職場で嫌われてる気がする…その不安を心理学で読み解く

朝、「おはようございます」と声をかけたのに、返事がそっけなかった。

休憩室に入ったら、さっきまでの楽しそうな会話がぴたっと止まった。

私にだけ、なぜか仕事の声がかからない。

「もしかして私、嫌われてる…?」

一度そう思いはじめると、相手のちょっとした表情や態度まで気になって、仕事に集中できなくなってしまいますよね。

職場で冷たい態度をとられる理由は、ひとつではありません。

相手の嫉妬や妬み、もともとの相性もあるでしょう。

そしてもうひとつ、意外と見落とされやすいのが、お互いのやりとりがうまく噛み合っていないケースです。

この記事では、「職場で嫌われてる気がする」という不安の裏にある心の仕組みと、自分から関係を変えていくためのヒントをお伝えします。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

目次

職場で「嫌われてる気がする」と、毎日がしんどくなる

職場は、自分で選んだ好きな人たちの集まりではありません。

それでも、一日の大半を一緒に過ごす相手です。

その中に「私のことを嫌っているかもしれない人」がいると思うと、会社に向かう足がどんどん重くなっていきますよね。

話しかけるたびに、相手の顔色をうかがってしまう。

何か言われたわけでもないのに、帰り道でその人の態度を何度も思い出してしまう。

休みの日まで、週明けのことを考えて憂うつになる。

「気にしすぎかな」と自分に言い聞かせても、気になるものは気になります。

その不安を一人で抱えたまま毎日出勤するのは、本当にしんどいことです。

カウンセリングでも、こんな声をよく聞きます。

「上司に話しかけると、いつも面倒くさそうな顔をされるんです」

「同僚が、私にだけ仕事を回してくれない。無視されている気がします」

「また怒られるんじゃないかと思うと、報告に行けなくて」

お話を聞いていくと、その背景は人によってさまざまです。

「嫌われてる気がする」理由はひとつじゃない

職場で冷たい態度をとられる背景には、いろいろな理由があります。

あなたの仕事ぶりや人柄に、嫉妬や妬みを感じている人もいるかもしれません。

単純に相性が合わない、ということもあるでしょう。

ただ、カウンセリングでお話を聞いていると、それとは別に、コミュニケーションがうまく取れていないことで距離ができているケースもあるんです。

嫌いじゃないのに、つい頼まなくなる

ちょっと思い出してみてください。

あなたにも、こんな経験はありませんか?

職場に、なんとなく話が噛み合わない人がいる。

説明を聞いても要点がつかみにくかったり、こちらが手一杯のときに限ってタイミングがずれていたり。

意地悪な人ではないし、嫌いというほどでもない。

でも、急ぎの仕事をお願いするなら、つい話の早い別の人に頼んでしまう。

相手を嫌っているわけではないのに、結果的に距離ができていく。

忙しい職場では、誰にでも起こりうることです。

そして、頼まれなくなった側から見ると、それが「避けられてる」「嫌われてる」に見えてしまうことがあるんです。

カウンセリングで聞いた、Aさんのお話

このお話はAさんに掲載許可をいただいたうえで載せています。

たとえば、こんなお話を聞くことがあります。

30代のAさんは、同じ部署の先輩に嫌われていると感じていました。

「私にだけ仕事を振ってくれないんです。ほかの人には声をかけるのに」

お話を聞いていくと、Aさんはその先輩のことが、もともと少し怖かったそうです。

話しかけるときは緊張して、つい前置きが長くなる。

「怒られるかも」と思うと、確認したいことも聞けずに、自分の中で考えて進めてしまう。

報告するときも、Aさんの頭の中ではつながっている話を、途中から話しはじめてしまうことがありました。

先輩からすると、「何の話だろう?」「もう一度確認しないと」と、やりとりに手間がかかります。

だから急ぎの仕事は、つい別の人に頼むようになっていたのかもしれません。

Aさんが感じていた「嫌われてる」は、先輩から見ると「ちょっと話が伝わりにくい」だった可能性があるんです。

「嫌われてる気がする」をつくる心の仕組み

Aさんのように、「嫌われている」と感じている相手のことを、実はご本人のほうが苦手に思っているケースは少なくありません。

自分の「苦手」が相手に映る

心理学には「投影」という考え方があります。

自分の心の中にある気持ちを、相手が持っているように感じてしまう心の動きのことです。

「あの人、私のこと嫌いなんだろうな」と感じるとき、心の奥では「私、あの人が苦手」「あの人が怖い」という気持ちが動いていることがあります。

自分の中の「苦手」が、相手の態度に映り込んで見えてしまうんですね。

身構えるほど、やりとりはぎこちなくなる

苦手な人の前では、どうしても身構えてしまいます。

「また怒られるかも」「冷たくされるかも」と思うと、声が小さくなったり、報告が遅れたり、聞きたいことを聞けなかったりするんです。

すると相手は、「話が見えない」「なんだか伝わりにくい」と感じて、少しずつほかの人に頼むようになります。

それを見て、こちらはさらに「やっぱり嫌われてる」と確信してしまう。

苦手 → 身構える → やりとりがぎこちない → 相手が距離をとる → 「やっぱり嫌われてる」

このループが、知らないうちにぐるぐる回ってしまうんです。

「決めつけ」が不安を大きくする

もうひとつ、不安を大きくしてしまうのが「決めつけ」です。

返事がそっけなかったのは、ただ忙しかっただけかもしれない。

会話が止まったのは、たまたま話が終わったタイミングだったのかもしれない。

けれど、「嫌われてる」という前提で見ていると、どんな出来事もその証拠に見えてしまいます。

認知行動療法では、こうした考え方のクセを「認知の歪み」と呼び、根拠がないのに相手の気持ちを決めつけてしまうことを「心の読みすぎ」と言ったりします。

こうした心の動きは、誰にでも起こるもの。

気づいたときに、少し見方を変えてみればいいんです。

「でも、本当に嫌われていたらどうしよう…」

そう思った方もいるかもしれませんね。

次の章では、そんなときのことも含めて、今日からできることをお伝えします。

「どうしたら伝わるかな」の視点を持ってみる

相手の気持ちは、自分の力で変えることはできません。

でも、自分の伝え方は、今日から見直すことができます。

「嫌われてる?」を「伝わってる?」に置き換える

不安になったら、心の中で「私、嫌われてる?」を「私の話、ちゃんと伝わってるかな?」に置き換えてみてください。

それだけで、相手を「怖い人」としてではなく、「どうしたら伝わるかな」と考える相手として見られるようになります。

相手に伝わりやすい言葉を使えているか見てみる

何かを伝えたいとき、自分が使っている言葉が、相手にとってわかりやすいかどうか。

自分ではきちんと説明しているつもりでも、頭の中で考えたことが、そのまま相手に届いているとは限りません。

  • 最初に「何の話か」「結論は何か」を伝える
  • 相手が知らない前提や経緯を、ひと言添える
  • 自分だけがわかる言い方や略語を使っていないか見直す
  • 指示を受けたら「〇〇を△日までに、ですね」と復唱する

どれも小さなことですが、相手が「この人の話はわかりやすい」と感じるきっかけになります。

「どうしたら伝わるかな」と考えることは、相手を大切にすることでもあるんです。

苦手な相手の「悪気のなさ」を探してみる

苦手な相手をよく見てみると、意地悪ではなく、ただ人付き合いが不器用なだけ、ということもあります。

「この人にも悪気はないのかも」と思えると、身構える気持ちが少し和らぎます。

その変化が、やりとりを変える最初の一歩になります。

嫉妬や嫌がらせが続くときは

ただし、嫉妬からくる意地悪や、あからさまな無視、暴言が続いている場合は話が別です。

それは、伝え方の工夫でどうにかする問題ではありません。

信頼できる上司や社内外の相談窓口に、早めに相談してみるのもいいかもしれませんね。

不安を抱えたままでも、自分の居場所はつくっていける

「職場で嫌われてる気がする」と悩むのは、それだけ周りの人との関係を大切にしたいと思っているから。

その気持ちは、とても素敵なものです。

ただ、不安でいっぱいになっていると、自分から心のシャッターを下ろしてしまい、本当はつながれたはずの人とも距離ができてしまうことがあります。

相手の心は変えられなくても、伝え方は自分から変えられます。

今日、ひとつだけ結論から報告してみる。指示を一度だけ復唱してみる。

その小さな工夫が、職場でのあなたの居場所を少しずつ広げてくれるはずです。

もうこれ以上、職場の不安であなたの幸せを先延ばしにしないために。

ひとりで抱えきれないときは

「頭ではわかっていても、あの人の前だとどうしても固まってしまう」

「どの職場に行っても、同じような人間関係でつまずいてしまう」

そんなときは、その苦手さの奥にある気持ちを、カウンセリングで一緒に見ていくこともできます。

職場でのしんどさを、そのまま話しに来てくださいね。

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