「もう気にしてない」
「べつに、平気」
そう自分に言い聞かせて、フタをした気持ち。だれにでも、ひとつやふたつ、ありますよね。
私たちは、見たくない感情をなかったことにするのが、わりと得意です。傷ついた気持ちも、本当はさみしかったことも、見ないふりをして、日常を難なく過ごす。
でも…フタをした気持ちは、それで消えてなくなったわけではありません。
ふとした瞬間にこみ上げてきたり、似たような場面でまた同じように苦しくなったり。抑え込んだはずの感情が、形を変えて、何度でも顔を出す。
今日は、潜在意識に抑え込んだ感情が、その後どうなっていくのか。そして、どうすればそこから軽くなれるのか。そんなお話をしていきます。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。
もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学
今日も必要な方に届きますように。
「平気なふり」は、いつのまにか上手になる
感情にフタをするのって、最初はちょっと無理してやることですよね。
悲しいのに笑ってみたり、本当はモヤモヤしているのに「大丈夫」と言ってみたり。
けれど、それを何度も繰り返しているうちに、だんだん上手になっていきます。
そのうち、フタをしていることにすら気づかなくなる。「平気なふり」が「平気」だと、自分でも思い込んでいくようになるんです。
人に弱音を見せずにここまでやってきた人ほど、この技術はとても高いんですよね。ちゃんと感じる前に、感じないようにすることが、息をするくらい自然になっているんです。
私自身も、かつては感情にフタをするのが得意なほうでした。自覚は無かったですけどね。
でもね、感情にフタをするっていうのは、そうやって自分を守っているからでもあるんですよね。その時の自分には、それが必要だったんですね。
抑え込んだ感情は、心の奥でちゃんと生きている
ここからは、抑え込んだ感情が「その後どうなるのか」を、心のしくみから見ていきましょう。
ワタシが意識できているのは、ほんの一部
心は、よく氷山にたとえられます。
水面の上に出ている、目に見える部分。これが、私たちがふだん「自分の意思」だと思っている顕在意識です。考えたり、判断したり、「こうしよう」と決めたりする部分ですね。
そして、水面の下に隠れている、ずっと大きな部分。ここが潜在意識(無意識)です。感情や記憶、思い込み、習慣……自分でも気づいていない自分が、ここで動いています。
その割合は、顕在意識が約5%、潜在意識が約95%、なんて言われ方をします。数字そのものは諸説あるのですが、私たちが「自分でわかっている自分」は、心のほんの一部にすぎない、ってこと、これは、わりと確からしいと考えられています。
つまり、抑え込んだ感情は、消えたのではなく、水面の下に沈んでいっただけ。見えなくなっただけで、ちゃんとそこにあるんです。


冷蔵庫の奥で、溶けたきゅうり
私はこれを、よく冷蔵庫にたとえます。
買ったことを忘れて、冷蔵庫の奥にしまいこんだきゅうり。見ていないあいだも、それはずっとそこにあって、だんだん溶けて、形を変えていきます。
抑え込んだ感情も、これとよく似ています。
フタをして、奥にしまって、見ないことにする。でも、なかったことにはできない。気づかないうちに溶けて、姿を変えて、心のなかに残り続けるんです。
そして厄介なのは、その溶けたきゅうりが、奥のほうからワタシの選択にこっそり影響してくること。
同じような相手にまた惹かれてしまう。
なぜか同じ場面で苦しくなる。
理由のわからないモヤモヤが、ふとした時にこみ上げる。
「自分で選んでいるつもり」のうしろで、しまいこんだ感情が、ハンドルを握っていることがあるんです。
見ないようにするほど、力が強くなる
不思議なもので、感情は「見ないように」するほど、奥でその存在感を増していきます。
押し込めても、押し込めても、ふとした拍子に顔を出す。むしろ、フタを固くするほど、出てこようとする力も強くなるんです。抑え込むことは、手放すことの逆なんですよね。
だからこそ、なかったことにして放っておくより、一度引っ張り出して、ちゃんと見てあげることが大事になってきます。
引っ張り出して、認めてあげる
では、どうすればいいのか。
むずかしいことではありません。最初の一歩は、ただ「あ、ワタシ、こう感じていたんだ」と認めてあげること。それだけです。
「本当は、さみしかったんだね」
「あのとき、悔しかったんだね」
溶けたきゅうりを、冷蔵庫から出してあげるイメージです。出してしまえば、「あー、これが残っていたのか」とわかる。わかれば、捨てることもできる。手放せるんです。
感情も同じで、ふしぎなことに、ちゃんと名前をつけて認めてあげると、それだけで少しおさまっていきます。暴れていたのは、見てもらえなかったからだったりするんです。
ただ、ですね、
奥にしまった感情を引っ張り出すのは、ちょっと怖いし、面倒な作業でもあります。見たくなくてフタをしたわけですから、開けるのに勇気がいるのは、当たり前のことなんですよね。
だから、いますぐ全部開ける必要はありません。「あ、ワタシ、なにかフタしてるかも」と気づけたら、それだけで十分、第一歩なんです。


なかったことにするより、認めてあげるほうが、ずっとラク
見ないことにした気持ちは、消えてくれるわけではなく、奥でずっとあなたと一緒にいます。
それなら、フタをして見張り続けるより、一度ちゃんと会いにいって、「いてくれたんだね」と認めてあげるほうが、心はずっと軽くなるって思いませんか?
抑え込んできた感情は、あなたの敵ではないんですよ。本当はずっと、見てもらえるのを待っていただけなんですよね。
その気持ちに気づいて、認めてあげること。それは、これまで頑張ってきた自分を、大切にしてあげることでもあるんです。
ワタシの幸せを、これ以上あとまわしにしないために。まずは、奥にしまった気持ちに、そっと光を当ててあげるところから。


ひとりで開けるのが、怖いときは
とはいえ、奥にしまった感情を引っ張り出す作業は、ひとりだと抵抗が出やすいものです。
フタを開けようとすると、別の感情がフタをし返してくる。なにから見ていいかわからなくなる。そういうときは、無理にこじ開けようとしなくて大丈夫です。
カウンセリングは、心の蓋をゆっくり開けるサポートをしています。
なにが入っているのか一緒に確かめて、「これは、もう手放してもいいかもね」と、一緒に見ていく。フタを開ける怖さを、ひとりで抱えなくてよくなります。
あなたが長いあいだ抑え込んできた気持ちと、いちど向き合ってみたい。そう感じたら、その気持ちを大切にしてあげてくださいね。


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