あんな風にはなりたくない！

職場の上司や、先輩などをみて、ああはなりたくない！あんな風にはなりたくない！なんて思ったことはありませんか？

いますよね、気の合わない上司や先輩、同僚、職場だけでなくても、この人はイヤ、好きじゃない、って人。あまり近しい存在でなければ、離れていれば特にどうということもなく、平穏無事に過ごせるかもしれませんが、近しい存在で、自分よりも上の立場だったりすると、どうしても自分が進む先のモデルとして視界に入れざるを得ない、という状況ができてしまったりします。

ああはなりたくない、あんな風にはなりたくない！そう思って絶対あの人のようにはならない！と気を付けて歩んできた自分をふと見てみると、自分もあの人と同じことしてる…！と気づくことって実は多かったりします。

親で考えてみる想像がしやすいかもしれませんね。
過干渉の母親がイヤでイヤで仕方がなかった。いつの間にか自分も過干渉の母親になっていた。
仕事ばっかりで家庭を顧みない父親が嫌いだった。大人になった自分も、仕事に一生懸命になって、妻から離婚届を突き付けられ、初めて家庭を顧みていなかったことに気付かされた。

そんな親を反面教師にしているはずが、自分も気付かぬうちに同じ道を辿っていた、と気付かされることがあります。

○○しないで！と言われると…

可愛いピンクのこぶたちゃんがあなたの後ろにいる、なんてことを想像しないでください。

なんて言われると、今何名くらいが後ろを振り返ったでしょう？
ん？可愛いピンクのこぶたちゃん！？と想像しませんでしたか？

焼きたての香ばしいいい香りのするピザを想像しないでください。

なんだか口の中がピザを待っている感覚になりませんか？
口の中が唾液で溢れ、香りまで漂ってきそうにはなりませんか？

私たちの脳って、「して」といわれても「しないで」と言われても、同じように想像を膨らませられるんですね。

それどころか、「しないで！」と禁止されると、一生懸命、頭が想像したものを打ち消そう打ち消そうとするので、より強烈に想像してしまう、という悪循環が出来上がってしまいます。

禁止されたモノこそ、興味を惹かれる、頭にこびりついてしまうんです。

過干渉の母のようにはなりたくない

過干渉の母のようにはなりたくない、と思っていた自分がいるとします。

母が過干渉だと、なかなか自由にならないことが増えそうですよね。
出かける時も、誰とどこに行くの？何時に帰ってくるの？
お洋服を買うにも、あなたにはこんなのまだ早すぎる、似合わない。こっちにしなさい、これが良いわよ！

全部自分で決める権利を奪われ、母の言いなり、母の気に入るように、母を満足させるために毎日を過ごしてきた。だけどもうウンザリ！

そんな感情でいっぱいになってしまいそうです。

私は絶対母のような過干渉の母親にはならない！

そう心に決めて時が経ち、自分が結婚して子供を持った。

母のように私も過干渉になってしまうんじゃないかしら。
それだけは絶対にイヤ。
過干渉の母親なんて最低よ！
私は絶対母のようにはならないんだから！

そんな不安と決意で子育てを始めると…

子どもを愛すれば愛するほど自分が子どもを心配し、喉まで言いたいことが出かかって、もしくは口出ししている自分に出逢ってしまったりするのではないでしょうか。

そんな自分に気付くと、自分を最低な母親だと責め、だけど反面、母親の責任、親だから子どもを守らなきゃ、という責任感と戦って、もう心の中がぐちゃぐちゃになってしまったりするかもしれません。

夫が子育てにあまり関わってくれなければ、無責任な夫にも腹が立つでしょうし
逆に夫が子育てに積極的だと、子どもは夫にばかり懐いているように感じてしまうかもしれません。

しまいには、自分が子どもに過干渉にならないように、ということばかりを強く意識し、ネグレクト状態で子どもに関わることを一切やめてしまう、という極端な状態になる可能性もあります。

どれもこれも、こうはなりたくない！過干渉な母を意識しすぎたゆえの結果です。

大好きだった時代を思い出してみよう

親のようになりたくない、と思っている時、なりたくない、を意識する前は、親を大好きだった時期ってありましたよね。

過干渉の母親なら、いつも自分に注目してくれていた時期があったはずです。
家庭を顧みない父親なら、お父さんに会いたくて寝ずに待っている、なんて駄々をこねたこともあったかもしれません。

そこまで大好きだった親に、何を望んでいたんでしょう？

それが手に入らず、自分の想う「こうじゃない！」っていう想いが、「あんな親のようにはならない！」という反発心を招くのですよね。

本当に欲しかったものって、なんだったのでしょう？
そしてそれは…本当に与えられていなかったのでしょうか？

理想的な形じゃなかったかもしれませんし
親にも親の問題があって上手なやり方じゃなかったのかもしれません。

だとしたら、あなたはそんな親のイイトコ取りをしたらいいではないですか。

それには、一旦は親を認め、受け入れ、差し出してくれていたものをしっかり受け取る必要があるんですね。

言葉を変えると、ゆるす、とか、感謝する、とか。

その後の世界は、今までとはガラッと違って映るかもしれません。
何かが上手くいかない、自分には足りない、なんて感じる時には、ちょっと視点を変えてみると良いのかもしれませんよ。