彼に「あなたが私を助けてくれないから私たちの関係は全然良くならない!」
親に「あなたが親としてちゃんとしてくれないから私の人生メチャメチャよ!」
と怒りや被害者意識がある時
実は相手よりも自分自身が罪悪感にまみれていたりするんです。
今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。
もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学
今日も必要な方に届きますように。
人と人の間には境界線がある
私たちは誰でも、1人1人違う人格を持った人間です。親子という繋がりがあったり、夫婦という繋がりがあったり、友達という繋がりがあったり、いろんな繋がりは存在しますが、1人1人が独立していて、1人1人の間には境界線が存在しています。
このように言葉にすると、
ふ~ん、と感じる人や
それはそうよね、と感じる人や
なんだかちょっと冷たいような寂しいような、と感じる人や
聴く側の人にとってはいろんな感じ方をされるのだと思うのです。
どう感じるのが良いとか悪いとか、正しいとか間違っている、というわけではないので、ご自分の感じた感覚を大事にしていただくといいですね。
境界線って、それぞれが違う人格、違う人物、違う人生として生きていく上で大切なものです。
しかしこれが、目には見えないけれど、あるようでない、ぴったりくっついてしまっている、という場合があります。
癒着のお話し
母子癒着とは
母と子は、子供が生まれてくるまでは母親のお腹の中でスクスクと成長しますね。
その後、子供が生まれることにより、母と子の絆が一旦切れます、物理的にへその緒が切れることによって。
しかし、母と子はまだ子供が幼いうちは母が面倒をみる時間が長く、子は母を頼りにしますし大好きですし、母も子を自分以上に大切に守る、というようなことをします。
そんな中で、また母子の絆は強くなります。
徐々に子供が成長してくると、子供が母を大好きなことには変わりありませんが、子供は自分で出来ることも増え、自分で出来ることの喜びも感じ始めますね。
そこで母が心配性だったり、自分の不安が強い時、自分が愛を注ぐ、世話を焼く対象を手放せなくなる、ということが起きたりします。
逆に子供の方は、大好きな母を喜ばせたい、褒められたい、という想いから、母の顔色を伺い、母の機嫌を少しでも良くしたい、という想いがあるので、母の気に入ることを選んで行動する、ということを自然と身につけていったりします。
そうなると、母子は別々の人間であり、別々の個体であり、別々の人格・性格・意思を持っているはずですが、感情の部分では心がぴったりとくっついている状態で、感じている感情が自分のものなのか、相手のものなのか、よくわからない、境界線の無い同じもの、という状態になってしまうことがあります。
母子癒着、と言います。
母子癒着とはこんな状態
母子癒着のいくつかの例として以下のようなものがあります。
▶ 洋服を買いに行って、自分の好きな服ではなく、お母さんだったらこれはダメ出しするだろう、こっちの方がお母さんが良いっていうんじゃないかな、と自分の好みではなく、お母さんが何というか、お母さんがどう反応するか、をベースに考えてしまう。
▶ 好きな人ができて、結婚したいと思っても、お母さんが何というか、お母さんが気に入らなかったらこの人とは結婚できない、とお母さん基準で決めてしまう。
▶ 彼や夫なら、私のことをもっと理解してくれなきゃ!私が困っていること言わなくたってわかるでしょ!と、直接伝えてもいないことを相手が私の様子を伺っていればわかってくれて当然!それが愛するってことのはず!と相手に求めてしまい、それに沿わなければ相手が悪い、と不満を抱え相手にぶつけてしまう。相手は母ではないけれど、母子癒着が発展し、パートナーを母と置き換える、という状態ができてしまったりするケース。
母子癒着のできる背景
母子癒着のできる背景、幼少期の家庭環境としてよくあるケースです。
母子家庭
母子家庭で育つと、特に母1人子1人の場合、お母さんと子供の絆ってとても強固になっています。
お互いが支え合って生きている状態なので、心理的にパートナーのような状態が出来上がっていて、そうなると、子供側が大人になって恋愛しても、既にパートナーの位置に母が陣取っている、というような心理状態が作られていたりします。そうすると、恋愛相手が心理的には浮気相手のような状態になってしまったり、母と恋愛相手とどちらを取るべきか、というような三角関係が心の中でできていたりします。
そうなると、好きになる相手は上手くいかない相手をあえて選んでしまう、という無意識が働き、結果どの恋愛も何故か上手くいかない、なんてことが起きたりします。
両親の関係性があまり良くない家庭だった
父母の仲があまり良くない状態だと、母はパートナーである父よりも、自分を無邪気に慕って必要としてくれる子供に、父に注ぐ分の愛情をも注ぐ、ということが起こったりします。
子ども側は、そんな両親を助けなければ、という想いを持つので、母に心を寄せ、母を子供なりに助けようと頑張ります。
不安の強い母親だった
母の不安が強いと、小さく弱い立場の子どもを母は必死に守ろう、何かあっては大変!と何から何まで手取り足取り母が良いと思った方法で接します。子どもが小さいうちは、母との関わりがそれだけ多いので嬉しさになりますが、子供が成長するにつれ、母の心配性、母の過干渉、母の過保護、という、子供にとってはちょっと重い感覚を感じ始めたりします。
感じ始めますが、それでも子供は基本母親が好きなので、なんとか自分が母に合わせよう、としたり、自分が離れてしまっては母が可哀想、と思う気持ちが大きくなったりします。
しかし、母が心配性、過干渉、過保護、という状態だと、子供の立場では何も自分で出来なくなってしまったりします。何をするにも、母から、それはやめなさい、それはあなたには向いていない、あなたにできるわけない、そんなことお母さんが許しません、という、否定的な言葉をかけられることが日常的に多い中で育つので、子供は自分が何もできない、と思い込んでしまったりするわけです。
すると、自分から母を切り捨て離れる、ということは非常に難しくなります。
母も母で、子供がいようがいまいが、本来自分の抱えている不安を、子供で解消しようとしてしまう、ということが起きるので、なかなか子供を放してあげることができなかったりします。
自分自身に本当にしたかったことをさせていない問題
母子癒着があると、母相手だけではなく、恋愛相手やパートナーとの関係も自分と相手を適度な距離でお互い境界線を持つことを自分にさせない状態を作ってしまうので、重い関係になってしまったり、こじれた関係を作ってしまったり、という結果になりやすくなります。
では母子癒着がくっつき過ぎなのだとしたら、離れれば良いのか、というと、物理的に離れたとしても、心はずっとお母さんの元でくっついたまま、もしくはいつもお母さんの影をどこにいても感じ続ける、なんてことが起こったりします。
もちろんステップの1つとして物理的に離れる、ということを選ぶのが悪いわけではなく、むしろ有効的な場合が多いかもしれません。
心と心がくっついている状態なので、最終的には、自分は自分、母は母、という自分も相手も尊重し、自分は自分を大切にする、母は母自身が大切にする、という自分にも相手にも信頼を持つ、という必要性が出てきます。
まずそれが、自分が自分に今までさせてこなかったことです。
母だけではなく、パートナー相手でも同じです。
自分も相手も尊重する。
自分は自分を大切にする力がある。
相手は相手自身が大切にする力がある。
お互いの力を信頼し合う、ということ。
それ自体が、自分も相手も大切にする、ということに繋がります。
自分を犠牲にする、というやり方を続けると、自分自身に余裕は無くなりますし
相手が同じように、私のやり方で私に接してくれない時、
どうして私はここまでしているのにあなたは私に同じようにしてくれないの!?
という不満を持つことになってしまいます。
相手が望む方法、を優先するのではなく
自分が望む自分を、自分自身に優先させる
そんな意識を持ってみられると良いと思います。
自分の幸せを考えよう、幸せを選ぼう!
母子癒着がある時、マイナス面は相手を優先しすぎて自分を犠牲にする、という点がありますが、
母子癒着を続けるには続けるメリットってやっぱりあるんです。
人のせいにできる
自分に責任はない
上手くいこうが行くまいが、自分のせいではない、と責任を逃れられる、というメリットがあります。
これが実はとても気付きにくいですが
自分の中での大きな罪悪感を自分に作り出すんです。
自分が被害者となっている時、自分が被害者である以上、相手は必ず自分にとっては加害者になります。
私のせいで相手を加害者にしてしまった
という罪の意識を自分の中に植え付けることになります。
被害者のはずなのに、相手を加害者にしてしまった、という加害者意識。
変ですよね。
ここから抜けるのは、自分も相手も悪くない、という被害者にもならず、加害者にもしない、誰にも罪はない、という状態を自分の中に作ること。
そしてそれを作る際に必要なのは、
自分の幸せ、自分の喜び、それが何なのか、を自分に問いかけ
自分の幸せ、自分の喜び、それらを自分が選ぶ、自分に持つことを許す
これがとても大切になってきます。
あなたの本当にしたかったことって何ですか?
あなたが幸せを感じることって何ですか?
あなたが喜ぶことって何ですか?
わからなかったら1つ1つ試していくのも良いと思います。
それをまずは自分に選ばせてあげる、その許可を自分にしてみてください。
あなたが望む幸せは、あなたが望めばちゃんとやってきます。
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