【カウンセリング講座】「投影」の世界にご参加いただき、ありがとうございました。

昨夜は、母校、神戸メンタルサービスでカウンセリング講座を担当させていただきました。【「投影」の世界　～見えている現実は、自分の心が創っていた！？～】というテーマでの講座。

お忙しい中お時間を作ってオンタイムでご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

神戸メンタルサービスの講座はもう何度か担当させていただいておりますが、毎回、カメラをオンにして聞いてくださる受講生の方が増えているのが私のとても嬉しい励みになっております。

これもまたもしかすると投影なのでしょうか…。

さて、講座内でお話ししたエピソードを1つ、ここにも載せておきたいと思います。
投影のわかりやすいエピソードかと思います。
皆さまの参考になると幸いです。

私には、ある先生がいます。
もう10年以上のお付き合いになります。
だけど、初めて出会ったとき、私にはその先生の話が本当に……よくわからなかったんです。

「この人、日本語話してるのかな？」
って、真剣に思ったくらい（笑）

話の内容はぼんやりしてるし、構成もないし、
一体何が言いたいのかが、まったく伝わってこない。
（と、私は当時感じていたんです。）

私は当時、結構頑張り屋で、ちゃんと筋道立てて、
わかりやすく、論理的に話すことが正しい、って思っていました。

だから、その先生のふわふわした話し方が、どうしても許せなかったんです。
「話がグダグダしてるなぁ」「なんか回りくどい」って、レクチャーを聞くたびにイライラしていました。

今思えば、これは完全にネガティブな投影。
心理学で言う「シャドウ」ってやつですね。

私は、「ちゃんとしていない自分」「感情のままに語ってしまう自分」
そんな未熟さを、自分の中でずっと否定していました。

だから、曖昧だったり、感情の混ざった話し方をする先生に、
自分の中にある「未熟さ」や「混乱」を投影して、外に向かってイライラしていたんですね。

だけど、不思議なことが起こりました。

それから2年ほど経って、先生の話が、少しずつ心に入ってくるようになったんです。

あるとき気づいたんです。

この人は、うまく話すことよりも、
一人ひとりの心の深いところに触れようとしているんだなって。

感情を扱う仕事だからこそ、
あえて「型」にハマらない言葉で語っているのかもしれない。
混乱や矛盾をそのままにして、
相手の心の声を待っているのかもしれない。

そして今では、その先生のことをとても尊敬しています。
「一枚一枚、薄皮をめくるように感情を探っていく丁寧さ」や、
「何を言われても揺らがない、柳のようなしなやかな強さ」に、
深い尊敬の念を抱くようになりました。

ここで起きていたこと。
それは、ネガティブな投影が、ポジティブな投影へと変化していくプロセスだったんだなと、今なら思います。

あの頃、私が嫌っていたのは、
先生ではなく、自分の中にある未熟さや混乱でした。

でも、それを少しずつ受け入れられるようになったとき、
相手への見方が変わり、尊敬という気持ちが育っていった。

このように、投影は私たちが何かを「他人に見ているようで、実は自分を見ている」心のしくみなんです。

人を見てイライラしたり、モヤモヤしたり、
逆にすごく惹かれたり、憧れたりするとき
それは、自分の中にある何かが、相手をスクリーンのようにして映し出されているということ。

その「仕組み」を知ると、ただイライラして終わるのではなく、
その奥にある“本当の自分”に出会うことができます。

と、文字にするととても立派なことを話しているようですが、
実際の講座の中では、こんなまとまった話し方ではなかったので
面白おかしく聞こえた方もいるでしょうし、
グダグダしてると聞こえた方もいらっしゃるかもしれません。

良かったら、見逃し配信でまたご覧くださいませ。

また別の講座で皆さまにお会いできると嬉しいです。

ありがとうございました。