ウソをつく人の心理|なぜウソをつかれるとこんなにも傷つくのか

ウソをつく人って、どんな気持ちなのでしょうか。

たとえば、浮気しているのに、ほぼバレているのに、頑なに「してない」と言い張る人。
仕事上で、間違えた書類をひた隠しにしようとする人。

見ている側からすると、

「いや、バレるよね?」
「なんで今、本当のことを言わないの?」
「今隠したら、あとでもっと大変なことになるのに」

と思うことがあります。

怒られたくない、という気持ちはたしかに強いのだと思います。

でも、バレたら怒られるどころの話ではなくなる。

信頼を失ったり、関係が壊れたり、もっと大きな問題になったりすることもある。

それなのに、なぜ人はウソをついてしまうのでしょうか。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

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ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

目次

未来の大炎上より、今この瞬間の恐怖が大きい

「バレるのに、なんでウソをつくの?」

そう思うことがありますよね。

でも、ウソをついている本人の中では、たぶん“未来の大炎上”より、“今この瞬間の恐怖”のほうが大きいのだと思います。

浮気も、仕事のミスもそうですが、ウソをつく人は、冷静に先のことを考えてウソをついているというより、

「今、責められたくない」
「今、失望されたくない」
「今、自分が悪い人だと認めたくない」
「今、この場から逃げたい」

そんな気持ちが強くなっているのかもしれません。

だから、本人の中ではウソというより、一時避難のようになっていることがあります。

でも、その一時避難が、あとからもっと大きな問題になってしまうのです。

ウソの奥には「自分を見たくない」という気持ちがある

浮気しているのに「してない」と言い張る人は、相手を傷つけたくないというより、実際には“傷つけた自分”を見たくないのかもしれません。

「浮気した自分」
「信頼を裏切った自分」
「大切な人を泣かせる自分」

それを認めるのが、怖すぎるのです。

だから、相手の目の前でウソをついているようでいて、本当は自分自身に対しても、

「そんなことしてない」
「自分はそこまでひどい人間じゃない」
「まだ大丈夫」
「バレていないことにしたい」

そんなふうに言い聞かせているのかもしれません。

ウソをつくことで、相手を騙しているように見えます。

でも同時に、自分自身の現実感からも逃げようとしているのだと思います。

言ってみれば、ウソをつく人の中には、すでに強い自己否定があるのかもしれません。

自分を責めていたり、自分のことを良い存在だと感じられなかったり、自分自身に深く失望していたりする。

だからこそ、「本当の自分」を見られることが怖くて、必死で隠そうとしてしまうのかもしれません。

仕事のミスを隠す人の心理

仕事でミスを隠す人も、似ているところがあるかもしれません。

ミスを報告することが怖い。

でも、それは単に「怒られるのが怖い」だけではないのだと思います。

「できない人だと思われる」
「信用を失う」
「評価が下がる」
「迷惑をかけた自分を認めなければいけない」

それが怖いのです。

つまり、ウソの奥には、けっこう強い“恥”があるのかもしれません。

怒られるのが怖い。
責められるのが怖い。

でも、それ以上に、

「自分はダメだ」
「自分は最低だ」
「自分は見捨てられる」

そんな感覚に触れそうで、必死で隠そうとするのです。

ウソをつかれた側が傷つく理由

ここが難しいところなのですが、ウソをつかれた側からすると、傷つくポイントはミスそのものや浮気そのものだけではありません。

むしろ、

「本当のことを言ってくれなかった」
「私を騙そうとした」
「信じたい気持ちまで踏みにじられた」
「こっちは薄々わかっているのに、さらにウソを重ねられた」

ここで、信頼が深く壊れてしまうのです。

だから、ウソをつく人は“怒られないため”にウソをつくのに、結果的にはいちばん怒られる方向へ進んでしまいます。

でも本人は、その瞬間にはそこまで見えていないのかもしれません。

目の前の恐怖を避けることに必死で、その先にある大きな痛みや信頼の崩壊まで、心が追いついていないのです。

彼らの心の中は、他者が思っている以上に恐怖で埋め尽くされているのかもしれません。

子どもが「やってない」と言う心理に近いもの

心理的には、子どもが花瓶を割って「割ってない」と言うのと近い部分があると思います。

大人から見れば、明らかに割れている。

でも子どもは、

「怒られる」
「嫌われる」
「悪い子だと思われる」

そんな恐怖でいっぱいになって、とっさに「やってない」と言ってしまう。

大人になっても、心の中のどこかで、

「怒られる」
「責められる」
「見捨てられる」
「自分が悪いと認めたら終わる」

という恐怖が強いと、反射的に隠してしまうことがあります。

ただ、大人のウソは、子どものウソと違って、相手の人生や信頼関係を巻き込みます。

だから、やはり責任は必然的に重くなってしまいますよね。

理解することと、受け入れることは別

ウソをつく人の心理を見ていくと、そこには怖れや恥、弱さがあるのかもしれません。

「この人は悪意だけでウソをついたというより、現実を見ることが怖くて、そこから逃げてしまったのかもしれない」

そんなふうに理解することはできます。

でも、理解することと、それを受け入れ続けることは別です。

「それは嫌だった」
「私は傷ついた」
「もう同じことはされたくない」

そう感じることも、相手にNOを言うことも、自分を守るためには大切なことです。

ただ、ここでひとつ大切なポイントは、私たちはなぜ、ウソをつかれるとここまで傷つくのか、ということです。

人は大小問わず、誰でもウソをつくことがあります。

「大丈夫」と言いながら、本当は大丈夫ではなかったり。
「気にしていない」と言いながら、本当はすごく気にしていたり。
「忙しかった」と言いながら、本当は向き合う気力がなかっただけ、ということもあるかもしれません。

それでも、誰かにウソをつかれたとき、私たちはとても深く傷つくことがあります。

ときには、「ウソをつくなんて最低だ」「絶対に許せない」と、相手を断罪したくなるほど心が反応することもあります。

もちろん、相手を大きく傷つけたり、信頼を壊したりするウソには責任があります。

でも、ウソをつかれた痛みを見つめるとき、大切なのは「ウソをついた相手が悪い」と断罪することだけではないのだと思います。

むしろ本当に見つめたいのは、なぜ自分はそこまで傷ついたのか、ということです。

ウソそのものが凶器になっているだけではなく、ウソによって「心と心でつながれなかった」と感じるから、私たちは傷つくのかもしれません。

本当のことを話してもらえなかった。
本当の気持ちを見せてもらえなかった。
自分と向き合うよりも、隠すことを選ばれてしまった。

そのとき、私たちはただ騙されたというだけではなく、

「私は信頼されていなかったのかな」
「私は本当のことを話してもらえる相手ではなかったのかな」
「この人は、私と向き合うより、自分を守ることを選んだのかな」

という深い痛みを感じるのだと思います。

だから、怒りが出るのです。
だから、責めたくなるのです。
だから、「ウソをつく人なんて最低だ」と断罪したくなることもあるのです。

でも、その怒りの下には、もしかすると、

本当は信じたかった。
本当はつながりたかった。
本当は誠実に向き合ってほしかった。

そんな願いがあるのかもしれません。

だからこそ、ウソをつかれた痛みを見つめるときには、相手を責めるだけで終わらせるのではなく、自分の中にある本当の願いにも目を向けてみたいのです。

私は、本当は何を信じたかったのだろう。
本当は、どんなふうに向き合ってほしかったのだろう。
本当は、その人とどんな関係を築きたかったのだろう。

そこに触れたとき、怒りの奥にある自分の大切な気持ちが、少しずつ見えてくるのかもしれません。

相手のウソを受け入れ続ける必要はありません。

NOを言ってもいいのです。
距離を取ってもいいのです。
関係を見直してもいいのです。

けれど、自分の心まで「絶対に許さない」という怒りに縛られ続けなくてもいいのだと思います。

大切なのは、相手のウソを正当化することではなく、自分の痛みを置き去りにしないこと。

そして、必要な境界線を引きながら、自分の心を少しずつ取り戻していくことなのだと思います。

ウソは、現実を引き受ける力を失っている状態

ウソとは、相手を騙す行為でもあります。

でも深く見ていくと、本人が“現実を引き受ける力を失っている状態”でもあるのかもしれません。

本当のことを言うには、勇気がいります。

自分のしたことを認める勇気。
相手を傷つけた現実を見る勇気。
怒られるかもしれない場に立つ勇気。
信頼を失ったかもしれない関係に、逃げずに向き合う勇気。

でも、関係を守るのは、ウソではありません。

その勇気のほうです。

一時的に怒られないためのウソは、あとからもっと大きな不信感を生みます。

けれど、本当のことを言う勇気は、たとえその瞬間は痛みを伴っても、関係を誠実な場所に戻す可能性を残してくれます。

ウソをつく人の心の奥には、恐怖や恥や弱さがあるのかもしれません。

でも、信頼を守るために必要なのは、その弱さを隠すことではなく、弱さごと現実に向き合うことなのだと思います。

そしてそれは、ウソをつく側だけの話ではないのかもしれません。

ウソによって傷ついた側もまた、

「私は傷つけられた」
「あの人が悪い」
「だから私は責めてもいい」

という場所に居続けると、知らないうちに自分の心が、相手への怒りや不信感に縛られてしまうことがあります。

もちろん、傷ついたことをなかったことにする必要はありません。
相手のウソを正当化する必要もありません。

でも、「ウソをつかれた被害者」という場所に居続けるほど、私たちは相手を“加害者”として見続けることになります。

すると、些細なウソや小さな違和感にも反応して、相手を責めたくなったり、揚げ足を取るように追及したくなったりすることがあります。

本当は、そんなふうに責め続けたいわけではないのに。
本当は、心と心でつながりたかっただけなのに。

ウソをついた側も、ウソをつかれた側も、どちらかが悪者で、どちらかが被害者という場所に立ち続ける限り、本当の意味で心を開くことは難しいのかもしれません。

だからこそ、必要なのは、被害者と加害者のポジションを降りることなのだと思います。

それは、相手のしたことを許してあげるという意味ではありません。
傷ついた自分を我慢させることでもありません。

ただ、「私は被害者で、あなたは加害者」という関係性の中に、自分の心を閉じ込め続けないということです。

被害者・加害者のポジションを降りたとき、私たちは少しずつ、無害者として相手を見ることができるようになるのかもしれません。

相手を敵として見るのではなく、怖れや弱さを抱えたひとりの人として見る。

そして自分のことも、傷つけられたかわいそうな人としてだけではなく、本当は愛したかった人、本当は信じたかった人として見てあげる。

そこに戻れたとき、ようやく心と心がつながる可能性が生まれるのだと思います。

ウソをつく側に必要なのは、

「私はウソをつかなくても大丈夫」
「本当のことを言っても、私という存在そのものが否定されるわけではない」
「私は、弱さごと受け入れられる存在なんだ」

という自分への信頼なのかもしれません。

そして、ウソに傷ついた側に必要なのは、

「私はもう、いつも身構えていなくてもいい」
「世界は私を傷つけるものばかりではない」
「私は、本当は大切にされていい存在なんだ」

という自分への信頼なのかもしれません。

少し大げさに聞こえるかもしれませんね。

でも、ウソの奥にある怖れをほどいていくためには、結局のところ、自分という存在への信頼を取り戻していくことが大きなカギになります。

私は、ウソをつかなくても大丈夫。

私は、傷つけられたポジションに居続けなくても大丈夫。

私は、愛される存在であり、受け入れられる存在であり、祝福されている存在なのだ。

そんなふうに、自分の心の深いところで自分自身を信じられたとき、私たちは少しずつ、被害者でも加害者でもない、無害者という立ち位置に戻っていけるのかもしれません。

そしてその場所からなら、もう一度、誰かと心でつながることもできるのだと思います。

自分への信頼を取り戻すために、まずは傷ついた心を、少しずつ癒していきましょう。

ウソによって傷ついた心は、すぐにはほどけないかもしれません。

でも、その痛みの奥にある「本当は信じたかった」「本当はつながりたかった」という願いに気づけたとき、私たちはもう一度、自分の心を自分のもとへ取り戻していくことができるのだと思います。

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