【心の影（シャドウ）を整える心理学シリーズ①】嫉妬の正体｜羨ましさの裏にある“心の欠片”

嫉妬って、どう扱っていいかわからない感情の代表みたいなもの。
できれば見たくないし、できれば持ちたくない。
それなのに、ふと心の奥からひょっこり顔を出してくる。

さて今月は、「シャドウと向き合う」をシリーズテーマにお届けしようと思います。

私たちは、強くなりたいと思うほど、
見たくない感情を心の片すみに追いやってしまうものです。

嫉妬、怒り、寂しさ、劣等感、自己否定、そして愛の不安。
どれも避けたいのに、気がつくといつも内側にひっそり居座っている。

日増しに寒くなるこの季節
心の奥に沈んでいた影がふっと姿を見せやすくなる季節でもありますよね。
だからこそ、このタイミングで「影」。

自分の影と向き合うことは、
つらい過去を掘り返すことでも、弱さを暴くことでもありません。

それは
“本当の自分を取り戻すために、心の奥の声にそっと耳を澄ませる”
そんな作業だと思っています。

この6回シリーズでは、
心の影をひとつずつ丁寧に扱いながら、
その奥にある願い・痛み・強さを見つけていきましょう。

影を理解すると、人は優しくなる。
影を抱きしめると、心が自由になる。
影を知ることで、愛し方が変わる。

あなた自身の“見えない部分”に光を灯す旅をご一緒できたらうれしいです。

シリーズ第1回は、嫉妬の感情です。
冒頭にもあるように、嫉妬って、どう扱っていいかわからない感情の代表みたいなものですよね。

でもね

「うらやましい」って感じられる人、言える人って、本当はかわいい
って思うんです。
だって、ちゃんと自分の“欲しいもの”に気づいているから。

「私も本当はあれが欲しい」
「私もああなりたい」

その素直さが、嫉妬の一番奥に眠っているんです。

けれど、多くの人はその感情を簡単には言えないですよね。
なぜって、
“うらやましさ＝足りない自分の証拠”
だと思い込んでしまうから。

だから、こういう気持ちが心に乗っかってしまう。

その裏側には、
「私には無理」
という強い自己否定の重しが乗っているんです。

嫉妬は、相手と比べて苦しむ感情じゃなくて、
“自分で自分を閉じ込めてしまった痛み”が形を変えて出てくるもの、とも言えるのです。

シャドウには2種類ある

心理学では、影にも「ポジティブシャドー」と「ネガティブシャドー」の2種類がが存在します。

■ ポジティブシャドー

これは、相手の良いところに自分の願いが重なるタイプ。

「あんなふうになりたいな…でも私はなれないな」
「いいな…羨ましいな」

相手をポジティブに見ている影。
自分の“まだ開いていない未来”を相手の姿に映している状態です。

“本当は欲しいのに、自分には無理だと思い込んで手を伸ばせていない願い”
がここにはあるんです。

■ ネガティブシャドー

こちらは逆パターン。

「あの人たち、私に嫉妬してくる」
「いつも妬まれて、なんか気持ち悪い」

これは、自分が“キラキラしている側”に立っているのに、
その光を受け取れない時に生まれる影の存在。

もし自分の幸せや魅力をちゃんと受け取れていたら、
相手の嫉妬は自分の価値を映す鏡にしか過ぎないはず。

でも、それができないと
「足を引っ張られる」
「狙われる」
「嫌われる」
という感覚に変わってしまうんです。

本当は、
自分が持っている光をまだ信じ切れていないだけ。

この影に気づくと、
“自分の良いものを受け取れない痛み”に優しく触れられるかもしれません。

嫉妬は、願いの入り口

嫉妬は、自分のダメさ加減の証拠じゃない。
劣っているという証拠でもないんです。

嫉妬が生まれるのは、
「まだ取りこぼしている願い」が心の奥に息づいているから。

もし何も欲しくなかったら、嫉妬なんて生まれないんですよ。
嫉妬は、あなたの中にまだ燃え残っている情熱のしるし。

だから、潰さなくていいし
押し込めなくていいんです。

嫉妬を感じた瞬間こそ、
心があなたに教えてくれている。

「ワタシも、これが欲しいんだよ」
「ワタシにも、手に入るよ」
「その願い、まだ捨てなくていいよ」

そう言って自分の力を信じてくれている自分の中の影の声に、
光を当ててあげればいいんです。

まだあなたの心の底に眠っている
本来のあなたの姿を一緒に見ていきましょうね。

この【心の影（シャドウ）を整える心理学】シリーズは、毎週火曜と金曜、全6回のシリーズでお届けしています。