怒りが消えないのはなぜ?感情を感じても楽にならないときに見るべき心の奥

「感情は、感じれば消える」

心の世界では、そんなふうに言われることがあります。

たしかに、悲しみや寂しさ、不安などは、ちゃんと感じてあげることで少しずつ落ち着いていくことがあります。

泣けたら少し楽になったり。
「本当は寂しかったんだ」と気づけたら、胸のつかえが少しほどけたり。
誰かに話を聞いてもらえたことで、「ああ、私はこんなに我慢していたんだ」と気づいて、涙と一緒に感情が流れていくこともあります。

でも、怒りだけは少し違うように感じることがありませんか。

怒っても、怒っても、まだ怒りが消えない。

何度思い出しても腹が立つ。

「あの人が悪い」
「なんであんなことを言われなきゃいけなかったの」
「絶対に許せない」

そんなふうに怒りを感じているのに、なぜか心は軽くならない。

むしろ、怒りを感じれば感じるほど、また同じ場面を思い出して、苦しくなってしまうこともあります。

「感情は感じれば消えるって言うけれど、怒りは感じても消えないじゃない」

そう思ったことがある人もいるかもしれませんね。

怒りという感情には、少し特別な性質があるのです。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

目次

怒りは「本当の気持ち」を守るために出てくることがある

怒りは、とても強い感情です。

エネルギーがあります。

相手を責めたくなったり、反論したくなったり、距離を取りたくなったり、もう二度と傷つけられないように自分を守ろうとする力があります。

だから怒りは、決して悪い感情ではないのです。

怒りが出てくるということは、あなたの心が何かを大切にしようとしているということでもあります。

自分の尊厳を守りたい。
これ以上傷つきたくない。
ちゃんと扱ってほしい。
わかってほしい。
もっと愛してほしい。

そういう心の叫びが、怒りという形になって出てくることがあります。

ただ、ここで大切なのは、怒りは「一番奥にある本音」ではない、ということです。

怒りの下には、もっとやわらかくて、傷つきやすい感情が隠れているんです。

たとえば、

本当は悲しかった。
本当は寂しかった。
本当はわかってほしかった。
本当は大切にしてほしかった。
本当は信じたかった。
本当は仲良くしたかった。
本当は助けてほしかった。

そんな想いです。

でも、そういう気持ちはとても無防備です。

「悲しかった」と認めるのは、心のやわらかいところに触れることでもあります。
「大切にしてほしかった」と認めるのは、自分が相手に期待していたことを認めることでもあります。
「本当は仲良くしたかった」と認めるのは、まだ愛があったことを認めることでもあります。

それは、とても怖いことかもしれません。

だから心は、そのやわらかい想いを守るために、怒りを表に出すことがあります。

怒っているほうが、悲しみに触れなくて済むから。
相手を責めているほうが、自分の傷ついた気持ちを見なくて済むから。

「許せない」と思っているほうが、「本当は大切にされたかった」と感じるよりも、まだ耐えられる。

そんなことがあるのです。

怒りだけを感じ続けても苦しい理由

怒りを感じること自体は、悪いことではありません。

むしろ、怒りをなかったことにしたり、「怒っちゃダメ」と抑え込んだりすると、心の中に怒りが残り続けてしまうこともあります。

だからまずは、

「私は怒っているんだ」
「あのとき、本当に嫌だったんだ」
「私は傷つけられたと感じているんだ」

と認めてあげることは、とても大切です。

でも、怒りだけを見続けていると、残念ながら心はなかなか楽にはならないんです。

なぜなら、怒りだけを見ていると、意識がずっと攻撃した状態で外に向かっているからです。

「あの人が悪い」
「あの人が変わってくれなかった」
「あの人がわかってくれなかった」
「あの人のせいで私は傷ついた」

もちろん、実際に相手の言動がひどかったこともあるでしょう。

理不尽なことをされたり、傷つく言葉を言われたり、信頼を裏切られたりしたのなら、怒りが湧くのは自然なことです。

その怒りを無理になかったことにする必要はないんです。

けれど、ずっと「あの人が」「あの人が」と相手を責めた状態で見続けていると、自分の心が置き去りになってしまうことがあります。

本当は、あなたの中に、

「悲しかった」
「寂しかった」
「怖かった」
「大切にされたかった」
「本当はわかってほしかった」

という想いがあるのに、その声を聞く前に、怒りが相手への攻撃として外に向かってしまう。

すると、怒りは燃え続けます。

相手を責めても、過去を何度思い出しても、心の奥にいる自分がまだ見つけてもらえていないからです。

怒りの奥にいる本当の自分が、

「こっちを見て」
「私が何を感じていたのか、ちゃんと気づいて」
「私、本当はすごく悲しかったんだよ」

と訴えているのかもしれません。

怒りの奥にある想いに気づいたとき、感情は変わり始める

怒りを昇華するために必要なのは、怒りを否定することではありません。

「怒ってはいけない」
「許さなきゃいけない」
「もう忘れなきゃいけない」

そんなふうに自分に言い聞かせても、心はついてこないことがあります。

怒りは、あなたの心が出している大切なサインです。

だから、まずは怒っている自分を責めないこと。

そして少し落ち着いたときに、その怒りにこう聞いてあげるのです。

「私は本当は、何が悲しかったんだろう」
「私は本当は、何をわかってほしかったんだろう」
「私は本当は、どんなふうに大切にされたかったんだろう」
「私は本当は、何を期待していたんだろう」
「私は本当は、どうなりたかったんだろう」

怒りの奥には、あなたの大切な願いが隠れていることがあります。

大切にされたい。
安心したい。
わかり合いたい。
信じたい。
愛したい。
愛されたい。

本当は、そんな願いがあったのかもしれません。

怒りが強いほど、その奥には大切な想いが眠っていることがあります。

どうでもいいことには、人はそこまで怒れないものです。

怒りが湧くということは、それだけあなたにとって大切だったということ。
それだけ期待していたということ。
それだけ傷ついたということ。

それだけ、本当は愛があったということなのかもしれません。

「許す」より先に、自分の本当の気持ちを見てあげる

怒りについて話すとき、「許しましょう」と言われることがあります。

もちろん、いつか許せる日が来ることもあるかもしれません。

でも、怒っている最中の人にとって、「許しましょう」という言葉は、ときにとても苦しく聞こえることがあります。

「こんなに傷ついたのに?」
「あの人は何もわかっていないのに?」
「私だけが我慢しなきゃいけないの?」

そんなふうに感じることもあるでしょう。

だから、まずは、許すことより先に、自分の本当の気持ちを見てあげること。

「あのとき、私は本当に悲しかったんだね」
「大切にしてほしかったんだね」
「わかってもらえなくて寂しかったんだね」
「本当は、もっと優しくしてほしかったんだね」

そんなふうに、自分の心の奥にいる自分に声をかけてあげるんです。

それは、相手のためにすることではありません。

自分を怒りの中に置き去りにしないためにすることです。

怒りの奥にいる自分を迎えに行くためにすることです。

そのとき、怒りは少しずつ形を変えていきます。

ただ相手を責めるための怒りではなく、

「私は本当は、こんなに傷ついていたんだ」
「私は本当は、こんなに大切にされたかったんだ」
「私は本当は、愛したかったんだ」

という、自分への理解に変わっていきます。

怒りは、心の奥にある愛を知らせてくれることもある

怒りの奥を見ていくと、そこには思いがけず、愛が隠れていることがあります。

本当は仲良くしたかった。
本当は信じたかった。
本当は近づきたかった。
本当はわかり合いたかった。
本当は、大切にしたかったし、大切にされたかった。

でも、それが叶わなかったから悲しかった。
期待していたから傷ついた。
愛があったから、怒りになった。

そう考えると、怒りはただの悪い感情ではありません。

怒りは、あなたの中にある大切な想いを知らせてくれる入り口でもあります。

もちろん、すぐにそう思えなくても大丈夫です。

怒りが強いときは、まず怒っている自分をそのまま認めることが必要です。

でも、もし少し余裕が出てきたら、怒りの奥にある想いに目を向けてみてください。

「あの人が悪い」で止まっていた心が、

「私は本当は、何を感じていたんだろう」

そう、自分の心に目を向けられた時、心は少しずつ自分のもとに戻ってきます。

相手を見続けていた視線が、自分の心に戻ってきます。

それが、怒りが昇華していく始まりなのかもしれません。

怒りが消えないときは、心の奥の自分がまだ待っている

怒りがなかなか消えないとき、
それはあなたが未熟だからではありません。
執着深いからでもありません。
心が狭いからでもありません。

もしかすると、怒りの奥にいるあなたが、まだ見つけてもらうのを待っているのかもしれません。

「本当は悲しかった」
「本当は寂しかった」
「本当は大切にしてほしかった」
「本当はわかってほしかった」

その想いに触れたとき、怒りは少しずつとけていきます。

怒りを無理に消そうとしなくていいんです。
怒りを否定しなくてもいいんです。

ただ、その怒りの奥にある本当の気持ちを、そっと見てあげてみてください。

あなたの心は、怒りを手放したいのではなく、本当はわかってもらいたいのかもしれませんよ、あなた自身に。

そして、その本当の想いをあなた自身が見つけてあげたとき、怒りはようやく、昇華へと向かい始めるのです。

怒りがなかなか消えないとき、その奥には、まだ見つけてもらうのを待っているあなたの本当の想いがあるのかもしれません。

ひとりで抱えるのが苦しいときは、いつでもご相談くださいね。

一緒に、怒りの奥にいるあなた自身を見つけにいきましょう。

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