周りの刺激や感情に対して非常に敏感に反応する人のことを指します。彼らは、ちょっとしたことにも深く心を動かされ、他人が気づかないような細かい変化に気づくことができる才能を持っています。
でも、その敏感さゆえに疲れやすかったり、ストレスを抱えやすかったりすることもあるんですよね。

今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。
もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学
今日も必要な方に届きますように。
HSP(Highly Sensitive Person)という言葉もよく耳にしたりしますが、感受性豊かで繊細な感覚を持った、敏感さん。鈍感力が羨ましいとすら思ったりしますよね。
繊細だからこそ発揮する能力も多いんですよ。
人の感情に敏感で、他人が気付かないようなことにも気付き、気を回せる。
本人は当たり前の状態で当たり前のこととしてやっているので、時としてちょっと疲れてしまったりするんですよね。
考えすぎちゃったりもしますしね。
そんな繊細さん、敏感で共感力が高い分、他人の感情や期待を受け取りすぎてしまうことが多かったりもするんですね。その結果、「自分が何を感じているのか」「本当はどうしたいのか」がわからなくなってしまうことも…。
そこで身につけておくと良いことが、境界線(バウンダリー)。
なぜ繊細さんにとって境界線が必要なのか?
1. 他人の感情を「自分のもの」と混同しないため
繊細さんは、他人の感情をまるで自分の感情のように感じ取ってしまうことがあります。境界線を持つことで、「これは相手の感情であって、自分の責任じゃない」と切り離すことができるようになります。
感受性豊かな繊細さんは、他人の表情や声のトーン、仕草といった「非言語的なサイン」にとても敏感です。無意識に、相手の悲しみやイライラを「空気」として感じ取り、まるで自分の中にその感情が流れ込んでくるように思ってしまうこともあったりします。
例えば、職場で上司がピリピリしていると、「何か私が悪いことをしたのかも…」と自動的に考えてしまったり。これは、あなたが周囲に対して高い共感力を持っている証拠。
しかし、ここで大切なのは、「相手の感情は、相手の責任」だということ。
必要なのは、「私の責任」と「相手の責任」を分けるということ。
例えば、友達が落ち込んでいるとき、
自分ができるのは「寄り添うこと」だけ。
「友達を元気にする責任」までは負わなくていいってことなんです。
優しさは大切ですが、それが「自分の犠牲の上に成り立つもの」になってしまうと、被害者と加害者、のような形ができてしまいます。
2. 自分のエネルギーを守るため
全てのお願いに応えたり、他人に気を遣いすぎると、自分のエネルギーが枯渇してしまいます。境界線を引くことで、「今は自分を優先する時間」を確保できるようになります。
繊細さんは、「自分のことよりも他人を優先してしまう」傾向が強いです。例えばこんな場面、思い当たりませんか?
- 誰かに頼まれごとをされると、無理をしてでも応えようとする。
- 誰かが困っていると、放っておけずに手を差し伸べてしまう。
- 相手の気持ちに共感しすぎて、自分まで疲れてしまう。
このようなことが繰り返されると、「自分のためのエネルギー」がどんどん減っていきます。特に、自分の気持ちを後回しにするクセがついていると、気づかないうちに限界を超えてしまうんですよね。
3. 心の平穏を保つため
繊細さんや感受性が豊かな人は、「感情の嵐」に巻き込まれやすい傾向があります。周囲の空気に敏感だったり、他人の感情を自分のことのように感じてしまうからです。
よく誤解されがちなのが、「感情を感じなくなることが心の平穏だ」と思ってしまうこと。でも、実際は違います。
心の平穏とは、
- どんな感情が湧いても、それに振り回されずに受け止められること
- 嵐のような感情の中でも、「自分は大丈夫だ」と思える感覚
この状態になると、たとえ外で何が起こっても、あなたの心の中には静かな湖のような場所が残り続けます。
繊細さんのための優しい境界線の引き方
小さな「NO」を練習する
例えば、誰かにお願いされたときに、すぐに「いいよ」と答える前に、「少し考えさせてね」と言うだけでもOK。自分の心にスペースを作ることが大事です。
他にもこんな時…
「ごめん、今回はパスするね」 → 断るけど、また次回があることを示す
「〇〇時までなら大丈夫!」 → 完全に断るのが難しいときは、時間を区切る
「今のタスクが終わってからでいい?」 → 自分の優先順位を守る
「今はその話をする余裕がないんだ」 → 自分の心のキャパを守る
「ごめん、それはできない」 → シンプルだけど、最も大切なNO
「NO」を言うことは、自己中じゃないんです。
それは、自分の心と体を大切にすること。そして、それが結果的に周りとの良い関係をつくることにつながります。
小さなNOから、少しずつ練習してみてくださいね
自分の感情に気づく時間を作る
一日の終わりに「今日は何に疲れたかな?」「どんなことが楽しかったかな?」と振り返る習慣を持つことで、境界線を引く感覚が磨かれます。
日記やジャーナルを書くことは、自分の感情を整理し、気づきを深めるのにとても有効です。特に「今日はどんな気持ちだったか?」を振り返ることで、自分の心のクセやパターンが見えてきます。
例えば、
「今日、イラッとしたことは?」
「嬉しかった瞬間は?」
「今の自分に必要なことは?」
などを自分に聞いてみる。
オススメの書き方
今日は〇〇があって、ちょっとモヤモヤした。なんでかな? → 本当は□□って思ってたからかも!
〇〇さんに褒められて嬉しかった!なんでこんなに嬉しいんだろう? → 自分の頑張りを認めたかったのかも!
書くことで、無意識だった感情がはっきりしてきます
これを2〜3行でも書く習慣をつけると、感情の変化に敏感になります。
「自分の責任」と「相手の責任」を区別する
例えば、相手が不機嫌でも「自分のせいじゃないかも」と思う練習をすることが大切です。自分が悪いと決めつける必要はありません。
自分と相手の責任をしっかり区別できるようになると、不要な罪悪感を減らし、自分の心を守ることができるようになります。特に、人の顔色を気にしすぎる人や、相手の感情を背負い込んでしまう人にはとても大切な考え方です。
まず大前提として、自分でコントロールできることと、できないことを明確にすることが大切です。
自分がコントロールできること(=自分の責任)
自分の言動・態度
自分の感情や考え方
自分が何を選択するか
自分がコントロールできないこと(=相手の責任)
相手の感情・機嫌
相手の考え方や価値観
相手がどう反応するか
例えば、あなたが丁寧に話しかけたのに相手が不機嫌だったとします。
このとき、「私が悪かったのかな?」と考えるのは不要な罪悪感と割り切ってみてください。なぜなら、相手がどんな気分でいるかは、あなたの責任ではなく「相手の問題」だからです。
心の中で「ここからは私のエリア」とイメージする
実際に境界線を可視化するイメージワークも効果的です。目を閉じて、自分の周りに柔らかな光のバリアをイメージしてみると、心の安心感が増します。
自分のエリアを心の中で持つことで、相手に振り回される感覚がグッと減ります。
私たちはつい、相手の機嫌が悪いと「私のせいかも?」と考えたり、誰かが怒っていると「なんとかしなきゃ」と焦ったりしがちですが、「ここからは私のエリア」と意識することで、相手の感情を自分のものとして抱え込むのではなく、「これは相手の問題だから、私は背負わなくていい」と思えるようになります。
例えば、職場で上司がピリピリしているとき
☑ 「私が何かしたのかな?」 → 不要な罪悪感を感じてしまう
☑ 「上司は上司のエリアにいる。私は私のエリアで落ち着いていよう」 → 余計なストレスを抱えずに済む
このように、相手の感情に流されることなく、自分の心を守ることができるようになります。


繊細で感受性が豊かな人は、他人の気持ちに寄り添う力を持っています。これって本来、とても素晴らしい優れた力なのです。でもその力を活かすためには、まず自分の心が穏やかであることが大切です。
感情に流されず、自分の気持ちを大切にする時間を意識的につくることで、あなたの内側に本当の穏やかさが生まれてくるはずです。
人のために使える優しさもとても素晴らしい才能ですが、自分にもその優しさを向けてあげてもいいんですよ。むしろ、自分にその優しさを向けることで、きっとあなたの本来の優しさはもっともっと多くの人に楽に広がるようになるのではないでしょうか。
まずは自分自身を大切にする練習を一緒にしていきませんか。

