母親にイライラする自分を責めてしまうとき|怒りの奥にある想い

また、お母さんにきつい言い方をしてしまった。

電話を切ったあとや、実家から帰る車の中で、「あんなこと言わなければよかった」と胸が重くなる。

大事にしたいと思っているのに、どうして私はこうなんだろう。

お母さんにイライラして、そのあと自分を責めてしまう。その繰り返しは、本当に苦しいですよね。

私も、母にイライラして、あとから自分を責めたことが何度もあります。

この記事では、母親へのイライラの奥にどんな気持ちがあるのかを、私自身の体験を交えてお話しします。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

目次

母親にイライラして、あとから自分を責めてしまう

「ちゃんと食べてるの?」「まだそんなことしてるの?」

もう大人なのに、何度も同じことを言われる。やることにいちいち口を出される。話を聞いてほしかっただけなのに、否定される。

そんなとき、思わず「ほっといて!」と強く返してしまったことはありませんか?

言った瞬間はスッキリするどころか、シュンとしたお母さんの顔を見て、今度は胸が痛くなる。

「育ててもらったのに」「親なのに」「私って冷たい人間なのかな」

そうやって、自分を責める言葉が次々に出てきます。

しかも、お母さんへのイライラは人に話しにくいものです。友達に「いいお母さんじゃない」と言われたら、ますます言えなくなりますよね。

年を重ねたお母さんの背中を見ると、「あとどれくらい一緒にいられるんだろう」と切なくなる日もあるのに、顔を合わせるとまたイライラしてしまう。そんな自分に、がっかりすることもあると思います。

腹が立つのに、嫌いになりきれない。優しくしたいのに、優しくできない。

その両方の気持ちを一人で抱えてきたのなら、本当にしんどかったと思います。

私が母に怒ってしまった、お正月のこと

私自身の話を少しさせてください。

お正月の頃のことです。母が転んでいたのに、そのことを私に数日間隠していたことがありました。

体は痛かったはずです。それでも、私に心配をかけないように黙っていたんですね。

それを知ったとき、私はものすごく腹が立ちました。

「なんで早く言わないの!」

かなり強い口調で、母を怒ってしまったんです。

母はすっかりシュンとしていました。

体は痛いし、娘にはきつく言われるし。母にしてみれば、本当に踏んだり蹴ったりだったと思います。

そんな母の姿を思い出して、一人になってから涙が出てきました。かわいそうなことをしたな、と。

休み明けに病院へ連れて行くと、骨に異常はなく、打ち身でした。ホッとしましたが、痛みはしばらく続き、起き上がるのもつらそうな日が数日ありました。

そのとき、ふと思い出したことがあります。

子どもの頃の私も、小学生くらいのときに、ケガを母に隠していたんです。それも一度ではありません。

怒られたくなかったし、心配をかけたくなかった。でも結局は見つかって、すごく怒られました。

当時の私は、「どうして私が怒られなきゃいけないの」と思っていました。

それが、母の立場になってみて、ようやくわかったんです。

あのときの母は、怒りたくて怒っていたのではなかったんだ、と。

怒りの奥にあるのは、何もできない自分のつらさ

心理学では、怒りは「二次感情」と言われることがあります。

怒りの前には別の気持ちがある、という考え方です。悲しい、寂しい、悔しい、怖い。そうした本当の気持ちを感じたくなくて、怒りという形で出てくることがあるんです。

私の場合、怒りの奥にあったのは「何もしてあげられなかった」という気持ちでした。

母に痛い思いをさせたいわけがありません。もっと早く言ってくれたら、助けてあげられたかもしれない。

本当は、早く聞いたところで、してあげられることはほとんどなかったと思います。

それでも、痛くて苦しい母を前に何もできない自分が、つらかったんです。

何もできない自分を責める気持ちが、母への怒りになってしまった。

そして、子どもの私がケガを隠したときの母も、きっと同じだったのだと思います。

娘が痛い思いをしていたのに、何もしてあげられなかった。そんな自分を責めて、それが怒りになって私に向かったのでしょう。

そう気づいたとき、余計に涙が出てきました。私にとっては、母の愛を感じた出来事でした。

「ほっといて」の奥にある、お母さんへの純粋な想い

カウンセリングをしていても、お母さんへの怒りの奥には、とても純粋な気持ちが隠れていると感じることがよくあります。

それは、子どもの頃からずっと持ち続けてきた「お母さんを何とかしてあげたい」という想いです。

お母さんに笑っていてほしい。寂しい思いをさせたくない。私が何とかしてあげたい。

体も小さくて、経験も少ない子どもが、そんなふうに一生懸命お母さんを愛そうとしてきたんです。

でも、子どもの力でお母さんの寂しさを埋めるのは、とても難しいことです。うまくいかないことのほうが、ずっと多かったと思います。

その「うまくいかなかった」が積み重なると、いつしか怒りや恨みのような形に変わっていきます。

過干渉がつらいときも、同じことが起きているのかもしれません。

お母さんの寂しさを、私はもう埋めてあげられない。これ以上、どうすることもできない。

「ほっといて」という言葉は、そんな心の悲鳴でもあるのだと、私は思っています。

表面ではお母さんを跳ねのけているように見えて、本当は跳ねのけたいわけではない。ここが一番大切なところです。

とはいえ、こんな気持ちに自分で気づける人は多くありません。私も昔だったら、絶対に気づきませんでした。

「いやいや、私はそんなにお母さんのことを想っていない」

そう感じた方もいるかもしれません。それでも大丈夫です。

お母さんとの間で深く傷ついてきた方にとって、「本当は大好き」という言葉は、すぐには受け取れないものだと思います。許せない気持ちも、距離を置きたい気持ちも、あなたの大切な本音です。

これは「お母さんに感謝しましょう」「許しましょう」という話ではありません。お母さんのためではなく、あなた自身を楽にするためのお話です。

自分を責めてしまうときに、やってみてほしいこと

イライラしてしまったあと、自分を責める手を少しゆるめるために、次のことをやってみてください。

まずは、イライラした自分を「親不孝」と決めつけるのをやめてみましょう。腹が立ったのは、それだけお母さんとの関係があなたにとって大きなものだからです。

次に、怒りの奥にあった気持ちを探してみます。「本当はどうしてほしかったのかな」「何が悲しかったのかな」と、自分に聞いてみてください。すぐに答えが出なくても大丈夫です。

そして、子どもの頃の自分を思い出してみてください。お母さんの顔色を見ていたこと、喜ばせようとしたこと、心配をかけないようにしたこと。何か一つ浮かんだら、それがあなたの頑張ってきた証です。

お母さんに会うのがつらい時期は、連絡の回数を減らしたり、会う時間を短くしたりしてもいいんです。距離を取ることも、自分を大切にする方法の一つです。

必死に愛そうとしていた自分を、切り捨てないで

自分を責めていた方が楽になっていくとき、大きく変わるのはお母さんではなく、自分自身の見方です。

それは、「私、こんなに頑張っていたんだな」と認めてあげられるようになること。

想いが叶ったかどうかは、関係ありません。うまくいかなかったことのほうが多くて当たり前です。

「どうせうまくいかなかったじゃないか」と、あの頃の自分を切り捨ててしまうと、苦しさは続いていきます。

昔の私は、こんなに必死でお母さんを愛そうとしていたんだな。

小さな体で、経験も少ないのに、一生懸命お母さんに愛を贈ろうとしていたんだな。

もし今、あの頃の小さな自分に会えるとしたら、「ダメな子だね」なんて言わないと思うんです。きっと「よく頑張ったね」と声をかけたくなるのではないでしょうか。

そのことを知ってあげられたとき、イライラする自分への見方も少しずつ変わっていきます。

お母さんにイライラするあなたは、冷たい人ではありません。

それだけ長い間、誰にも気づかれないところで、お母さんのことを想ってきた人です。

これからは、その優しさの半分を、あなた自身にも向けてあげてくださいね。

お母さんとのことを、一人で抱えなくていいんです

お母さんとの関係は、人生の土台にある、とても深いテーマです。

頭ではわかっていても気持ちがついてこなかったり、思い出すだけでつらくなったりすることもあると思います。一人で向き合うのがしんどいときは、カウンセリングで一緒に整理してみませんか?

うまく話せなくても大丈夫です。お母さんへの怒りも、言葉にならない気持ちも、そのまま聞かせてくださいね。

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