お姫様願望、持っていてはいけないの?

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

ガラスの靴で有名な、シンデレラのストーリーをご存じでしょうか。

知らない人なんていない、というくらい有名なお話しですよね。

お父さんの再婚相手の継母とその娘の2人の姉たちによっていじめられて育つシンデレラ。

ある日結婚相手を探す王子様のお城での舞踏会にひとりだけ連れて行ってもらえず、泣いていると、魔女が現れ、カボチャを馬車に、ネズミを馬に、シンデレラの来ていた汚い服をきれいなドレスに、ボロボロの靴を素敵なガラスの靴に変えてくれて、シンデレラは舞踏会へ行くことができました。ただし、その魔女の魔法は深夜12時まで。日付が変わる12時までには戻ってこられなければその魔法は解けてしまう、とのことでした。

舞踏会で、王子様はシンデレラを見つけ、シンデレラを大変気に入り、2人は深夜まで踊り続けていました。シンデレラが気付いた時にはもう12時まで間もなく、シンデレラは慌てて王子様にさよならを告げ、お城をあとにするのです。しかしその時に靴が片方脱げてしまいました。

王子様はその靴を頼りにシンデレラを探し始めます、このガラスの靴の持ち主と結婚するのだ!と心に決めて。

王子様の家来たちはガラスの靴がピッタリ足に合う女性を一軒一軒探して回っていました。そしてシンデレラの家にも家来たちがやってきました。シンデレラのお姉さんたちには、靴が少し大きかったり、少し小さかったりしてピッタリ合いません。シンデレラの番になりました。シンデレラがガラスの靴に足を入れると…!ガラスの靴はシンデレラの足にピッタリ!こうして、シンデレラは王子様と仲睦まじく幸せに暮らすのでした。

というお話しでしたよね。

目次

女性の中の依存心

「シンデレラコンプレックス」という言葉があります。

いつか素敵な王子様が現れて、自分の人生を変えてくれる!と信じて大人になっても王子様を待ち続けている、という女性の依存的願望を表す言葉です。

多かれ少なかれ、このような依存的願望が女性の中にはあるのですが、男女問わず、依存心があること自体が問題なわけではないのです。

突然ですが、以下のチェック項目、どのくらい自分が当てはまっていると思いますか?

□ 大学を卒業している
□ 学生時代はそれなりにちゃんと勉強してきた方だ
□ 仕事では比較的認められている方だ
□ 仕事は一生懸命やっている
□ 人に頼らず頑張ってきた自負がある
□ どちらかというと実家はちゃんとしている家庭だった
□ 親に甘えられなかったという想いが強い
□ いつも誰かのために頑張ってきた

依存心自体は誰にだって存在していて、それ自体が決して悪いものではないのです。ただ、依存心が強くなると、人生上手くいかない、と感じることが増える可能性が高くなる傾向はあるのではないでしょうか。

依存状態、というのは、自分で何かを決めて行動に移す、という状態では無く、誰かに何かをしてもらう、という状態になります。自分のコントロールが効かない状態になるわけですよね。

子供の頃、大好きなお菓子があって、買って欲しかったけれど、お母さんの決断で買ってもらえる時と買ってもらえない時があった。

大人になった今、大好きなお菓子を自分で買うことができるし、買わない選択も自分で出来る。

子供の頃、お母さんの決断に委ねなければならなかった時代が依存時代だとすると、大人になって自分で買うことも買わないことも決められる、という状態が自立時代です。

子供だった依存時代に何らかの理由で早く自立することを促される環境に身を置いていた場合、依存心に蓋をして、自立心を自分の中で育てていく、ということを自然とするのです。

自分の中で生き続ける子ども時代の成功体験

3歳の時に、弟ができたとします。お姉ちゃんになったのです。

お姉ちゃんになると、弟という愛情を注ぐ対象ができる反面、お母さんを取られてしまう、という感覚も子どもは得ます。

今までは自分に親の注目が全て得られていたのに、自分よりも小さく弱い存在である弟の方へ親の注目が注がれている、と感じるでしょう。

そして親の注目を自分に取り戻すために、泣いたりわがままを言ったりして、親の注目を得ようとする行動を子どもは取ったりします。

親としては、きっとどこかでお姉ちゃんにももっと注目したい、という想いを持っているのでしょうが、少しいろんなことができるようになったお姉ちゃんよりも、まだ何もできない弟の方をより手厚く面倒をみる必要があるのでなかなかお姉ちゃんにばかりかまっていられません。親もここで葛藤します。

しかし、子どもであるお姉ちゃんはそんな親の葛藤にまでは気が回らないので、泣いたりわがままを言ったりしても注目が取り戻せない、と感じると、別の手を考えます。体調を崩しやすくなる、なんてことをするかもしれません。

体調を崩すと、その時は親の心配を得て、親の注目を取り戻せる瞬間があったとしても、ずっとそれが続くわけでも無い。それを悟ると、また今度は別の方法を考えます。

今度は親の言うことを聞いて、良いお姉ちゃんになる。聞き分けの良い子になる。

すると親から褒められ、エライね、と言われ、嬉しい想いをする。認められた気分を得られる。

やっと欲しかったものが得られた、という感覚、満足感を感じたとすると、これがこのお姉ちゃんにとっての成功体験なんですね。

この成功体験は、この子にとって、とても大きなものとして彼女の中に根付きます。

泣きわめいてもダメだった、病弱になってもダメだった、でも、良い子になったら親の注目を取り戻すことができた、親の愛情を取り戻すことができた。

この子にとっては、良い子でいることこそが

誰かから注目される
誰かから愛される

ということ、として彼女の中にセットされるわけです。

手放せなくなった成功体験

人によって、この成功体験は違います。

人によっては、泣き叫ぶことで成功した、と感じる人もいるでしょうし、体調を崩すことで成功した、と感じる人もいるかもしれません。

どんな形にせよ、成功体験として根付いたものは、三つ子の魂百まで、なんて言葉もあるように、大人になってもずっと使い続けていたりします。

良い子になる、ということが誰かの注目を得たり、愛情を得たりする成功体験だったとするならば、良い子でいることを手放せなくなってしまいます。

本来、人は愛したい生き物だ、なんて言われます。
私たちは誰かに愛情を向けている時、自分の中の愛情に気付く時、とても心があたたかく感じますよね。

だけど、良い子でいる、ということが成功体験になっている時、
本来、「良い子でいよう!」と頑張らなくても、「良い子」なんですよ。

でも、「良い子」でいなければ注目されない、愛情がもらえないと思うと、「良い子でいる」という自分がしんどくなってきたりするんですね。

何もしなくても「良い子」なのにもかかわらず
自分の中で「良い子でいる」ことが、愛情をもらう取引材料のようになってしまっているから。

しかし、「良い子でいる」ことをやめると、もう愛情をもらえないんじゃないか、という不安が出てくる。
「良い子でいる」ことを頑張り過ぎた結果、自分が何もしなくても「良い子」で、素の自分でも愛情をくれる人がいる、なんて思えなくなってしまっているから。

もしもあなたがシンデレラだったら…

もしもあなたがシンデレラだったら、

あなたはかぼちゃの馬車に乗ったでしょうか?
あなたは独りで舞踏会に行ったでしょうか?
あなたは12時ギリギリまで王子様と踊っていたでしょうか?
あなたはガラスの靴を片方置いたまま走って戻ったでしょうか?
あなたは王子様の家来が靴の持ち主を探していた時にガラスの靴に足を入れられたでしょうか?

「シンデレラコンプレックス」って、いつか素敵な王子様が現れて、自分の人生を変えてくれる!と信じて大人になっても王子様を待ち続けている、という女性の依存的願望を表す言葉ではあるのですが、実際シンデレラって、ただ大人しく待っていただけではないんですよね。

見ず知らずの魔女がカボチャを馬車に、ネズミを馬に変えて差し出された怪しい乗り物に乗り込み、独りで舞踏会へ参加し、12時には魔法が解けると言われているにも関わらず、12時ギリギリまで王子様と踊り、挙句の果てに脱げてしまった靴をそのまま置いてくるという…かなり危険な橋を渡っているとは思いませんか?

これって、本人に強い意思が無いとなかなか恐ろしくてできることではないですよね。

たくさんのチャンスをモノにする、という自立心旺盛な女性。

私はこうしたい、という想いをしっかり持っている女性なんです。

本当のお姫様になっていい

本当のお姫様って、依存心ではなく、自立心がしっかり備わっているのだと、私は思うのです。

最初に挙げた、成功体験の例。

「良い子でいよう!」と頑張らなくても、本当は既に「良い子」。
だけど、気に入られたい、愛されたい、認められたい、と思って「良い子」でいることを頑張っていると、我慢して「良い子」に見えるよう頑張らなくてはならないんです。

これって相当なストレスのはずです。

そこまでストレスをかけて頑張って「良い子」を演じたにも関わらず、自分の期待する評価を得られないと、一体自分が何をしているのか、さっぱりわからなくなってしまいますよね。目的が、「良い子でいる」ことではなく、親の愛情をもらうことだから。

この時、自分がどうしたいか、どうありたいか、何を選ぶか、よりも
親にとって自分がどう見えるか、どう評価されるか、どう愛されるか、を軸にしているので、親を中心に回っている状態なんです。

そんなに親を中心に頑張っていても思うように評価されず、我慢して頑張って親の望む「良い子」を続ける。そんな我慢が積もると人はどこかで限界を迎えます。我慢が火山のように爆発してしまうっていうこと、誰にだってあるんです。

でも、子どもの頃の自分が愛されたかった、認められたかった、親の注目が欲しかった、ということを自分で認められて、思うように親が反応してくれなかった時もあったかもしれないけれど、そして子どもだった自分は気付いていなかったけれど、ちゃんと自分も愛されていたんだな、って認められると、愛されるための「良い子」でいることを頑張る、というやり方を手放せるのです。

だって頑張らなくたって、ワタシは良い子、と思えるんです。

親がどんな形であれ、愛してくれた、と受け入れることができると、他の人もちゃんと自分を愛してくれる、愛してくれている、と根拠のない自信が出てきます。

この根拠のない自信って、実はとても大切なんです。

何かができるから、ではなく、根拠が無くていいんです。

シンデレラが、怪しい魔女を信頼して、カボチャの馬車に乗り込んだように、根拠なんて無いけれど、自分を信頼できている時って、不思議と他人を信頼することもできるんですね。

自分が他人に受け入れられる、と感じられなければ、舞踏会で王子様と踊ることなんて到底不可能ですよね。

王子様の家来たちが靴の持ち主を探していると聞いて、いくらガラスの靴にピッタリ足が入ったからと言って、ボロボロの服を着ているシンデレラを王子様は、あの時のあの子だ!なんて思ってくれるわけないじゃない…と疑ったっておかしくないのに、シンデレラはそんな悲嘆に暮れて自分の人生を放棄するような女性ではなかった。

お姫様願望って、お姫様になりたいな、なれるといいな、一度くらいお姫様みたいに扱ってくれても良いんじゃない?っていう、自分には無くて、望んだってできないから、誰か私をお姫様みたいに扱ってくれないかしら?っていう、他人任せの依存心が強い状態なのかもしれません。

だとしたら、願望で留めておかなくたって、本物のお姫様になったって良いんじゃないかな?と思うのです。

私はこれが好き。
私はこれをしたい。
私の望みはこっちなの。
あなたが私にこれをしてくれるとすごく嬉しい!

全部が自分の思い通りにいくかどうかはわからないけれど
自分のために、自分で選んで、自分で決める、
それが実は、自分だけのためではなく、
あなたを大切に想っている人の喜びにもつながるのだとしたら。

ただの願望だけじゃなく
あなたが本物のお姫様になることが
あなたとあなたを愛する人を、今よりもっと幸せにするのかもしれませんよ。

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