部下のミスを指摘できない上司

「また同じミスか…。」

資料を見ながら、心の中でため息をついた。部下のAさんが作成した報告書、先週修正をお願いしたばかりなのに、また同じ間違いがある。

「どうしよう…。ちゃんと指摘した方がいいよね。でも、あんまり強く言うと、傷つけちゃうかもしれないし…。自分も上司として完璧なわけじゃないし。」

前にAさんが落ち込んだ顔をしていたのを思い出す。あのとき、軽く注意したつもりだったのに、次の日ずっと元気がなかった。「自分の伝え方が悪かったのかな」と気になってしまい、それ以来、言葉を選びすぎてしまうようになった。

結局、その日は「次から気をつけてね」とだけ伝えた。でも、Aさんのミスは続くし、自分もストレスが溜まっていく。上司として、どうすればいいんだろう…。

今日の記事は、カウンセリングサービスの「使えるビジネス心理学」コラムでもお読みいただけます。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。

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ワタシを幸せにする心理学

今日も必要な方に届きますように。

仕事で部下を持ち始めるようになると、どう接したらいいのか、どう注意したらいいのか…慣れないうちは悩むものですよね。

そんな悩みの裏には、これらのような心理が働いているかもしれません。

目次

嫌われたくない心理

「強く言ったら、嫌われるかもしれない…」

この心理は、「対人関係の安心感を失いたくない」という防衛本能から生まれます。人は本能的に、集団の中で受け入れられることを大切にするため、相手にネガティブな感情を持たれることを避けようとします。

「ミスを指摘すること=相手を否定すること」と捉えていると特に、言うのをためらってしまいますよね。

実際には、ミスを指摘することは相手の成長を助ける行為になるはずなのに、「ダメ出しをすると、相手が嫌な気持ちになる」と考えすぎてしまうと、関係性を壊したくない気持ちの方が勝ってしまい、結果的に部下のミスを放置し、時として、部下の印象を下げてしまうことにもなりかねません。

このように、「嫌われたくない」という気持ちには、人間関係のバランスを守ろうとする心理が大きく影響しています。でも、その結果、部下の成長を妨げてしまうこともあるため、どう伝え方を工夫するかが重要になってきます。

偉そうにしたくない心理

「注意するのは大事だけど、なんか偉そうに聞こえたら嫌だな…」

この心理の根底には、「上下関係を強調したくない」「対等でいたい」という価値観があります。特に、部下や後輩との関係をフラットに保ちたいと思っている人ほど、「指摘=マウントを取る行為」のように感じてしまい、強く言えなくなります。

以前、厳しく指摘したときに相手が傷ついてしまい、それがトラウマになっている。
自分が若手の頃に上司から厳しく怒られ、嫌な思いをしたため、「自分はあんな上司になりたくない」と思っている。

これらのような経験があると、「同じことをしてはいけない」という「禁止」の想いが強く働いたりします。
禁止の想いが強く働くと、私たちは誰でも、禁止していることの方にばかり意識が向くようになってしまいます。

そうすると、我慢の糸が切れて、禁止していたことをしてしまうか、もしくは、自分が身動き取れなくなってしまう、という事態が起きます。

必要な指摘まで避けてしまうと、部下の成長の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。

適切なフィードバックは部下の成長につながるもの。「偉そうにする」のではなく、「導く姿勢」を意識することで、自然と伝えやすくなります。

自分に自信がない

「自分が言う資格なんてあるのかな…?」

部下のミスを指摘しようとすると、不意にこんな気持ちがよぎる。「自分だって完璧じゃないし、こんなこと言ってもいいのかな?」と迷い、結局、強く言えなくなってしまう。

この心理の背景には、「自分の価値や能力に対する不安」が潜んでいます。

「自分はまだ上司(先輩)としての器じゃない」と感じていたり、
「リーダーシップがあるタイプじゃないし…」と、自分の適性に疑問を持ってしまったり、
「本当にこれが正しい指導なのか?」と確信が持てず、言葉を飲み込んでしまったり。

でも、完璧な上司なんていないんですよね。

大事なのは「完璧であること」ではなく、「成長する姿勢を見せること」。

上司の役割は「すべてを知っている人」ではなく、「部下を成長させる人」であることではないでしょうか。たとえ部下のほうが専門知識に長けていたとしても、適切な方向性を示すことはできますよね。

そして、「自信がない」と感じるのは、それだけ相手のことを考えている証拠でもあります。「自信があるかどうか」よりも、「部下の成長のために何が必要か?」を軸にすると、言葉に説得力が出てきます。

まとめ

上司として部下を持つと、どう部下を導いてあげたらいいだろうか?自分にはそんな力があるのだろうか?きっとそんなことにたくさん頭を悩ませますよね。実際の業務よりも部下との関わり方のほうがたくさん神経を使うと感じるかもしれません。

でもそれって、きっとあなたがそれだけ人との関わりを大切に思っているから、なのではないでしょうか。

あなたのその、相手を大切に思う優しさや、人との関係性を大切にする心の深さが部下に伝われば、きっと良い上司としてこれからもあなたを慕う部下も増えてくるのではないでしょうか。

相手の成長を促すためには、厳しい言葉が必要な時もあるかもしれません。

でも、それは決してあなたが厳しくしたいからではなく、部下の未来を心から考えているからこその言葉です。

あなたの優しさは、部下が本当に成長できるように導く力に変わります。
怖がらずに、自分自身も、そして相手も信頼して、伝えてみてくださいね。

あなたの益々の発展を心より応援しています。

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