今日も読んでくださってありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。
2/3(土)の節分の日に、母校、神戸メンタルサービスで、恋愛心理学講座を担当させていただきました。ご参加いただきました方々、そして、見逃し配信でご覧いただいている方々、ありがとうございました。
講座内で、最後にQ&Aという形でご質問をいただき、ブログで掲載しても良いですよ、とご本人に許可いただいたご質問を順にお返事させていただきたいと思います。
読んでくださっている皆さまの中にも同じように感じていらっしゃる方もいるのではないかと思いますので、参考になれば幸いです。
Question:「元夫に感謝すると、その時の不甲斐なさ、受け取れなかった相手の気持ちを感じて、辛く罪悪感を感じます。どうすればいいですか?」
このご質問をいただいたときに私が思ったこと、それは、この方はとても心の優しい方なんだな、ってことでした。そんなあなたが罪悪感にまみれて辛くなっている、とすると、それほどまでに辛い思いをあなたにさせてしまったのか、と元ご主人はまた罪悪感を感じられるのでしょうね。
罪悪感は罪悪感を呼び、罪悪感ループを作ってしまうのです。
1.罪悪感は罪悪感を呼ぶ ~罪悪感ループの仕組み~
たとえば、A子さんがお友達のB子さんに、旅行のおみやげを買ってきたとしますよね。
A子さん:これ、旅行に行った時のお土産なの。これ美味しいのよ、良かったら食べて。
B子さん:え~、そんなのダメよ、もらえないよ。
A子さん:そんなたいしたものじゃないから。気にしないで、受け取って。
B子さん:ダメよ、申し訳ないもの。受け取れないよ。
A子さん:ん~、なんだかあなたに迷惑かけてしまってるわね。ごめんなさいね。
なんだかこんなやり取りって結構あったりしますよね。
A子さんはB子さんに迷惑をかけたいわけでも無ければ、ただ何か美味しそうなものを見つけたから、お友達にも食べてもらいたい、という感覚で渡したかったお土産。
でもB子さんの、私はそんな気づかいしていない、私は何もあげていない、だから貰うなんてそんなの申し訳ない、私なんかが受け取れない、という想いが強すぎちゃって、受け取らずにいると、A子さんの方まで、B子さんに迷惑をかける行為をしてしまったような気分になってくる。
こんな形で、罪悪感は罪悪感を呼び起こし連鎖させていってしまうんですね。
罪悪感って、自分は罪である、自分は悪い存在である、という想いです。
実際何か悪いことをした、というよりも、自分が自分で自分に罪な存在だ、と感じている状態。
どうしてそう感じるかというと、自分が愛を止めている、という状態の時にそれを感じるのだと言われます。
A子さんはおみやげを買ってきてくれたけれど、自分(B子さん)は何も買ってこなかった。そんな自分はダメな自分。おみやげを買ってこなかったどころか、買ってこようとすらも思わなかった、酷い自分。
ここで自分を責める行為が出てくるのですね。
そうすると、何が起こるか。
そもそも自分が酷い罪な自分にならなきゃいけないのは、A子さん、あなたがお土産なんて買って来るからよね?
という、自分を責める気持ちが、相手を責める気持ちに変わってしまうのですね。
だってA子さんがお土産なんて買って来なかったら、嫌な自分に出逢う必要無かった、と感じるから。
これって、知らないうちに、A子さんが加害者で、B子さんが被害者、という立場になってしまっているんですね。でも、被害者ポジションに入ると、被害者であるという立場を使って相手を責める形になってしまうのです。
罪悪感が働いている時は、自分を責めているか、相手を責めているか、という状態になります。
言葉を変えると、被害者になっている状態か、加害者になっている状態か、どちらかなんですね。
自分が被害者になれば、相手を加害者にすることになるし
自分が加害者になれば、相手を被害者にすることになる。
自分が腹を立てる側になるのか、腹を立てられる側になるのか、どちらにしてもいい関係が築けそうな気がしませんよね。
私たちって、結局のところ、自分と相手との間に愛が循環している、と感じると、気分が良いのですが、愛が循環しなくなった瞬間、良い気分ではなくなるんですね。
2.罪悪感から抜け出す勇気
自分が愛を止めている
怖れの気持ちが働く時にはなかなか気づきにくいのですよね。そもそも、愛、とか意識していないと思うんです。
私たち人間は、人間である以上、罪悪感をゼロにすることってきっとないんじゃないかと思うのです。
それでも、明らかに自分が罪悪感を抱えている、という自覚のある時、または指摘された時、きっとその罪悪感を抱えている状態だと、自分の人生、毎日の生活の中で何かしら上手くいかない瞬間があちらこちらであるのだと思うのです。
まずはその必要のない罪悪感を手放して、自分を幸せにすることを自分に許してあげたいのか、ということを自分自身に問いかけてみると良いのではないかと思うのです。
自分のこととして捉えるのが難しいと感じるならば、相手に笑顔になって欲しいかどうか、でも良いと思います。
時として、私たちは、自分のために努力はできなくても、人のためならできる、ってこともあるんですよね。
応援してくれている誰かのため、でも良いでしょうし、愛してくれている誰かのため、でも良いと思います。
できるかどうかはちょっと横に置いておいて、自分のために、もしくは誰かのために、自分を幸せにしたいと思うかどうか。そう思えるのであれば、それを決めましょう。
自分を幸せにする、と。
3.あなたが笑顔で受け取ること、それこそが相手へのプレゼントになる
罪悪感から抜け出る勇気が持てると、不思議といろんな物事って動くんですね。
例えば最初のA子さんとB子さんのお土産のお話し。
B子さんは、自分には受け取れない、だって自分は何もお土産を買ってこなかった、お土産を買っていこうとすら思わなかった、だからそんな自分にはA子さんのお土産を受け取る資格なんてない、と思ってA子さんのお土産を受け取りませんでした。
では、A子さんは、B子さんのお土産が欲しくてB子さんにお土産をあげようとしたのでしょうか?
きっとそうじゃないですよね。
そういう下心とか取引ではなく、ただB子さんが喜んでくれたら良いな、一緒に美味しいね、って言えたらいいな、そんな想いだったのではないでしょうか。
B子さんがお土産を用意していようが、していまいが、A子さんにしたら、そんなことは関係なく、B子さんと一緒に美味しいものをシェアしたかったんですよね。
A子さんにとっては、そのままのB子さんに、価値を感じていて、素敵なお友達、仲良くしたいお友達、一緒にいろんな世界を分かち合いたいお友達、なんですよね。
決して、B子さんのお土産に価値を感じているわけではないのですよ。
だとすると、A子さんにとっては、B子さんが遠慮なくお土産を受け取ってくれることが、一番のプレゼントになるんですよね。
ご質問者さんの感じている不甲斐なさ、当時ご相談者さんが元ご主人から受け取らなかった時、ご主人がどう感じていたか、それを今感じられるのは、ご相談者さんの優しさ以外何ものでもないと思います。きっとご質問者さんのその優しさは、元ご主人はご存じのはずですよ。じゃなきゃ、夫婦にはなりませんよね。
ご質問者さんが元ご主人に感謝できることを見つけられたのだとしたら、今、時間差で、元ご主人からの愛情を、しっかり受け取ってみてください。当時はできなかったかもしれません。でも、今なら、あの時宙に浮いてしまった元ご主人の愛情を、しっかり受け取ってあげてみてはいかがでしょう。
それができると、あなたも、元ご主人も、今以上に素敵な素晴らしい存在に感じられると思いますよ。
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