ダメな自分を受け入れる　-セルフコンパッション-

自分にとって受け入れがたい自分、って聞くと、どんな自分を思い浮かべますか？

試験でとても簡単な計算ミスをした。
ダイエットしようと思っているのに、友達に食事に誘われて行ってしまった。
締切が明日の仕事がまだ終わってない！
友達と朝約束していたのに、起きたら待ち合わせの時間だった。

こんなことがあると、「あ～あ、自分はダメだ！」と思いがちですよね。

人が同じようなことをすると、「ダメじゃん！」って叱りたくなったりもします。

自分に厳しい人

自分に厳しい、って、一般的に考えると、人として大切なことのように思いませんか？

私個人的には、「自分には厳しくいなさい」みたいなことをよく言われてきた気がします。そうあるべきもの、それが「良い人間」みたいなイメージが出来上がっていたりなんてするんですが、皆さんはいかがでしょう？

自分に厳しい人、というのは「こうあるべき」という厳格な理想の姿を持っており、自分が困難な状況でも、自分に優しい言葉をかけるより、もっとやらなきゃ、ちゃんとしなきゃ、できない自分はダメなんだ、などの厳しい言葉で自分を律していることが多いようです。

そうなると、自分を労わるより、厳しさを選びますから、怒りや不安という感情が強くなります。

自分に厳しく苦しい状況にあったとしても、そんな自分は後回しで、人を助けねば、と自分より人を優先したりもします。犠牲的な状態になりやすいです。

また、自分を後回しで人を助けると、今度は人が自分を助けてくれるのでは、と期待する気持ちも必然的に出てきたりもします。しかし、期待通りにならないと、孤独感を強く感じたり、苦しいのは自分だけ、と周りから孤立してしまったりすることもあります。

自分に厳しく弱音や泣き言を封印しようとするので、ネガティブな感情を押さえつけます。しかし感情は、振り子のよう動き、ネガティブもポジティブも感じるので、片方だけ蓋をしようとすると、同時にポジティブな感情にも蓋がされてしまい、感情を感じにくくなり最終的に鬱っぽくなってしまったり、自分に我慢・抑圧させる状態になることで怒りが爆発しやすいという状態を作ってしまうこともあります。

自分に厳しい人は、実は人にも厳しかったりするのです。
私たちの心は投影しますので、自分に禁止していることを人が同じようにやっていると、自分に叱り飛ばすように、人にも同じように叱り飛ばしたくなる、ということがあるのです。

自分に優しくするススメ

「セルフコンパッション」という言葉を聞いたことがありますか？

自分を慈しみ、自分を大切にする、という意味の言葉です。

自分自身に優しさや慈しみの心を向けると、心があたたかく感じます。穏やかさや安心感を自分にもたらすことができるのです。

どうするの？

自分に優しくするってどうしたらいいの？

①　大丈夫、人間だもの！

 失敗したって大丈夫、人間だもの！
 そんなこともあるよね。
 またやってみよう！

そんな声を自分にかけてあげましょう。
失敗したってもう一度やってみればいい。
失敗から学ぶことだってある。
3日坊主も3回やれば9回やったことになる。

チャレンジしたけどできなかった、って悔しい想いをすることもあるでしょうけれど、その悔しさを感じたとしても、自分を責める必要は無いんです。

自分を責める言葉から、自分を認め受け入れる言葉に変えていってみませんか。

②　私が幸せでありますように。

 私が幸せでありますように。
 私が健康でありますように。

自分に向けて、祈りの言葉をかけてあげましょう。

悲しみが深い時には
私が深い悲しみから解放されますように。

不安が強い時には
私の心が不安を手放し、穏やかでありますように。

など、自分の状況に応じて、自分に祈りの言葉を唱えてみてください。

同じように、人に対しても、心の中でつぶやくだけでもいいので、大切な人、前から歩いてくる見ず知らずの人などに心の中で唱えてみるのも良いですね。ただし、人に唱える時は、必ず自分も最初に数に入れましょうね。

セルフコンパッション効果

自分を大切に扱う、自分を慈しむ、ということが果たしてどのくらいの効果があるのかというと、このような効果が期待できます。

セルフコンパッション効果
・幸福感が高くなる
・自己肯定感が高くなる
・恋愛や人間関係が良好に上手くいきやすい
・不安や怒りが減る
・他人に優しくなれる
・目標を達成しやすくなる

あなたの毎日が豊かで心あたたかいものでありますように。