復讐の手段　～幸せにならない理由～

幸せになりたいのに、自分だけ不幸のまま。
周りはみんな幸せになっていくのに、自分だけ不幸のまま。

どうせこんな私は、幸せになんてなれっこない。

そんな想いでいっぱいになってしまうこと、ありませんか？

そんな時、思ってみて欲しいことがあります。

私は誰に復讐しているのだろう？

私たちは、誰かからの愛を受け取っていない時、自分をとても悪い存在だと潜在意識で捉え、自分を罰する、ということをします。これが、心の世界で言う、罪悪感。

この罪悪感があると、自分は罪深い人間で、罰を受けなければ、と自動的に心は考えます。

すると、全く幸せではない現実が目の前に繰り広げられる、ということが起こります。

自分は運が悪い
自分は好かれない
自分は役に立たない
自分はダメな人間だ
自分は愛されない

しかし、これは真実でない場合が殆どなのです。

罪悪感を抱えている時、私たちには誰か許せない人がいる、愛を受け取りたくない相手がいる、という状態にいます。

その人からの愛を何としても受け取らないため
その人を絶対許さない！と思っているため

罪悪感を手放して、自分が幸せになるなんて、そんなこと決してするもんか！

という、必要のない罪悪感にしがみつく、ということをやってしまうことがあるのです。

なんか、変だとは思いませんか？

自分が幸せになることを放棄してまで
許したくない相手、受け取りたくない愛があるって
逆に考えると

どれほどその人のことが、大好きだったのか

そこに尽きるのですね。

たとえば、暴力を振るうような親がいたとします。

そんな親、許せない！と思ってある意味当然ですよね。

きっと私でもそんな簡単には許せないかもしれない、って思ってしまうでしょう。

それでも、カウンセリングで、もしそんなご相談をいただいたなら、話は「親を理解してみませんか？」という方向に進むでしょう。もちろんすぐにとは言いませんし、無理をさせるつもりはありませんので、手順を踏んでね。

だってもし、そういったご相談をされるクライアントさんがいたならば、きっとその方にとって、親を許せないほどヒドイ存在だ、と思ってしまっているご自身が、きっと一番苦しいから。

じゃなきゃそんなご相談、持ち込まないはずです。

親を好きになれない自分。
親を許せない自分。
親を愛せない自分。

この苦しみは、実は一番親を理解できる要素なのです。

自分の子どもに好き好んで暴力を振るいたい親なんて、いるのでしょうか。

子どもに暴力を振るった親
子どもに暴力を振るわざるをえなかった親は、
どれほどまでに、可愛い子供を愛せない苦しみを抱えていたのでしょう。

そんな酷いことをした親の苦しみ、自分の子どもすらも愛せなかった親が、幸せであったわけがない。

人は、何かあれば自分を責めます。
自分を責めて責めて、責めまくるんです。
そして、そんなに自分を責める人が自分を責めずに済んでいる瞬間、それは、自分以外を責めている瞬間だけなのです。

人を責める行為は、依存の一形態です。

この、暴力を振るう親と暴力を振るわれる娘の関係性では、親は、子どもにしか依存できなかった、ということ。
そんな親の人生は、幸せだったのでしょうか。

幸せだった…わけはないはずです。

そんな親と、カタチは違うかもしれないけれど、幸せにならない選択をしている娘。

一体この娘は、どれほど心優しい愛の人なのか、という尊さの証なのですよね。

上手く愛せなかった親が、これほどまでに娘に愛されている、
娘の人生をかけてまで、自分に寄り添い理解してくれようとしているなんてことを知ったら
その親は、一体どうなってしまうのでしょう。

そんな親が、娘の幸せを心から願わないわけ、ありませんよね。

今まで嫌って憎んで、どうせ私なんて愛されていない、と感じてきた親からの愛を、今更受け取ることに、大きな抵抗を感じます。

だからこそ、自分の幸せを犠牲にしてまで、親に復讐しようという無意識が自分の中で働いてしまうのですね。

親からの愛を受け取れば、自分が親を大好きだと認め、親を許してしまうことになるし
親からの愛を受け取らない選択をすると、自分の中で何か合わない欠片を感じ、自分の幸せと引き換えに、親に復讐を続ける道を選んでしまう

自分の幸せを放棄してまで
誰かに復讐をしようとしても
それは最終的には、莫大な優しさと愛。

だとしたら、もうあなたの幸せを、先延ばしにする理由なんて、どこにもないのでは？

あなたには、幸せになる価値がある。
あなたは、もう幸せになって良いんです。