冬になると気持ちが沈むのはなぜ？｜心が内側に向く季節のお話

冬になると、
理由ははっきりしないけれど、
なんとなく気持ちが重くなることはありませんか。

私は寒いのが苦手で
寒くて動けない、動く気に全然ならない、って結構あるんですよね。

寒いとイライラする…とすら感じることもあります。

皆さんはどうですか？

冬の寒さで
普段ならは普通にできていたことが、少し億劫になったり。
夜になると、寂しさや不安が大きく感じられたり。

「もっと前向きにならなきゃいけないのに」

なんて、自分を責めてしまう人も多いかもしれません。

私自身もそんな風に感じていたことあります。

でも実はそれ、
あなたの心がちゃんと“内側”に戻ってきているサインなのかもしれません。

冬は、心が内側に向きやすくなる季節

寒くなると、私たちは自然と外に出る機会が減ります。
日照時間は短くなり、夜は長く感じられる。
人と会う頻度も減り、家で過ごす時間が増える。

すると心は、外に向かって頑張るモードから、
自分の内側を感じるモードへと切り替わっていきます。

これは、怠けているわけでも、後退しているわけでもありません。
心が休もうとしている、ごく自然な動きです。

春や夏は、
「やる」「進む」「応える」季節。

一方で冬は、
「感じる」「戻る」「整える」季節。

外の世界が静かになるように、
心もまた、内側へと意識を向けやすくなるのです。

冬には気持ちが沈みやすくなる

冬になるとうつっぽくなる人が増える、
そんな話を聞いたことがあるかもしれません。

日照時間の減少、寒さによる体のこわばり、
活動量の低下、人との距離感。

これらが重なると、
心も体もエネルギーを外に出すより、
内側に溜め込もうとします。

だから、やる気が出なかったり、
気持ちが沈んだり、
何もしたくなくなることが増えたりします。

それは「ダメになった」からではなく、
今はそういう状態になりやすい季節なだけ。

無理に元気を出そうとすると、
かえって心が疲れてしまうこともあります。

前向きになれなくてもいい

冬の心に必要なのは、
「前向きになること」ではありません。

もちろん、前向きになることが悪いわけでもないですし
前向きになってもいいんですよ。

ただ自分にこんな許可をしてあげるのもいいと思うのです。

何かを決断しなくてもいい。
答えを出さなくてもいい。
頑張って明るく振る舞わなくてもいい。

今のあなたに必要なのは、
改善よりも、調整なのかもしれません。
奮い立たせることよりも、あたためることをしてみてはどうでしょう。

動けない自分を責めるより、
「今は内側の時間なんだな」と
気づいてあげるだけでいいのです。

心を温める、ささやかなヒント

大きなことをしなくてもいいんです。

・今日はこれだけできた、と自分に言ってあげる
・あたたかい飲み物を、ゆっくり飲む
・誰かと比べない夜をつくる
・寂しさを消そうとしない

寂しさは、弱さの証拠ではありません。
それは、ぬくもりを知っている人にだけ現れる感覚です。

追い払おうとせず、
「ここにあるね」と認めてあげるだけで、
心は少し落ち着きを取り戻します。

冬は、自分のもとに戻る季節

冬は、前に進む季節ではないかもしれません。
でも、自分のもとに戻る季節ではあります。

もし今、
元気が出なくても、
何も決められなくても、
前向きな言葉が浮かばなくても。

それは止まっているのではなく、
ちゃんと自分を感じ直している時間なのだと思います。

この冬は、
無理に変わろうとしなくていい。
ただ、心に少しあたたかさを向けてあげてください。

それだけで、十分です。