自分の寂しさを知る　～寂しさはあなたと大切な人を繋ぐエッセンス～

いつもありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。

「さみしい」って、言えていますか？

私は長い間言えていませんでした。

寂しいとは思うし、時々とんでもない分離感、寂しさに襲われる。
だけど、

「さみしい」って言ったところで、どうなるの？別にどうにもならないじゃない。寂しさがなくなるわけじゃない。だったら無駄に言うだけ余計に寂しさを悪化させるだけ。そんなこと言ったって仕方ないし、そんなこと言って傷口広げたくない。

そんな風に思っていました。

実際、寂しくてたまらなかった時、分離感にまみれていた時、寂しいと口にすることで、寂しさが悪化する、と思っていました。
今考えると、「さみしい」と誰かに伝えることで、同時に誰かにその寂しさを埋めてもらいたい、と期待していたのだと思います。だけど結局誰もその寂しさを埋められないから、余計自分の寂しさが悪化する、傷口が広がる、と感じていた。だから安易に「さみしい」なんて言えなかったんだと思います。

そんな当時の私は、「さみしい」と言えている人は多分そんなに寂しくないんだ、とすら、思っていました。

以前の私のように、「さみしい」なんて言えるわけない、なんて感じていらっしゃる方、意外と多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私たちは自立していく過程で、人（親）に頼らず、自分で決めて自分で自分の面倒をみよう、と自らの足で立つ努力をしていきます。

それは、学生を終え、就職し、自分でお金を稼ぎ、自分で自分の生活を賄っていく、ということもそうです。

また、もっともっと幼いころ、両親が仕事で忙しかったりする理由で、1人で遊ぶ時間が多かった、そんな時代でも、親に迷惑かけないよう、親の邪魔にならないよう、小さな頭で考えて、1人でおとなしく遊んでいた、そのような行動も自立の一歩です。

そんな中で、心優しい子ほど、精いっぱい我慢して、なんとか親や周りに迷惑かけないよう、1人で頑張るものです。

そんな子が、1人で頑張るには、相当「さみしさ」を我慢して押し殺して、元気に振る舞っていたんだと思うんですね。

でも、その寂しさは決して消えたわけではないんですよね。

心の奥底に、重い蓋をされてしまわれていることがとても多いです。そして、その蓋がぴったりとおさまっていてくれる間は、感じなくて済んでいたりします、その寂しさを。でも、何かしらの拍子に、その蓋が少しでも動こうものなら、その寂しさが溢れ出そうになる。

そうするとどうなるか。

私たちは、怒り、という感情を使って、なんとかその寂しさが溢れ出ないようにするのですが、寂しさが大きければ大きいほど、怒りも大きくなります。
すると今度は、怒りという感情に自分が支配されてしまったかの如く、自分の怒りで疲弊してしまう、なんていうことも起こりかねません。

では一体どうしたらいいのか。

怒りの下で一生懸命飛び出ようとしているその寂しさ、孤独感にしっかり向き合ってあげる必要が出てきますね。

寂しさや孤独感は、自立の過程で多かれ少なかれ感じます。
そして、理由は様々でしょうけれど、誰かがどうにかできる感情ではない、というところが大きなポイントになります。

寂しいと、私たちは、誰かと一緒にいたら寂しくなくなる、とか、彼氏ができたら、結婚したら、子どもができたら…なんて、自分以外の人が埋めてくれる感情だと思うのですよね。

私も長い間そう感じていました。
だから、彼氏が途切れたことが無かった時期もありました。
でも、一番ひどい分離感は、人と一緒にいる時でした。

人に埋めてもらいたいと思うのだけれど、実際のところ人には埋められないんです。

じゃあどうするの？

まずは自分でその寂しさの正体を知る必要があるんですね。

人に埋めてもらうことができない、と言いましたが、人に手伝ってもらうことはできるのです。

例えば、大好きな人にギュッと抱き締められれば、安心感を得て、寂しさが和らぐ、ということがあります。

これは、自分が、「私は今、ギュッと抱き締めて欲しいんだ、そうすると安心感を感じられるんだ」というのがわかっている必要がある、ということ。

それがわかっていたら、
「今、私なんだかとても寂しいの。ギュッと抱き締めてくれる？あなたに抱き締められたら、私、安心できて、寂しさが和らぐの。」と、彼に伝えることができます。

これができることで得られるメリットは3つ。

　あなたが少しでも寂しさを和らげることができる。

彼に、「私、さみしいの。」だけ伝えても、彼はどうしたらいいのかわからなくなってしまうんですよね。そしてあなたは「さみしいって言ったのに結局やっぱり彼は何にもしてくれない！言い損じゃない！」と感じ、やっぱりもう二度と「さみしい」なんて口にするものか！とバリアを固める結果となってしまいます。

でも彼にしてほしいことまで伝えると、あなたも、彼が行動してくれる安心感と、実際彼に抱き締められて得られる安心感と、ダブルで感じることができますね。

　彼はあなたの役に立てる方法を知ることができる。

彼も、「私、さみしいの。」だけあなたに伝えられても、どうしてあげたらいいのかわからないんですよね。たまたま何かしたことがあなたの寂しさを和らげられたのなら、それはそれでラッキーですが、そうじゃないと、あれもちがう、これもちがう、じゃあ何なんだよ、もうわからないよ。と彼がギブアップしかねません。なぜなら彼は彼で、自分が役に立たない感を存分に感じさせられるからです。そうなると、あなたのことが好きでも、役に立たない感をあなたと一緒にいて感じる、となると、一緒にいることが苦痛になってしまいます。

そうではなく、「さみしいからギュッと抱き締めて。」と言われれば、それであなたの寂しさが和らぐのであれば、彼はきっと喜んであなたを抱き締めてあげたい、と感じるでしょう。

　親密感、繋がり、が生れる。

これをすることで、あなたと彼の間に、新たに親密感（繋がり）が生れる（大きくなる）というのがわかるでしょうか。

お互いの気持ちがお互いにちゃんと伝わり、相手に流れ、そして自分に返ってくる、という想いの流れができるのです。

「さみしさ」とは結局のところ、私たちを誰かと繋ぐ、大きなエッセンスになってくれるものなのですよね。

あなたの中に、寂しさを感じるのであれば、まずは自分自身とちょっと対話をしてみましょう。私はどうしたら、この寂しさをちょっと和らげることができるのだろう？

そして、それを、相手に伝えてみてください。
ちょっとの勇気が必要ですね。

あなたの中にある寂しさは、決して隠しておかなければいけないものではないのです。
あなたと大切な人を繋げる、あなたをお手伝いしてくれる大切なエッセンスです。

あなたとあなたの大切な人が、より深い絆で繋がれますように。