助けたい症候群の恋愛

今日も読んでくださってありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。

「助けたい症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

パートナーシップにおいて、過去のトラウマや困難な状況を抱えている相手に強く共感し、助けたいと思う、助けようとする、このようなパターンを持っている人を「助けたい症候群」と呼んでいます。

そうなると、この「助けたい症候群」の人が選ぶパートナーは、問題を抱えている場合が多いので、必然的にその恋愛は、なかなか問題の多い恋愛、苦しみや辛さの多い恋愛になりがちです。

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好きになる人は、浮気していたり、セフレがいたり、アルコールが入るとべろんべろんに酔っぱらって酷いことを言ってきたり、酷いことをしてきたり。

どこか影があって、孤独そうで、寂しそうで、心の奥の方はなんだか傷だらけ。でも私にだけは本当の姿を見せて弱音を吐いてくれる。

普通にしている時は、優しい時もあって、根は優しい人なんだって、私にはちゃんとわかっている。

他の人には理解できないかもしれないけれど、自分だけは彼のことをわかってあげられる、受け止めてあげられる、そんなちょっと特別な恋愛。

だけど、そんな恋愛って、結構寂しい時間が多いんですよね。

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「助けたい」そう思うこと自体は、悪いことどころか、本来とても素晴らしい行為です。大きな優しさであり、思いやりであり、深い情であり、愛情に満ちた心の持ち主です。

しかし、恋愛の中で「助けること」が目的となってしまうと、その恋愛は幸せをもたらすものではなく、苦しみと寂しさで溢れかえってしまう可能性大です。

目次

助けたい私、助けられたくない彼

助けられたくない彼

そもそも自分が相手を助けようとする時、相手は助けられたいのか、という根本的な部分を理解していく必要があります。

先日、救急医療の番組か何かを見ました。7歳くらいの男の子が、テレビ台か何かの角で額を打って怪我をしていました。救急搬送された病院で、何針か縫う必要がありました。怪我をしている時点で男の子は痛みでギャーギャーと大声で泣いています。

治療するには当然のことながら、その傷を医師に見せる必要がありますよね。それすらも、大声で泣き続けるんですよ。だって既に痛いし、子どもながらに結構大きな怪我をしていることはわかっているでしょうから、どんな治療をされるのか、怖ろしいですよね。これ以上痛いなんて絶対いやだと感じるでしょう。

そして治療で縫わなければいけない、となると、また輪をかけて大声で泣きます。ただでさえ痛いのに、治療すればよくなるんだろうということは理解できないわけではないでしょうけれど、そんなことより、縫われる、という恐怖の方が勝つんですよね。だから泣き叫ぶ。そんなことされたくないから。

心の傷も似ているんですね。
心に傷を負ったままだと、やはり心は苦しいんです。

また傷つけられるんじゃないの?
また痛い思いさせられるんじゃないの?

そんな疑いを抱えます。

その疑いを抱えたままだと、なかなか人を信用できなくなります。信用したくないんです。だって信用してまた痛みを感じたら、次はもう立ち直れないかもしれない、とすら感じますから。

だから、簡単に治療しようなんて、なかなか思わないんです。それはとんでもなく勇気のいることなんです。

だとすると、どれだけ助けようとする人が現れたところで、本気で彼本人が、このままじゃ自分の人生台無しにする、生き方を変えなければ、と思うまで、差し伸べられた手は、残念ながら冷たく振り払われるてしまうのです。

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助けたい私

では、どうして「助けたい」と思ってしまうのでしょう。

「助けたい」と思う要因には、いくつかあります。

家庭環境

家庭で親や兄弟姉妹に対して責任感を感じさせられたり、家庭が困難な状況にあった場合、他者を助けることへの傾向が強まることがあります。

例えば、子どもの頃、両親とおじいちゃんおばあちゃんも一緒に住んでいたとします。お嫁さんであるお母さんがと、おじいちゃんおばあちゃんの仲が悪い、そんな姿を見て育つと、お母さんを助けなきゃ、自分だけはお母さんの味方をしなきゃ、なんて気持ちが働いたりします。

過去の経験やトラウマ

過去に自分が助けを必要として苦しんでいた経験やトラウマが、他者を助けることへの強い欲求を生むことがあります。

先ほどの例、子どもの頃、両親とおじいちゃんおばあちゃんも一緒に住んでいたお家で、一生懸命お母さんの味方をしてきた過去。妹たちがいたとして、妹たちは特にお母さんの味方をするわけでも無く、おじいちゃんおばあちゃんとも仲良くやっています。自分だけはお母さんの味方をする、と頑張っているので、なるべくおじいちゃんおばあちゃんとは関わりを持たないと、なぜか妹たちだけおじいちゃんおばあちゃんに可愛がられ、お菓子をもらったり、お小遣いをもらったり。だけど自分だけは何ももらえない。しかも、お母さんはまるで私をストレスのはけ口のように、私を叱ったり怒ったり。

一生懸命お母さんを助けているはずなんだけれど、自分が助けて欲しい…なんて状態になってしまっているとき、とても報われない気分になります。私だけが我慢して、私だけが自分を犠牲にして、私、何してるんだろう、そんな空しく悲しく辛い気持ちでいっぱいになります。

自尊心の構築

他者を助けることで、自分の存在や自尊心を確認しようとすることがあります。他者に必要とされることで、自分に肯定的な意味を見出そうとする場合があります。

自分だけが我慢して、自分だけが自分を犠牲にして、私、何してるんだろう、そんな空しく悲しく辛い気持ちでいっぱいになるような子供時代を過ごしてくると、自分の価値、自分を尊重する、ということを見失ってしまいます。

誰かに認めてもらわなくては、自分を認める、ということがとても難しくなります。

他者を助けることができると、それは大きな承認になり自分の存在価値となるのです。逆に言えば、それしか自分の存在価値を感じられない状態になってしまうのです。

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本来の自分と繋がろう

初めの方にお伝えしました。覚えていますでしょうか。

「助けたい」そう思うこと自体は、悪いことどころか、本来とても素晴らしい行為です。大きな優しさであり、思いやりであり、深い情であり、愛情に満ちた心の持ち主です。

もし、この「助けたい症候群」、私なのかもしれない、そう思った方がいらっしゃるのであれば、忘れないでください、あなたの価値は、あなたを犠牲にして何かをしなくても、ただそこにいるだけで、あなたには大きな価値があるのです。

あなたは、大きな優しさの持ち主です。
あなたは、思いやりの持ち主です。
あなたは、深い情の持ち主です。
あなたは、愛情に満ちた心の持ち主です。

それが本来のあなたの姿なのです。

まずは、あなた自身が、本来のあなたと繋がってみてください。

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わたしは、大きな優しさの持ち主です。
わたしは、思いやりの持ち主です。
わたしは、深い情の持ち主です。
わたしは、愛情に満ちた心の持ち主です。

そう呟いてみてください。

そして、あなたが本当に助けたかったのは、誰ですか?
その人に、どうなって欲しかったのでしょう?

そして、そこまで助けたいと思った本来助けたかった相手。

その人はあなたにどうあって欲しいと願っているでしょう?

あなたがそこまで自分自身を犠牲にして、助けたかった相手です。
その人にとっても、あなたはきっと大切な大切な存在でしょう。

あなたが幸せでいることは、あなたにも、その人にも、とても大きな喜びになるのではないでしょうか。

あなた自身の幸せに、そろそろ本気で目を向ける時なのかもしれませんね。

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