カウンセリングサービスの青山リナです。
大掃除、進んでいますか?
私の実家も母があちこち年末になると、普段やらない場所を掃除しています。
私、脚立って嫌いなんですよね。
高いところが嫌い、というより、椅子に乗って、とかそういうのならまだ良いんですけど、脚立って、なんだか心もとない。
でね、そんな脚立に乗って、母が窓の上の方を拭いていたりするんですよ。外側を拭こうとすると、結局脚立に乗らなければ絶対手が届かないのですね。
でもね、それがまた…私としては危なっかしくて見ていられないわけです。
母は女手一つで娘の私を育てたような人なので、何だって自分でしてしまうんですね。玄関の鍵が壊れたら、玄関の扉を自分で外していろんなツールを持ちだして直してしまうような人。そんじょそこらの男性は顔負けなのですよ…。
そんな母だから、窓拭きなんてできないわけがない。
そうなんですけどね…そうなんですけど、娘の私からすると、いいお歳でね、そろそろさすがにね…と思うことも多々あります。
そんなこんなで母が窓拭きをしていたらしく、まだあと数枚残っていると言っていたんですね。
その時私は仕事の途中で窓拭きどころではなかったので、「あとでやるよ、危ないから置いておいて。」と伝えはしたものの、「わかった、そうする。」という母ではないのですよ。
以前の私はね、ここでキレる。すごく嫌な気持ちになる。
人が親切にやるから、って言ってるのに、人の言うことも聞かず、本当に自分勝手な母だ!と思っていました。私がどれだけ心配したところで、全部無駄。自分のやり方は絶対曲げない。それどころか、母からは、本当に窓拭く気があるならもっと早く言ってくれたら良いじゃない、なんて嫌みこそ言ってくるような母だったのです。親の心配をすれば私の方が嫌な気持ちにさせられる、最悪な人だ!って思っていました。
でもそれでは埒が明かないんですよね。
さすがに散々同じことを繰り返して、私も少~し、学びましたよ。
埒が明くどころか、自分が腹を立てて嫌な気持ちになって、二度と心配なんてしてやるものか、と思って、でも結局また同じ状況を見ると心配な気持ちになって、そんな想いをさせるあの母親が全部悪い!人の気も知らないで!この人は全然娘の私のことを理解しようともしない!それなのにあれしろこれしろと正論ばかり吐いて、最低な人間だ!
なんていう、堂々巡りが始まるんですよね。
皆さんは、そんな経験はありませんか?
で、さすがに少~し学んだ私は、ちょっと手法を変えまして
「お母さん、窓は私拭くから、脚立に昇ってもしお母さんが危ない目にあったら、私、悲しいよ。」
って伝えたんです。
でね、なんかそんなことを口に出して言うと、私も不思議と涙が出てきたんですよね。
自分でも正直びっくりしました。あぁ、ここか、私、と。
ここか、というのは、母に対して、以前よりは関係性もだいぶ良くなって穏やかになってきたのですが、それでもまだまだ、自分の母を想う本心って言葉にして伝えていないんだな、と感じたのです。
距離が近ければ近いほど、難しいですよね。
そんな母は、私が目に涙を潤ませているなんてことには気付いていません。(多分)
そんな母からの言葉は
「全然悲しそうじゃないじゃん~」
って。
以前の私なら、ブチ切れ案件です。
少~し学んだ今の私は、おかげさまで
「ま、この一言で止めるような母じゃないか。怪我しないようにね。」
なんて思えるようになりました。
それと同時に、不思議と心配する気持ちがすーっと薄らいだんですね。結局同じことをしていても、この心配する気持ちや不安な気持ちが大きくあるのと薄らいでいるのでは全然違いますよね。
結局相手を変えることってできない。
でも、自分の言動を変えることで、自分の感じる気持ちや受け止め方ってだいぶ変わります。
自分が相手にイライラしたり、腹をたてたり、嫌な気分を味わっている時って、相手が悪いと責めるのだけれど、心の中で一番責めているのは自分自身だったりします。
相手の期待に応えられていない自分
相手を満足させられない不充分な自分
でもそういう自分を責める必要は無いし、
相手のために自分を捧げて犠牲になる必要もない。
ただ
自分にできる方法で、精一杯をする。
それがどんな時も、苦しい状況を改善する一番の近道なのではないかと思うのです。
いつもあなたを応援しています。