アイツだけは許せない！

あの人が浮気したから、私たちの結婚生活は崩れた！あの人が私を裏切ったから！あの人が私に酷いことを何度も言ってきたから！私を不幸にしたアイツだけは絶対許せない！

誰かに怒りを向けている時って、心がザワザワトゲトゲしていますよね。残念ながら、自分自身も良い気分ではいられない。自分にとって幸せではないですよね。

じゃあ許しましょう！

そんな簡単に気持ちが切り替われば良いのですが、現実は全く簡単じゃないですね。少なくとも、私自身は、全く簡単なんかではありませんでした。

それでも苦しんでいるクライアントさんには、許しましょう、とお伝えします。

どうして許さなきゃいけないの？

アイツが私に酷いことをしてきたのに、傷ついたのは私の方なのに。アイツが私に謝るなら考えても良いけれど、私がアイツを許すなんて私には何の得にもならないじゃない！

そんなことを私も思っていました。

どうして許さなきゃいけないの。

そもそも許すって何なの？って問題があると思うのですが、許すのは相手のためではないんですね。

許すって、自分のためなんです。

自分が幸せになることを許す。
自分が自分の想いを大切にすることを許す。
自分が自分に優しくあることを許す。
自分に愛することを許す。

相手に怒りが向いている時って、自分自身にも同じようにその攻撃性は向いているんです。
相手を責める度合いだけ、同じように、もしくはそれ以上に、自分自身も責めている。

心ってこんな風に働いているんです。

相手を許せない、と思っている時は、同じように、自分自身も許されない、と私たちの心は感じてしまうんですね。

アイツが幸せになるなんて許せない！

自分の心の痛みが大きければ大きいほど、その想いは強くなりますよね。ある意味当然のことかとも思います。

しかし、その想いが強ければ強いほど、自分自身をも幸せになることを無意識にでしょうけれど自分で阻害することになるんです。心はそんな働きをしてしまうんです。

許すってなに？

許すって、相手や自分を深く理解する、とも言い換えられるのかもしれません。

私も昔思っていましたけれど、許したら、相手が自分にイヤなことをしてくることを全部受け入れなければならないんじゃないか、結局相手の言いなりにならなければいけないんじゃないか、自分が虐げられるんじゃないか、と思っていました。しかしこれは、許しではないんです。

許したからって、相手と仲良くする必要も無いんですよ。結婚離婚の話で言えば、許したからと言ってまた再婚する必要も無いんです。

許せない出来事が起きた背景を理解する。
そしてその時の自分の想いを理解する。
この理解が頭だけでなく、心で受け止められた時、何かがスーッと自分から抜けていくのを感じるのではないかと思うのです。

私の個人的なお話しをすると、離婚した後数年間、元夫のことを思い出してはハラワタが煮えくり返る、なんて感覚をずっと抱えていました。

彼のやり方が全部間違ってる、って当時の私は思っていましたし、そんな彼に制裁を与えてやりたい、とすら思っていました。彼は好き勝手なことばかりして、私ばかりが損をしている、私ばかりが不幸にさせられている、というような想いも抱えていました。

そう思っていた時は、本当にシンドイし、心がグチャグチャで何をしていても思い出すと発狂したくなるような気分で、自分が消えたい、と思ったり、世界が滅んでしまえばいい、とすらも思ったり、悲しいとか苦しいとか辛いとか、そんな言葉じゃ表せないような心境になっていました。

でも、どこかの地点で、彼も彼なりにずっと傷ついてきたんだな、と思ったことがあったんです。それは、私の知らないもっと前からの彼の傷だったり、私が彼を傷つけたところもあったのだということも認識したり。

同時に、彼がしてくれたこと、彼からの愛や優しさ、思いやりっていうのがちゃんとあったんだ、と気づいたこと。

そして大切なのは、自分の想い。私は、本当は元夫が大好きで、願わくば、もっと一緒にいて愛し合いたかった、という想いが自分の中にあったこと。

それら全部を自分の中で認識して受け止めることを自分に許した時、元夫に対する何とも言いようのない怒りのような感情がスーッと抜けていったんです。

それからは、なんだか憑き物が取れたように楽な感覚になりました。

許した後は？

私の場合は、離婚した元夫なので、彼とまた仲良く頻繁に連絡を取り合う、とか、復縁する、という形ではないんです。

でもね、元夫との関係の中で、許しを経験したことで得られたものって実はすごくたくさんあって。

彼は私に興味が無いって思っていたけれど、彼なりの愛し方で精いっぱい愛してくれていたんだな、ということがわかり、それを受取ることができたこと。
私には彼をとても大切にし愛し合いたい想いが強くあったんだな、ということに気付いたこと。

これらは、許しを経験する前にはとても曖昧でクリアに直視したくなかったんですね。だってそんなこと思ったって叶わなかった！っていう痛みと怒りがあったから。

でもこれらをクリアに直視して受取ることができると、同じ人じゃなくても、また愛する人に出逢った時に、この想いを大切にしよう、自分に相手を存分に愛させてあげよう、って感じられるんですね。

元夫を許せない状態で別の相手に出逢っていても、きっと同じことを繰り返していたんだと思うんです。

結局許しって、

自分に自分の幸せを許可する
自分に自分の願いを叶えさせてあげる
自分に優しさを向ける
自分の愛を存分に使うことを自分に許してあげる

そういうことかな、って私は思っています。

こんなことをしていると、きっと自然と、自分の愛の器っていうのが大きくなっていくんだと思うんですね。

簡単にできなくても良いんです。
簡単じゃなければ無いほど、想いが詰まっていた証拠でもあるんだと思います。

まずは、許したい、って自分に許すことを許可するGOサインを出してあげてくださいね。

あなたの溢れんばかりの幸せを、願っています。

必要なときは、いつでもご連絡ください。
一緒に取り組んでいきましょう。