甘えちゃダメ、が引き起こす、極度の甘えん坊

今日も読んでくださってありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。

よく、自立、依存、という表現を心理学では使うことがあります。

自立の特徴としては
1人で頑張る
助けを求めない
頼りになる

依存の特徴としては
人に言われてやる
助けてもらう
いつも誰かを頼っている

真逆の特徴を持つんですよね。

ただ、これ、両方とも実は私たちの中にある欲求なんですよね。

私たちは誰しもが、赤ちゃんの時代があり、その時代は依存の時代でした。
自分では何一つできることは無く、お母さんやお父さん、大人たちの手を借り、生きていた時代。

そしてそこから、歩けるようになり、話せるようになり、自分で服を着替えられるようになり…できることが増えます。これも一つの小さな自立なんですよね。

歩けるようになると、自分で立って歩くことがとても誇らしく思えます。人の手を借りずに自分で出来るってスゴイ！１つ、自由を手にするんですよね。

できることが増えるごとに、自由を手にすることができていくんですね。

私はひとりっ子で、兄弟姉妹はいないのですが、幼少期に両親が離婚しているため、昼間は祖父母と過ごしていることが多かったです。祖父母は優しい人たちでしたが、農業を営んでいたので、小さな私にかかりっきり、というわけにもいかなかったんですね。だから私は比較的早い時期に大人になることを求められていました。

兄弟姉妹のいらっしゃる人で、一番上のお姉ちゃんお兄ちゃんポジションだったりすると、下に弟妹が生れて、自立を促される、もしくは自分で自立することを決意する（そんな記憶はないかもしれませんが）、なんてことがよく起こったりします。

長子でなくても、その当時の家庭事情や家族の関係性で、自立しなければならない状況になったり、早く大人になることを求められたり、自分で早く大人になることを望んだりする、そんな環境が出来上がっているかもしれません。

そして、早く大人になったり、自立したりすると、こんな現象が起きることがあります。

それは、自分の中の依存心、ニーズに蓋をしてしまう、ということ。

自分の中の依存心やニーズに蓋をしてしまうとどうなるか。

蓋をしている以上、無くなっているわけではないんですよね、自分の中の依存心、ニーズ、というものが。ずーーーーーっとそこにあるんです。でも蓋をしている。ということは、その依存心やニーズをひた隠しにし、自分でも見ない、扱わないようにしている状態になりますよね。

すると、そんな依存心やニーズを隠しもせず出している人を見て、腹が立つ、苦手、関わりたくない、と思う気持ちが出てきたりします。

その一方で、自分では蓋している依存心やニーズが、ダダ洩れている、なんてこともあったりします。自分では気付いていなかったりしますけどね。

恋愛において、この依存心やニーズをひた隠しにしていることは、実は大きなデメリットをもたらします。

相手と戦う姿勢がムクムクと出てきたり
相手のちょっとした依存心が許せなかったり
相手が自分を愛してくれるのが当然だ、と位置付けてしまったり
相手に可愛らしい弱い自分を見せることができなくなったり

ここまで自立していることが「損じゃない？」というようなことばかり書き連ねてきましたが、そうではありません。

そもそも、自立した背景というものを考えてみてください。

自立すると、自分で出来ることが増えるのです。自由が手に入りやすくなるのです。それは素晴らしいことです。

自立なんてしたくなかったのに、甘えていられる環境じゃなかったのよ！と思うことがあるのなら、それはあなたの偉大なる優しさの証拠です。

ちいさなあなたが自立することで、誰かを助けることができていたはずです。
誰かの役に立とうと、頑張って自立しようとしてきたあなたがいるはずです。

それって、素晴らしいことではありませんか？
まだ小さかったあなたが、自分の出来る最大限のやり方で、愛を贈ろうと頑張っていた、ということですよね。

そんなあなたの、偉大なる優しさと、愛する力を、まずはしっかりご自分で認めてくださいね。

そして、そんな優しく愛に溢れたあなたを、助けたい人がいる、包み込みたい人がいる、そこに目を向けてみられるのも良いんじゃないかと思います。

私たち人間は、1人では生きてはいけません。
支え、支えられ、
助け、助けられ、
愛し、愛され、生きています。

自立も依存も、ちょうどいいバランスになった時、とっても楽に感じられます。