
「最近、全然会えていないから寂しい」
彼にそう伝えたら、
「自己中だね」
って言われてしまったんです。
実はこれ、私自身、やったことあるんですよね。
カウンセリングなどで恋愛のお悩みを伺うとき、「自分の気持ちを正直に伝えてはどうですか?」ってお伝えすることがあります。
もちろんそれでうまくいくケースもあります。
ただ、稀に、なぜかそれが火種となってしまうことがあるんです。
私自身も経験があるんですけどね。
どうもそういうときって、自分の伝えたいことと、相手の耳に届く言葉が違うものに変換されてしまっているようなのです。



今日もお越しくださりありがとうございます。
カウンセリングサービス・心理カウンセラーの青山リナです。
もうこれ以上ワタシ(自分)の幸せを先延ばしにしない!
ワタシを幸せにする心理学
今日も必要な方に届きますように。


「寂しい」が責める言葉に聞こえることがある
彼女が伝えたかったのは、きっと、
「あなたに会いたい」
「あなたと過ごす時間が好き」
「会えなくて寂しく感じている」
という素直な気持ちだったのでしょう。
けれど、彼に仕事や生活の余裕がなかったり、忙しさの中で精いっぱい頑張っていたりすると、
「寂しい」
という言葉が、
「あなたのせいで私は寂しい」
「もっと私のために時間を作って」
「彼氏なのに何もしてくれない」
と責められているように聞こえてしまうことがあります。
もちろん、彼女はそんなこと一言も言っていないんですよ。
けれど、人は心に余裕がないとき、相手の言葉をそのまま受け取れなくなることがあります。
特に彼自身が、
「彼女に会う時間を作れていない」
「寂しい思いをさせている」
「彼氏として十分にできていない」
と感じていたとしたら、「寂しい」という言葉によって、自分の罪悪感や無力感を刺激された可能性もあります。
彼女の寂しさを受け止めるより先に、
「俺だって頑張っている」
「これ以上どうすればいいんだ」
「こっちの事情も考えてほしい」
という防衛的な気持ちが出てきてしまった。
その結果、「自己中」という強い言葉になってしまうことがあるのです。
余裕がないと、自分でも驚くような言い方をすることがある
人はいつでも、理想的な受け答えができるわけではありません。
疲れていたり、追い詰められていたり、心に余裕がなかったりすると、自分でも後から、
「どうしてあんな言い方をしてしまったのだろう」
と思うような言葉を口にしてしまうことがあります。
だから、一度「自己中」と言われたことだけで、
「彼は私の気持ちを大切にしてくれない人だ」
「この人はモラハラだ」
と、すぐに結論を出す必要はないんです。
とはいえね、「自己中」なんて言われたら、傷つくんですよね。びっくりするし、ショックです。
彼に余裕がなかったからといって、傷つける言葉を言っていいわけではありません。
ただ、パートナーとしてふたりの関係を考えるなら、
「どちらが悪かったのか」
だけではなく、
「どうすれば、ふたりの気持ちがもう少し伝わりやすくなるのか」
という視点も大切になってきます。
パートナーシップは、受け取りやすいボールを投げ合うこと
自分の気持ちを素直に伝えることは大切です。
けれど、どれほど本音であっても、相手が受け取れない強さやタイミングで投げてしまえば、気持ちはうまく届かないことがあります。
パートナーシップは、正しい言葉を相手にぶつけることではありません。
相手が今、どのくらいの速さのボールなら受け取れるのか。
どんな投げ方なら、責められていると感じずに済むのか。
お互いが受け取りやすいボールを投げる工夫も、ふたりがうまくやっていくためには必要です。
それは、相手の顔色をうかがって、自分の気持ちを我慢することとは違います。
伝えたいことを諦めるのではなく、より届きやすい形にして渡すということです。
「寂しい」の奥にある愛情まで伝えてみる
たとえば、
「最近会えていないから寂しい」
という言葉を、少しだけ変えてみます。
最近会えなくて寂しいな。
あなたに会えるのが待ち遠しいし、次に会える日をすごく楽しみにしているよ。
あるいは、
忙しいことは分かっているし、責めたいわけではないよ。
ただ、会えないと寂しいと思うくらい、あなたと一緒にいる時間が好きなんだ。
このように伝えると、彼女の「寂しい」という気持ちの奥にある、
「あなたが好き」
「あなたとの時間がうれしい」
「あなたの存在が私にとって喜びになっている」
という愛情まで伝わりやすくなります。
同じ「寂しい」でも、
「あなたが私を寂しくさせている」
と聞こえるのと、
「あなたに会えることが私にとって幸せだから、会えないと寂しい」
と聞こえるのでは、受け取り方が大きく変わります。
彼女が少し言葉を変えることで、彼が受け取りやすくなるのであれば、それはふたりの関係にとってプラスになりますよね。
言葉を変えることは、自分を押し殺すことではない
ここで、
「どうして彼女ばかり言い方を工夫しなければいけないの?」
と思う人もいるかもしれません。
たしかに、彼女だけがいつも気を遣い、彼が不機嫌にならないように言葉を選び、自分の気持ちを抑え続けるのであれば、それは健全な関係とは言えませんよね。
けれど、一度のすれ違いの中で、
「この人には、どう伝えたら届きやすいのだろう」
と考えることは、必ずしも我慢ではなく、むしろ二人の絆をより深めるきっかけにもなるかもしれません。
大切な人だからこそ、自分の本当の気持ちを、なるべく誤解されない形で届けたい。
それは、自分を犠牲にすることではなく、関係を大切にする行動です。
大切なのは、一度の言葉よりも、その後の修復
恋人同士であっても、いつも完璧に気持ちが伝わるわけではありません。
疲れていれば誤解することもあります。
余裕がなければ、強く反応してしまうこともあります。
だから大切なのは、一度も傷つけ合わないことではなく、傷つけたあとに修復できるかどうかです。
彼女も、落ち着いてから、
あのときは責めたいわけじゃなかったんだ。
ただ、あなたに会いたい気持ちを伝えたかった。
でも、自己中と言われたことは悲しかったよ。
と伝えてもいいでしょう。
そして彼も、
責められたように感じてしまった。
余裕がなくて、きつい言い方をしてごめん。
と言えるのであれば、今回のすれ違いは、ふたりを遠ざけるだけの出来事にはなりません。
むしろ、
「彼はこういうときに責められたと感じやすいんだ」
「彼女は会えないとき、安心できる言葉がほしいんだ」
と、お互いを知るきっかけになることもあります。
ただし、素直に「ゴメン」が出てくる人ばかりではありません。
「ゴメン」が出てこないからと言って、全く反省していないとも限らないのです。
むしろ、自己嫌悪が強い時ほど「ゴメン」といえなくなる人の方が多いかもしれません。
二人の関係の中で、だんだん「ゴメン」が言いやすくなるってこともありますからね。そういう関係性を育てていくのも悪くないですよ。


毎回否定されるなら、言葉選びだけの問題ではない
一方で、彼女がどれほど丁寧に伝えても、
「重い」
「面倒くさい」
「自己中」
「お前が悪い」
と毎回否定されるのであれば、話は別です。
彼女が少しでも寂しさや不安を伝えるたびに怒られる。
彼は自分の言い方を振り返らず、いつも彼女だけに我慢を求める。
その結果、彼女が、
「何を言ったら怒られるか分からない」
「気持ちを言うのが怖い」
「私が全部悪いのかもしれない」
と思うようになっているのなら、単なる言葉のすれ違いではない可能性があります。
一方だけが常に悪者にされることや、継続的に感情を否定されること、相手の機嫌を損ねないように自分を小さくしていくことなど、関係全体のパターンとして見えてくるものです。
「いつも自分ばかりが我慢していないか」は、きちんと見ておく必要があります。


「どちらが正しいか」より、「どうしたら伝わるか」
彼女の「寂しい」は、わがままではありません。
彼に余裕がなくて、その言葉を責められているように受け取ったことも、起こり得ることです。
どちらか一方だけが悪いと決めるよりも、
「私は何を伝えたかったのか」
「相手にはどう聞こえたのか」
「次はどんな伝え方なら届きやすいのか」
を、ふたりで考えられるといいのだと思います。
恋人同士だからといって、言わなくても気持ちが伝わるわけではありません。
同じ言葉でも、置かれている状況や心の余裕によって、受け取り方は変わります。
だからこそ、相手が受け取りやすいボールを投げること。
そして、受け取り損ねたときには、もう一度投げ直すこと。
「寂しい」と言っても敵にならないこと。
それが、安心して気持ちを伝え合えるパートナーシップをつくっていくのだと思います。
あなたのステキなパートナーシップを応援しています。
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