彼を疑ってしまうのはなぜ?恋愛の不安が現実の見え方を変える心理

私たちは、自分ではちゃんと現実を見ているつもりです。

目の前で起きていることを見て、相手の言葉を聞いて、そのうえで判断している。

そう思っています。

けれど実際には、目の前の現実をそのまま見ているというよりも、自分の心の状態を通して、現実を見ていることが案外多いのかもしれません。

不安を抱えているときには、不安のフィルターを通して。

愛されていると感じているときには、安心のフィルターを通して。

同じ出来事であっても、心の中にどんな思いを抱えているかによって、まったく違うものに見えることがあります。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

目次

起きている事実は、ただ「彼が電話をしてきた」ということ

たとえば、夜、寝る前に彼が電話をしてきてくれたとします。

ここで起きている事実は、

夜、寝る前に彼が電話をしてきた。

ということだけです。

彼との関係に安心していて、

「私は彼のことが大好きだし、彼も私のことを大切に思ってくれている」

と感じている人なら、

「寝る前に声が聞けて嬉しい」
「私の声を聞きたいと思ってくれたのかな」
「彼の声を聞きながら眠りにつけるなんて、幸せだな」

と受け取るかもしれません。

彼に対しても、

「電話してくれてありがとう」
「声が聞けて嬉しかった」

と、素直に喜びを伝えられるでしょう。

けれど、心の中に、

「彼は浮気しているのではないか」
「いつか裏切られるかもしれない」

という不安を抱えていたら、同じ電話でも見え方が変わります。

「どうして、こんな時間に電話してくるの?」
「何か隠しているんじゃない?」
「浮気がバレないように、私を安心させようとしているのかも」
「罪悪感があるから、電話してきたのでは?」

そんなふうに、いくつもの疑いが浮かんでくるかもしれません。

起きている出来事は同じです。

けれど、受け取っている世界はまったく違います。

私たちは事実だけではなく、そこに自分なりの意味をつけている

「彼が電話をしてきた」

これは事実です。

一方で、

「私のことが大好きだから電話をしてきた」

というのは、一つの解釈です。

そして、

「浮気を隠すために電話をしてきた」

というのも、同じように解釈です。

彼に確かめていない限り、本当の理由は分かりません。

それでも私たちは、自分の心にあるものを使って、目の前の出来事に意味をつけます。

安心している人は、安心できる意味をつけやすい。

不安を抱えている人は、不安になる意味をつけやすい。

つまり、目の前の彼を見ているつもりで、そこに映し出されているのは、自分がもともと抱えていた思いであることも多いのです。

彼をどんな目で見るかによって、こちらの行動も変わる

そして大切なのは、心の中の解釈だけでは終わらないということです。

彼をどう見ているかによって、彼に対する行動も変わってきます。

「彼は私を大切にしてくれている」

という目で見ていれば、

「電話してくれて嬉しい」
「今日も話せてよかった」

と、喜びや感謝を返しやすくなります。

彼も、

「電話してよかった」
「また声を聞きたいな」

と感じるかもしれません。

一方で、

「彼は何か隠している」
「きっと私を騙そうとしている」

という目で見ていると、

「今まで何してたの?」
「本当に一人だった?」
「なんで急に電話してきたの?」

と、確認や詮索が増えることがあります。

本人としては、相手を責めたいわけではありません。

不安だから、安心できる答えが欲しいのです。

でも、彼の側からすれば、疑われている、責められている、監視されているように感じることもあります。

すると彼は、面倒そうな反応をしたり、口数が少なくなったり、少し距離を置いたりするかもしれません。

そして、その彼の反応を見て、

「やっぱり怪しい」
「こんなに嫌がるということは、何かあるんだ」
「やっぱり私への気持ちが冷めているんだ」

と、不安はさらに強くなります。

不安が「やっぱり」という現実をつくることがある

最初は、自分の心の中にあった不安でした。

けれど、その不安を通して彼を見ることで、彼への接し方が変わります。

接し方が変わると、彼の反応も変わります。

そして、変わった彼の反応を見て、

ほら、やっぱり私が思ったとおりだった。

と感じます。

この流れが繰り返されると、最初は想像だったはずのものが、まるで現実によって証明されたように感じられてしまうのです。

心理学では、このように自分の思い込みが行動に影響し、その行動が思い込みに沿った結果を招くことを、「自己成就予言」と呼ぶことがあります。

「どうせ私は愛されない」と思っていると、相手の愛情を疑い、試し、責めてしまう。

相手は疲れて距離を取り始める。

その結果、

「やっぱり私は愛されない」

という思いが強くなる。

自分の不安が、相手との関係の中で再現されてしまうことがあるのです。

だからといって、すべてが自分の思い込みとは限らない

ただし、ここで気をつけたいことがあります。

彼の態度に不信感を持つことが、すべて自分の不安や思い込みのせいだというわけではありません。

実際に相手が嘘をついていることもあれば、不自然な行動をしていることもあります。

傷つけられた経験があり、簡単には信じられなくなっている場合もあるでしょう。

ですから、

「不安になる私が悪い」

「全部、私の受け取り方の問題なんだ」

と、自分を責める必要はありません。

大切なのは、相手を無条件に信じ込むことでも、不安を無理やり消すことでもありません。

まずは、

今、事実として起きていることは何だろう。
そして私は、その事実にどんな意味をつけているのだろう。

と分けてみることです。

「事実」と「私の中に生まれた物語」を分けてみる

たとえば今回のことであれば、

事実
彼が夜、寝る前に電話をしてきた。

自分の解釈
浮気を隠そうとしているのかもしれない。

そこから生まれた感情
不安、疑い、怖さ、怒り。

心の奥にある願い
裏切られたくない。
大切にされたい。
安心して彼を愛したい。

このように整理してみると、

「私はいま、彼の行動だけに反応しているわけではないのかもしれない」
「過去に裏切られた怖さや、愛されなくなる不安も一緒に反応しているのかもしれない」

と気づけることがあります。

不安が出てくること自体は、悪いことではありません。

不安には、不安になるだけの理由があります。

ただ、その不安が語っていることを、そのまま相手の本心や現実だと決めてしまうと、関係は苦しくなりやすいのです。

私たちは、目の前の彼ではなく「自分の中の彼」を見ていることがある

私たちは、目の前の相手と関わっているつもりで、実は自分の中につくった相手のイメージと関わっていることがあります。

「彼はどうせ私を裏切る人」
「彼は私を大切にしない人」
「彼はいつか離れていく人」

そんなイメージを持っていれば、彼のどんな行動も、疑いを裏づけるものに見えてしまいます。

反対に、

「彼は私を大切にしてくれている」
「不器用だけれど、愛情を伝えようとしてくれている」

と見ていれば、それまで見落としていた優しさに気づくこともあるでしょう。

もちろん、良いように解釈すればいい、という話ではありません。

相手を見極めることは必要です。

けれどその前に、

私は今、目の前の彼を見ているだろうか。
それとも、自分の不安を通して彼を見ているだろうか。

と、自分に問いかけてみることには、大きな意味があります。

現実を見るとは、感情をなくすことではない

現実を見るというと、感情に流されず、冷静にならなければならないように聞こえるかもしれません。

でも、感情を消す必要はありません。

怖いなら、怖い。
不安なら、不安。
傷つきたくないなら、傷つきたくない。

その気持ちは、そのまま大切にしていいのです。

ただ、

「私は今、不安を感じている」

ということと、

「彼は私を裏切っている」

ということは、同じではありません。

不安は自分の中にある本当の感情です。

けれど、不安から生まれた想像が、そのまま現実とは限りません

この二つを丁寧に分けられるようになると、自分の感情を否定することなく、相手に想像をぶつけずに済むようになります。

たとえば、

「浮気してるんでしょう」

と責める代わりに、

「最近、私、少し不安が強くなっているみたい。安心できるようにあなたに話を聞いてもらえると嬉しい。」

と伝えることもできるでしょう。

同じ不安でも、伝え方が変われば、相手の受け取り方も変わります。

そして、相手の反応も変わっていくかもしれません。

目の前の現実を変えたいとき、自分がかけているフィルターに気づく

彼が変わってくれたら、安心できる。
彼がもっと愛情を示してくれたら、不安にならずに済む。

そう思うこともあるでしょう。

相手に、こうしてくれると私は嬉しい、と伝えることが悪いわけではありません。
彼の許容範囲内で受け入れてくれることもあるかもしれません。

けれど同時に、自分がどんな目で相手を見ているのかに気づくことも、二人の関係を変える一歩になります。

「どうせ愛されない」という目で相手を見ていれば、愛情を向けられても疑ってしまいます。

「大切にされているかもしれない」という目で見られるようになると、今まで見えなかった愛情を受け取れることがあります。

私たちは、ただ現実を見ているわけではありません。

現実に、自分の不安や願い、過去の経験を重ねながら見ています。

だからこそ、ときどき立ち止まって、

これは今、実際に起きていることだろうか。
それとも、私の心がつくり出した物語だろうか。

と問いかけてみてください。

自分のフィルターに気づくことは、自分を責めることではありません。

不安に支配された関係から少し離れて、目の前にいる相手を、もう一度見直していくことです。

目の前の彼を見ること。

そして、彼を見ている自分の心にも気づくこと。

その両方ができたとき、相手への接し方が変わり、二人の間に返ってくる反応も、少しずつ変わっていくのかもしれません。

案外自分のことって自分ではわかりにくいものです。
いつでもお話に来てみてくださいね。

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