心の勉強を長年してきた人がハマる罠　〜「まだ足りない」から抜け出すために〜

心の勉強を始めて、気づけば何年も経っていた。
心理学の本をたくさん読み、講座にも通い、心の仕組みや癒しのプロセスを丁寧に学んできた。

「あのときの私、苦しかったんだな」
「本当は寂しかったんだな」

そんな気づきが、少しずつ自分を癒してくれた。

だけど──
気づけばまた問題を探している自分がいる。

「私にはまだこんな未熟な部分がある」
「まだこんなに傷がある」

そうやって、終わりのない旅を続けているような感覚に、ふと疲れてしまうこと、ありませんか？

もしかすると、あなたはとても真面目で、優しくて、
「もっとよくなりたい」
「ちゃんと向き合いたい」
そんな想いでずっと自分を見つめてきたのだと思います。

だからこそ、こんなふうに自分を責めてしまっていないでしょうか。

「まだ癒しきれていない私がいけない」
「この現実は、私の潜在意識が引き寄せたんだ」
「もっと学ばなきゃ、もっと癒さなきゃ」

でもね、ちょっとだけ立ち止まってみてほしいのです。

あなたは今、どれくらい自分の「できているところ」に気づけていますか？

ほんの少し前のあなたより、優しくなれている自分。
前よりも人の気持ちに寄り添えるようになっている自分。
以前なら怒っていた場面で、落ち着いて対応できた自分。

それは全部、あなたが積み重ねてきた学びの成果なんです。

心の勉強を続けていると、「問題を見つけるのが上手」になります。

でも本当は、「できていること」「満たされている部分」にも目を向けていいんです。
それは、現実逃避ではありません。
むしろ、その視点が「心地よい現実」をつくる第一歩になるのです。

心の学びには、終わりがありません。
でもだからこそ、時々はこう問いかけてみてほしいのです。

「今の私は、毎日を心地よく過ごせているかな？」
「私のご機嫌を、私は自分で取ってあげられているかな？」

自分の心地よさを後回しにしてまで、問題探しに没頭していないか──
その問いかけは、決して「頑張ってきた自分」を否定するものではありません。
むしろ、その努力を“ちゃんと報われる方向へ”導いてあげることなんです。

あなたは、もう十分頑張ってきました。
これからは「足りないところを埋める」のではなく、
「満ちているところに気づいて、それを外に還元していく」ステージに進んでいい。

人は、自分に余裕があるときに、自然と人にも優しくなれます。
人のいいところにも目が届くし、自分の幸せも大切にできる。

そんな循環を、あなた自身の手で、つくっていけますように。

私も、あなたと同じ、心を学んできている1人です。
心の学びには終わりがありませんよね。
一緒に進んで行きましょうね。