手放すって、忘れることじゃない。～恋愛やつらい記憶を癒すためにできること～

手放すって、忘れることじゃありません。
あなたのずっと抱えてきた痛みに、あたたかな場所を届けるということ。

「手放せない」って、悪いことじゃない

「もう忘れたほうがいいよ」
「いつまでも引きずってちゃダメだよ」
そんなふうに言われたこと、あるかもしれません。

カウンセリングでも、「手放し」について扱うことがよくあります。

でも、頭では「手放したい」と思っていても、
「忘れたいのに忘れられない過去の傷み」って、なかなか消えないんですよね。

心がどうしても離れられないことって、ありますよね。

大好きだった人との別れ。
言えなかった言葉。
癒されないまま置き去りにされた記憶。

簡単に「手放す」なんて、できないよ。

そんな風に思うこと、ありますよね。
だって、それだけその出来事に心を込めて生きてきた証拠ですからね。

「手放す」って、消すことじゃない

“手放す”って、よく「忘れる」とか「なかったことにする」と思われがちです。

でもね、
ほんとうは、まったく逆のことなんです。

手放すって、言ってみれば
抱えていた痛みや孤独に、「あたたかな居場所」を与えてあげること。

それはたとえば、

誰にも言えずに泣いていた、あの夜の自分に
　「あなたの悲しみ、ちゃんと知ってるよ」と寄り添うこと。

「どうして私だけ、こんな想いをしなきゃいけないの？」と
　言えずにいたあの子に、「もう一人じゃないよ」と言ってあげること。

忘れるんじゃないんです。

ちゃんと思い出して、認めて、包んであげる。
それが、ほんとうの“手放す”という優しさなんだと思うのです。

なぜ、私たちはなかなか「手放せない」のか

人は、「納得できていないもの」ほど、心の中で握りしめてしまう傾向にあります。

たとえば：

「なんで、あんなこと言われなきゃいけなかったの？」
「どうして、私は選ばれなかったの？」
「あのとき、もっとこうしていれば…」

答えの出ない問いを、ずっと胸の中で繰り返してしまうのは、
心が「ちゃんと向き合ってもらえなかった」と感じているからなんです。

だからこそ、手放す前に必要なのは、
「忘れる」ことじゃなくて
“ちゃんと感じ直す”こと。

手放すとは、“その子”の手を、やっと握ってあげること

ずっと心の奥で泣いていた、もうひとりの“自分”に、
今のあなたが手を差し伸べる。

「もう大丈夫だよ」
「一人にして、ごめんね」
「あなたが感じていた悲しみ、ちゃんとここにあるよ」

そう言って、その子の手をやっと握ってあげたとき、
心の中で、少しずつ痛みはほどけていきます。

それは、あたたかく、静かで、でも確かな「手放し」なのです。

“忘れる”ことではなく、
“もう大丈夫だと、伝えてあげる”こと。

それが、
ほんとうの「手放す」ということなんだと思うのです。

もしもあなたの中で、手放せなくて、ずっとずっと握りしめている想いがあれば
一度一緒に向き合ってみませんか？

勇気が要るかもしれません。
でも大丈夫、あなたはひとりじゃありません。

そして、手放せた後はきっと心が軽く感じるはずです。

お手伝い、させてくださいね。