その不機嫌、自分の欲求に気付いていないのかも?【不機嫌ハラスメント/フキハラ】

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

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ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」、なんて言葉があるって、ご存じでした?

少し前に、テレビで「マルハラ」なる言葉を耳にして驚いたのですが、「フキハラ」なんてものまであるのですね!

目次

不機嫌ハラスメント:フキハラ ってなに?

フキハラとは
不機嫌ハラスメント、の略で、不機嫌な態度を取ることにより、相手に精神的苦痛を与えたり、気を使わせたり、不快な思いをさせる行為

だそうです。

具体的には以下のような行動が挙げられるそうです。

職場で
▶ タイピング音をやたらと大きくする
▶ 挨拶しても挨拶を返さない
▶ 大きなため息をつく
など

家庭で
▶ 夫がおかずが少ないと文句を言ってくる
▶ わかりやすい舌打ちをしてくる
▶ 挨拶をしても返事が無い
▶ 大きなため息
▶ 聞こえているはずなのに無言
▶ 妻がイライラを振りまく
など

どんな関係上でもどうやら不機嫌ハラスメントが発生していそうですね。

不機嫌ってどっからくるの?

カウンセリングでも実はよく扱いますが、問題が起こる時というのは不機嫌な態度と密接に関係していたりするのですね。

良いか悪いかのジャッジは置いておいて、不機嫌になると、周りもシンドイですが、自分自身がまず一番しんどかったりします。

何が一番しんどいのかというと、不機嫌を振りまいている人は、そもそも自分で自分のご機嫌を取る、ということが実はとても苦手で、どう自分で自分のご機嫌を取ったらいいのかわからない、という根本的な原因があることが多かったりします。

これはどういうことかと言うと、自分が何をしたら機嫌が良くなるのかわからない。
自分が何を望んでいて
どうあって欲しくて
何をどうしたらいいのかわからない
だから、あなたが何とかしてよ!というとても依存的な態度だということなのです。

怒りは二次感情だ、と聞いたことはあるでしょうか。
このブログでも何度かお伝えしてきました。

怒りを感じる時、私たちはそれが1つの感情で、怒りを表現することでスッキリする、と思いがちですが、残念ながらそうではないのです。

怒りを爆発させたところで、
どんなに上手く怒りを表現したところで、
残念ながら私たちの気分はスッキリ晴天青空、という感覚にはなりません。

なぜなら、怒りの感情のその下にこそ、本来感じている感情があるからです。

それは、
愛して欲しい
わかって欲しい
助けて欲しい
という想い。

もっと愛して欲しいのに、どうしてしてくれないの?もっと愛してよ!
ちゃんとわかって欲しいのに、どうしてわかってくれないの?ちゃんとわかってよ!
独りじゃ無理だから助けて欲しいのに、どうして助けてくれないの?私を助けてよ!

怒りはこれらの不満を上手に表現できないからこそ出てくる感情なのです。

じゃあ、どう愛して欲しいのか。本当に愛されていないのか。そう問われると、実は自分でもわからない、という場合が多かったりします。
自分がどう愛して欲しいのかわからない。
本当に愛されていないのかと問われると、そうではないのかもしれないけれど…でも、私が愛されていると感じられる愛され方じゃない!という状態になっていたりします。

自分の欲求を知ってみよう!

では本当に自分が欲しい、望む、自分自身の欲求って、一体何なんでしょう?

あなたが思う、欲しいコト、欲しいモノ、欲しい状況、どんなものがありますか?
小さなことから大きなことまで、思いつくこと全部、書き出してみてほしいのです。

・彼氏が欲しい
・結婚したい
・もっとお金が欲しい
・海外旅行に行きたい
・新しい靴が欲しい
・ブランド物のバッグが欲しい
・お腹と二の腕の脂肪を落としたい

これらはわかりやすい欲求ではないでしょうか。

・疲れている時には甘いものが食べたい
・スタバのフラペチーノは新しいものが出たら絶対試したい!
・仲良くなった人には、名字より名前で呼んで欲しい。
・朝、彼に“おはよう!”ってLINEしたら、同じように“おはよう!”って返事が欲しい。
・夫に、今日何食べたい?って聞いたら、なんでもいい、じゃなくて、もっとなんか返事を返して欲しい。
・夜の11時には寝たい。
・ここのシミ、消えて欲しい。

これらは先ほどの欲求よりも、より日常的で、ルーティーン化しているものもありますよね。意識しないと自分でも気付いていなかったりする欲求かもしれませんね。

こう思うと自分の中に、山のように欲求って隠れている、って気づきませんか?

欲求と不機嫌の結びつき

多くの場合、わかりやすい欲求は「無い」と自分で表面的に見えている、感じているから、「これが欲しい」と認めやすい。いわゆる、きれいな欲求。伝えてもドロドロしている感が無くて、みんな言ってるから、私も言ってもいいよね、持っていても変じゃないよね、と思える欲求。これらは表面に出しやすい、という側面があります。

逆に、わかりにくい欲求は、もう既に諦めてしまっている、そんなこと願ったって無理だよね、というように我慢してきた蓄積、だって今までくれなかったじゃん!っていう不満、どうせくれないでしょ!という怒りが隠れていたりするんですね。言い方を変えると、そこに大きな心の傷がまだ残っている、という状態でもあります。

そこにまだ横たわっている痛みの感情に関しては、カウンセリング案件として、自分の心を丁寧に扱って癒していく、という方法が一番安全、かつ、やり易いのではないかと思います。

自分の欲求が上手く扱えない時、不機嫌な態度で示して、わかってもらいたい、気付いてもらいたい、という態度になってしまうのが、この不機嫌ハラスメントの原因ですよね。

自分の欲求がわからない状態のとき、そもそも自分が不機嫌を表に出していることにすら気付いていないことも多々あるのです。自分の中では、気分が悪い、とか、イライラする、とか、なんでできないの?なんでしてくれないの?なんて想いに気付いていたとしても、多くの場合は大人なんだからやり過ごそう、と本人は頑張っていたりするんですね。それがまた蓄積されると、我慢に我慢をかさねているのだから、どこかで爆発するように、溢れ出てくるのです。

周りのフキハラ、どう対処する?

不機嫌ハラスメントをしている、不機嫌を振りまいている人の状態を書きましたが、きっとこれを読んでくださっている方は、自分が不機嫌を振りまいている自覚がある、というわけではなく、周りの不機嫌さんに困っている、という方の方が多いのではないでしょうか。

「あなたの不機嫌、自分の欲しいことがわかっていないのね!」なんて面と向かってはなかなか言えるものではないですよね。言ったとしても、きっと火に油を注ぐ形になります。

そこで、まず対処法として、

相手の感情は相手に任せる

相手が不機嫌なときにはほっておきましょう。
本人が自分の欲求がわからない限り、何をしてもしなくても、本人が解決するしか不機嫌を手放す方法は無いのです。

戦わない

何かコミュニケーションを取る必要のある場合には、普段通り笑顔で優しく機嫌良く相手に近づく。
相手の不機嫌を受けて、自分が被害者にならない、ということ。どちらかが被害者になると、どちらかは必ず加害者です。これは罪悪感の戦いのスパイラルが出来上がってしまいます。あくまで、相手の問題は相手の問題として、自分と相手との間に感情の境界線を引きましょう。

自分を見直してみる

相手の不機嫌な態度に巻き込まれて不機嫌がうつる、という場合は要注意。
自分の中の欲求を洗い出しましょう。どうして相手の不機嫌がこんなに自分に悪影響を及ぼしているのか。ここには自分の欲求が隠れている場合がとても多いです。

隠れている自分の欲求に気付いた時、実は初めて相手の不機嫌の元をわかってあげたり、同じ気持ちを感じたりすることができます。いわば、相手の味方に立つことができるようになる、ということ。

まとめ

自分の欲求、意外と自分でも気づきにくいものだったりします。なぜならそれは、欲求というものが、なにかドロドロしているような、汚いもの、あってはいけないもの、前面に押し出してはいけないもの、というような感覚になっていたりするのですよね。

でも、私たちが生きていることって、お腹が空いた、とか、疲れた体を休める、とか、子どもを産み育てる、というようなことを人間が繰り返してきたからこそある今ですよね。

食欲、睡眠欲、性欲、これらの欲があってこその今なのです。

だとしたら、欲求って、本当に悪いものなのでしょうか?

自分の中で気付いていない欲求
気付かないようにしている欲求
隠さなくてはいけないと感じている欲求

それらはもしかしたら、本来あっても良いもので、
だけれども、それを持っていることで何か良くない出来事があったり、批判されたり、というような傷ついた思い出がその下にあるのかもしれません。

もしそうなのだとしたら、そんな痛みは自分のために、ちょっとケアしてあげる必要があるのかと思います。

最初に書きました。
怒りは、愛して欲しい、わかって欲しい、助けて欲しい、という気持ちの表れだと。

そんな想いを心で理解された時、自分も相手も、不機嫌でいる必要がなくなってくるのです。

最終的には、自分の問題は自分の問題として扱うことができるようになり、相手の問題はその人本人が扱うべきものです。でも、あなたがご機嫌であれば、あなたの周りに不機嫌は必要なくなるのですね。

自分の世界を自分の心地いい場所にするためにも、自分の欲求に気付いていけると良いですよね。

6月8日(土)19:00から、母校、神戸メンタルサービスの心理学講座で、講師をさせていただきます。
ニーズ(欲求)について扱います。毎日の生活にも、対人関係にも、そしてもちろんパートナーシップにも、お役に立つ内容です。
お待ちしています。

神戸メンタルサービス 恋愛心理学講座

日時:6/8(土) 19:00-20:50
テーマ:『大人のニーズを扱う ~自立心の裏に隠れた巨大なニーズに触れてみる~
講師:青山リナ

会場:ZOOM
料金:一般¥4,400 会員¥3,300 (会員は入会申込み¥3,300が必要です)
お申込み:6/7(金)15:00締切 
お支払い:6/7(金)15:00締切 

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