらっしゃる信念や欲望、怖れや期待を一緒に理解していくことをしています。
自分を知ることは、恋愛関係において自分のニーズや欲求を明確にする第一歩です。
例えば、女性が結婚しても自分のキャリアを今まで通り築いていきたい場合、仕事はやめたくないし、家事も半分半分でやりたい、その代わり金銭面もお互いにサポートし合う、というカップルもいらっしゃるでしょうし、逆に、女性が家事育児は全面的に責任を持って行うので、金銭面はよろしくお願いします、というカップルもいらっしゃるでしょう。
どちらが良いとか悪いとかではなく、そのカップルにより、カタチはさまざまです。大切なのは、まずは自分がどうしたいのか、ということ。自分自身ができること、相手にサポートしてもらいたいこと、まずは自分自身がそれを知ることで自分のニーズを理解することができます。
そして、自分を愛することは、過去の過ちや弱さを許し、受け入れる力を持つことを意味します。
自分を愛せない状態で恋愛に臨むと、過去のトラウマや不安が影響を与え、関係を複雑にしてしまうことがあります。
例えば先ほどの自分のニーズを理解する、ということ。自分がニーズを持つこと自体を嫌っていたり、ニーズを持つことを自分に許していないと、何もかもを自分でやろうとしてしまう、なんてことが起こったりします。しかし、人間そんなに完璧ではないですし、1人でできることは限度があります。ニーズを持ってはいけない、ニーズを出してはいけない、という想いで何かを抱え込んでしまった時、自分では抱えきれなくなった時、どうしてわかってくれないの!という怒りを相手にぶつけてしまう、なんていうことが起こったりします。これは大切な関係を脅かす大きなきっかけになりかねません。
恋愛は、お互いを理解し合い、共に成長し合うプロセスです。そのためには、まずは自分を理解し、自分自身を愛することが、健全で豊かな恋愛関係の基盤となるのです。
私たちは結婚に対する希望がズレているとき、自分を知り、愛することが特に重要です。相手の意向を尊重する一方で、自分が本当に求める未来を見据え、その中でパートナーシップを構築していくことが大切です。
次に、自分を知り、愛することが恋愛にどのようなポジティブな影響をもたらすのか、もう少し深堀りしていきましょう。
3. 自分を愛することと素敵なパートナーシップ
自分を愛すること、がパートナーシップに与える影響は計り知れません。お互いを理解し、共に成長する恋愛は、お互いの違いを尊重し合い、共通の目標に向かって歩むことでもあります。それには、自分を知り、愛することが欠かせません。
自分を理解し、愛することで初めて、相手に理解され、愛されることが可能になります。
例えばデートに行くにしても、自分で山が好きなのか、海が好きなのか、はたまた屋内の映画館が好きなのか、自分でわかっていなければ、パートナーに「私をご機嫌にするデートプランを立てて!」といったところで相手は困惑して、最後には疲れ果ててしまう可能性の方が高くなってしまいます。
自己愛が不足していると、相手の言動に過剰に反応してしまったり、過去の傷が新たな関係に影を落とすことがあります。
例えばパートナーが山のデートに誘ったなら、この人は私を疲れさせたいのかしら?私は山なんて登りたくなんかないのに!と思うかもしれませんし、海に誘ったとしたならば、水着になる自信なんてもう無いのに、私に恥をかかせたいのかしら?なんて思うかもしれません。映画に誘ったとしたら、私と明るいところでは会いたくないのかしら?なんて頭をよぎったりして。
過去の傷が大きすぎるまま残っていると、まさか、パートナーが、美しい山の絶景をキミに見せてあげたいんだ、とか、いつも忙しくて疲れているだろうから、ビーチでのんびりリラックスしてキミに寛いでほしいんだ、とか、一緒に感動する映画を観てキミと同じ思いを味わいたいんだ、なんて思っているなんて夢にも思わなかったりするんですよね。
自分を愛することは、自分のニーズや欲求を明確にし、それを相手に伝える力を育みます。パートナーシップはコミュニケーションとの連携が欠かせませんが、その前提として、自分が何を求め、何をしてあげたいのかを理解することが大切です。
自分を知り、愛し、そして相手を理解することが、パートナーシップをより深化させ、共に歩む未来に向けた確かな基盤を築くのです。
このような視点から、次には具体的なケースや心理学の知見を交えつつ、自己愛が健全なパートナーシップにもたらすポジティブな影響について深掘りしていきましょう。
4. 自分を愛することの向上方法
自分を愛することは、素敵な恋愛関係の礎となります。しかし、これは簡単なことではありませんよね。自分に対する理解と受容を深め、自分を愛するスキルを向上させるためには、いくつかの具体的なステップがあります。
自己認識の向上
自分の感情や欲望に対する理解を深めることで、自分自身をより良く知ることができます。
自分で出来ることとしては、日記をつけたり、瞑想をすることもお勧めですが、カウンセリングを使われることで、より自分自身の内面に目を向けやすくなります。
カウンセリングという安全な場で話すことにより、新たに気付く自分の気持ちもあります。こんなことを話していいんだろうか、とか、平気だと思っていたけれど、いざ話そうとするとなんだか心が重くなる、なんていうことにも気づけたり、また、会話の中で自分では持っていなかった別の視点を得ることもできます。
自分への思いやり
他人に思いやりを持つことと同様に、自分にも同じ思いやりを示すことが大切です。過去の過ちや失敗に対しても厳しくなりすぎず、自分に対しても優しく接することが重要です。
ポジティブな言葉の活用
自分に対して使う言葉に注意を払いましょう。否定的な表現ではなく、積極的で建設的な言葉を使うことで、自分の内面にポジティブなエネルギーをもたらすことができます。
健康なライフスタイルの確立:
適切な食事、運動、十分な睡眠など、身体的なケアも自分を愛する一環です。健康な体は健全な心を養う一助となります。
自分のニーズを優先する
他人の期待や社会のプレッシャーに応じることなく、自分自身のニーズや欲求を大切にしましょう。自分を尊重することで、相手にも尊重されるようになります。
これらの方法は、日常的な習慣として取り入れることができます。自分を愛する力を高めることで、豊かな関係を築くことがしやすくなってきます。
皆さんが、自分自身との深いつながりを築きながら、充実した素敵な恋愛・パートナーシップを育まれていくことを願っています。