今日も読んでくださってありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。
母親とのつながりは、人間関係の土台となります。
この考え方は、恋愛を含むあらゆる人間関係に当てはまります。
例えば、母親から十分な愛を感じることができなかった、と感じている人は、その不足を埋めようとして依存的な態度になることがあります。母親の愛が不足していたと感じていると、相手を疑ったり円満な関係を築く上での妨げとなる行動パターンが習慣化しやすくなります。
幼少期に両親との関係で傷ついたり、その傷が癒えないまま大人になり、人生の辛い瞬間を経験する人々を「アダルトチルドレン」と呼びますが、これも同様の現象です。両親から十分な愛や認められる経験を得られなかった人は、大人になっても対人関係で悩むことが多いと心理学では以前から指摘されています。
その自覚がある場合は、まだ問題の解決がしやすかったりします。簡単に解決できる、ということではなく、自覚があるので、解決すべき解決方法や、手助けやサポートを求められる機関にアクセスしやすい、という意味で、解決の糸口を見つけやすい環境だと思うのです。
しかし多くの場合、今の人間関係や直面している問題が、まさか親との関係が元になっている、なんて思わないんですよね。
私も、心理学とかカウンセリングとか、そういったことを学ぶ前は、自分の抱えている目の前の問題と、全く関連の無い親を結びつける、なんてこと、考えもしませんでした。
親子の関係
私の育った家庭環境は、両親が離婚していたため、父親不在の家庭でした。だから父親がいないことによって生じる問題があるのであろう、というのは、実際何が問題かはわからなくても、何かしら問題が発生するのではないか、というのは推測しやすかったのですが、母親との関係に問題がある、とは、しかも恋愛関係に、だなんて、想像もしませんでした。
考えたくなかったのかもしれません。
しかし、自分自身の癒しを進めていく中で、山のように問題は浮上しました。
母との癒着(距離が近すぎる問題)と、母に対する依存心。
特にこの依存心に関しては、なかなか自覚しにくいというか、自覚したくないというか、他人事だと思って他人の親子関係見ていると、わかり易くても、自分のことは直視したくないという心理が働くんですよね。
やはり親という存在は、いつまで経っても親ですからね。すると自分は子どもという立場になるので、なかなかこの依存心は手放しづらいんです。手放している、と思っている方がむしろ全然手放せていない状態だったりするかもしれません。
親に対して、怒りを感じる時、また、親に対して、あの親のせいで私は不幸だ、と思っている時の多くは、親に対する依存心がずっとそこにある状態だったりします。また、気を付けたいのは、親を下に見ている場合。これも実は、心理的には親に依存している状態。
私は親に愛される側、面倒みられる側。
十分に愛してくれなかった、十分に私の面倒をみてくれなかった親を、どうして私が愛し理解し助けなきゃいけないの?
そんな想いが心の奥の方に巨大に潜んでいたりします。
親子の関係が映し出す、パートナーとの関係
親との関係は、ひとつのパターンとなり、パートナーシップにも反映されやすくなります。なぜなら、パートナーシップは他人で一番近い距離の繋がりを持つ相手。親(母親)は生まれる前から一番近い繋がり(胎児と母体として)を持つ相手だからです。
パートナーに対して、先ほどの、親に対する不満、
私は親に愛される側、面倒みられる側。
十分に愛してくれなかった、十分に私の面倒をみてくれなかった親を、どうして私が愛し理解し助けなきゃいけないの?
これが今度は、親相手ではなく、パートナー相手に出てくるのです。
私はパートナーに愛される側、面倒みられる側。
十分に愛してくれていない、十分に私の面倒をみてくれていないパートナーを、どうして私が愛し理解し助けなきゃいけないの?
もちろん無自覚です。正面切ってこのような不満をぶつけられる人はそこまで多くないでしょう。でも、パートナーとの間に問題が起こる時、心の奥にはお互いがこのように、相手に対する依存心を抱えることは多いのですね。
誰にだって依存心はあります。全くない、なんて人はいないでしょう。だから依存心を持つことが悪いわけではないのです。
本当のメッセージとは…?
もうひとつ、実は気付いていいただきたいことがあるのです。
それは、この想いの下にも、実は別の想いがあって、なぜそれほどの依存心と怒りを持つのかという理由があるのですよね。
自分は人を愛し、理解し、助けられるほど、素晴らしい人間ではない、と自分をちっぽけに感じてしまう想い。
と同時に、
できることなら、自分は、人を愛し、理解し、助けられる存在でいたい、という想い。
問題の奥の方には、本当は、人を愛したい、という強い想いが隠れている、ということなのです。
そして、もしかしたらそれ以上に気付きたくなんてないことも隠れているかもしれません。
それは
自分の親という存在が、とても偉大で素晴らしい存在だと感じている、ということ。
自分の選んだパートナーという存在が、とても偉大で素晴らしい存在だと感じている、ということ。
そんな偉大で素晴らしい親の子どもである自分という存在
そんな偉大で素晴らしいパートナーが選んだ自分という存在
自分という存在が、どれほど偉大で素晴らしい存在なのか…気づく時が来たのかもしれませんね。
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