人間関係がうまくいかない。
仕事も思うように進まない。
周囲の人に対して、怒りや不満ばかりが募っていく。
そんなとき、私たちはつい、
「あの人が変わってくれたら」
「環境さえ良くなれば」
「もっと周りが理解してくれたら」
と思います。
もちろん、実際に相手の態度に問題があることもありますし、環境を変えたほうがいい場合もあります。
けれど心理学では、外側に起きていることだけではなく、
「その出来事を、自分はどのように受け取り、どんな反応をしているのか」
という内面にも目を向けます。
現実を変えたいとき、相手を変えようとするだけではなく、自分の心の動きを見つめ直す。
その視点を持つことで、人間関係や仕事の流れが大きく変わることがあります。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。
もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学
今日も必要な方に届きますように。


人間関係と仕事に悩んでいたAさん
たとえば、Aさんという女性がいたとします。
Aさんは、職場の人間関係に悩んでいました。
周囲の人は協力的ではなく、自分ばかりが頑張っているように感じます。
仕事の提案をしても反応が薄く、誰かに意見を否定されると、
「どうしてわかってくれないの」
「私はこんなに考えているのに」
と、強い怒りを感じていました。
仕事そのものも、思うように広がりません。
頑張って発信しているのに反応がない。
人に声をかけても、期待したような返事が返ってこない。
Aさんは次第に、
「周りに恵まれていない」
「理解してくれる人がいない」
「この環境では何をしてもうまくいかない」
と考えるようになっていました。
表面上は落ち着いていても、心の中には、周囲への不満がたくさん積み重なっていたのです。
心理学では、現実と内面のつながりを見る
心理学では、現実に起きたことと、それに対する心の反応を分けて考えます。
たとえば、誰かがAさんの意見に賛成しなかった。
これは、現実に起きた出来事です。
けれど、その出来事を、
「私は否定された」
「大切にされていない」
「私には価値がない」
と受け取るかどうかは、Aさんの内面にある感情や信念と関係しています。
同じ出来事が起きても、すべての人が同じように傷つくわけではありません。
ある人は、
「意見が違っただけ」
と受け取るかもしれません。
別の人は、
「もっと説明を工夫してみよう」
と考えるかもしれません。
Aさんが強く反応する背景には、これまでの経験からつくられた、
「認めてもらえなければ価値がない」
「否定されることは、見捨てられることだ」
といった無意識の思いが隠れている可能性があります。
この無意識の領域を、一般的には潜在意識と呼ぶことがあります。
「現実100%自分原因説」とは何か
心理学や自己理解の分野では、ときに、
「現実は100%自分原因」
という考え方が語られることがあります。
この言葉は、非常に誤解されやすい言葉です。
相手にひどいことをされたのも、自分のせい。
理不尽な扱いを受けたのも、自分が引き寄せた。
そういう意味で受け取ると、自分を必要以上に責めることになってしまいます。
けれど、ここで大切なのは、
「相手の行動の責任まで、自分が背負う」
ということではありません。
相手がしたことの責任は、相手にあります。
心理学的に見るときのポイントは、
「起きた出来事に対して、自分がどう反応し、どう選択しているか」
に責任を持つということです。
相手を変えられなくても、自分の受け取り方や行動は見直すことができます。
この姿勢を、アカウンタビリティと呼ぶことがあります。
アカウンタビリティとは、自分を責めることではありません。
自分の人生に対する責任と選択権を、自分の手に戻すことです。
Aさんが自分の内面を見つめたとき
Aさんが自分の心を見つめていくと、少しずつ見えてきたものがありました。
Aさんは、周囲に認めてもらいたいと思っていました。
自分の頑張りをわかってほしい。
自分の意見を大切にしてほしい。
けれど、その一方で、Aさん自身が自分の頑張りをほとんど認めていませんでした。
何かを達成しても、
「まだ足りない」
「もっとできるはず」
「この程度では意味がない」
と、自分に厳しい言葉を向けていました。
周囲に評価を求めながら、自分自身には評価を与えていなかったのです。
また、周囲に対して、
「もっとちゃんとしてほしい」
「普通はこうするべき」
と感じることが多かったAさんは、自分自身にもたくさんの「べき」を向けていました。
弱音を吐いてはいけない。
人に頼ってはいけない。
失敗してはいけない。
迷惑をかけてはいけない。
Aさんが人に向けていた厳しさは、そのまま自分自身に向けていた厳しさでもありました。
周囲への怒りの下に、本当の感情がある
怒りは、悪い感情ではありません。
怒りの下には、別の感情が隠れていることがあります。
寂しさ。
悲しさ。
不安。
怖れ。
悔しさ。
本当は助けてほしかった。
本当は認めてほしかった。
本当は大切に扱ってほしかった。
けれど、それらの気持ちを感じることが苦しいと、人は怒りとして表現することがあります。
Aさんも、
「どうして周りはわかってくれないの」
と怒っていましたが、その下には、
「私のことをわかってほしい」
「一人で頑張るのはつらい」
という気持ちがありました。
その本音を認めたとき、Aさんの中で少しずつ変化が起きました。
潜在意識を認めると、反応が変わる
自分の内面を認めるというのは、ネガティブな感情をなくすことではありません。
怒りや嫉妬、不安、承認欲求を、
「こんな感情を持ってはいけない」
と否定するのではなく、
「私は今、こう感じている」
と認めることです。
感情を認めると、無意識にその感情に動かされることが減っていきます。
Aさんは、それまで嫌なことがあっても我慢し、限界がくると強い言い方をしてしまうことがありました。
けれど、自分の気持ちに早めに気づけるようになると、
「私は今、負担に感じている」
「この頼まれ方はつらい」
「もう少し手伝ってほしい」
と、落ち着いて伝えられるようになりました。
相手を責める前に、自分の状態を確認できるようになったのです。
自分が変わると、人間関係が変わる
Aさんが変わると、周囲との関係も少しずつ変化していきました。
以前は、相手の態度を見て、
「嫌われたのかもしれない」
「軽く扱われている」
とすぐに不安になっていました。
けれど、自分の価値を相手の反応だけで決めなくなると、必要以上に振り回されなくなりました。
相手が不機嫌でも、
「この人には、この人の事情があるかもしれない」
と考えられるようになりました。
反対に、明らかに負担の大きい関係には、無理に合わせず、距離を取れるようにもなりました。
自分の内面を見ることは、何でも我慢することではありません。
むしろ、
「私は何を感じているのか」
「私はどう扱われたいのか」
「この関係をどうしたいのか」
を、自分で選べるようになることです。
その結果、Aさんは必要なことを言葉にし、必要のない我慢を減らせるようになりました。
周囲の人が急に別人になったわけではありません。
Aさん自身の関わり方が変わったことで、人間関係の形が変わっていったのです。
ビジネスの停滞にも、心のブレーキが隠れている
仕事やビジネスが停滞しているときも、能力や努力だけが原因とは限りません。
心の中に、無意識のブレーキがかかっていることがあります。
たとえば、
成功したいけれど、目立つのが怖い。
仕事を増やしたいけれど、忙しくなりすぎるのが怖い。
お金を受け取りたいけれど、高いと思われるのが怖い。
発信したいけれど、批判されるのが怖い。
人に求められたいけれど、期待に応えられないのが怖い。
頭では前に進みたいと思っていても、潜在意識では傷つくことを避けようとしている場合があります。
Aさんも、
「もっと仕事を広げたい」
と思いながら、発信する直前になると迷い、内容を何度も修正していました。
人に声をかけることも、
「断られたらどうしよう」
と考え、先延ばしにしていました。
表面上は、
「タイミングが悪い」
「まだ準備が足りない」
と思っていましたが、その下には失敗や拒絶への怖れがありました。
その怖れを認めたことで、Aさんは完璧になるまで待つのをやめました。
怖さがあっても、小さく行動する。
反応がなくても、自分の価値とは結びつけない。
うまくいかなければ、改善してもう一度試す。
そうした選択ができるようになると、仕事の流れも少しずつ変わっていきました。
現実が180度変わったように見える理由
自分の内面を見つめたことで、現実が180度変わったように感じる人がいます。
けれど実際には、ある日突然、世界がすべて変わったわけではありません。
自分の受け取り方が変わった。
反応の仕方が変わった。
選ぶ人が変わった。
言葉の伝え方が変わった。
断るべきことを断るようになった。
怖くても行動するようになった。
その小さな変化が積み重なり、結果として、人間関係や仕事の現実が大きく変わっていくのです。
最初に変わるのは、外側ではありません。
自分自身です。
自分原因説は、自分を責めるための考え方ではない
ここは、とても大切なところです。
現実を自分原因として捉えることは、
「何が起きても私が悪い」
と思うことではありません。
つらい出来事や理不尽な関係の中では、まず自分を守ることが必要です。
相手の暴言や暴力、支配的な態度まで、自分の内面のせいだと考える必要はありません。
心理学的に大切なのは、
「この状況の中で、自分に何ができるか」
を考えることです。
助けを求める。
距離を取る。
断る。
環境を変える。
自分の気持ちを言葉にする。
専門家に相談する。
自分原因説とは、苦しい状況に耐え続けるための考え方ではありません。
自分の人生をより良くするために、選択する力を取り戻す考え方です。
現実を変えたいときに、自分へ問いかけたいこと
人間関係や仕事がうまくいかないとき、相手や環境を見ることも大切です。
そのうえで、自分の内面にも、こんな問いを向けてみることができます。
私は今、何を感じているのだろう。
本当は、何をわかってほしいのだろう。
私は何を怖れているのだろう。
自分にどんな厳しい言葉を向けているのだろう。
本当は、どんな関係や働き方を望んでいるのだろう。
私は今、自分のために何を選べるだろう。
自分の内面を認めることは、現実から目をそらすことではありません。
むしろ、現実を変えるために、自分が持っている力に気づくことです。
周囲の人を変えなくても、自分の見方や選択が変わることで、関係は変わり始めます。
仕事の流れも変わり始めます。
現実を100%自分原因として捉えるというのは、すべてを自分のせいにすることではありません。
自分の人生に対して、
「私はここから何を選ぶのか」
と問い直すことです。
その問いを持ったとき、止まっていた現実が、少しずつ動き始めることがありますよ。
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