「なんで私はこんなこともできないんだろう」
「またミスした。やっぱり私はダメだ」
「恋愛がうまくいかないのは、私に問題があるからだよね」
こんなふうに、自分を責める言葉が日常的に頭の中で流れてしまうことってありませんか?
自己否定は、誰かを傷つけるわけでもないし、表に出てくる怒りのように激しく見えるわけでもありません。
だけど、心の深い部分で自分自身をじわじわと追い詰めてしまう、ある意味とても“破壊力のある影”なんです。
なぜ人は、こんなにも自分を傷つけてしまうのか?
その理由には、シャドー(心の影)が深く関係しているんですよね。
さて今月は、「シャドウと向き合う」をシリーズテーマにお届けしようと思います。
私たちは、強くなりたいと思うほど、
見たくない感情を心の片すみに追いやってしまうものです。
嫉妬、怒り、寂しさ、劣等感、自己否定、そして愛の不安。
どれも避けたいのに、気がつくといつも内側にひっそり居座っている。
日増しに寒くなるこの季節
心の奥に沈んでいた影がふっと姿を見せやすくなる季節でもありますよね。
だからこそ、このタイミングで「影」。
自分の影と向き合うことは、
つらい過去を掘り返すことでも、弱さを暴くことでもありません。
それは
“本当の自分を取り戻すために、心の奥の声にそっと耳を澄ませる”
そんな作業だと思っています。
この6回シリーズでは、
心の影をひとつずつ丁寧に扱いながら、
その奥にある願い・痛み・強さを見つけていきましょう。
影を理解すると、人は優しくなる。
影を抱きしめると、心が自由になる。
影を知ることで、愛し方が変わる。
あなた自身の“見えない部分”に光を灯す旅をご一緒できたらうれしいです。
【シリーズ①】嫉妬の正体|羨ましさの裏にある“心の欠片”
【シリーズ②】“突然怒る彼”に振り回される理由|怒りの影が教えてくれる深層心理
【シリーズ③】寂しいと言えない理由|強がりの裏にある“心の影”とは
■ 自己否定の根っこには、“本当の願い”が隠されている
「結婚できない私はダメなんだ」
「お金を貯められない私はダメ」
「うまくいかない私は選ばれない」
こうした自己否定の裏にあるのは、実は“本音”や“願い”なんです。
・本当は愛されたい
・本当は幸せになりたい
・本当は安心して暮らしたい
・本当はちゃんとできる自分でいたい
・本当は受け取れる自分でいたい
だけどその願いが強すぎるからこそ、叶わなかったときの痛みも大きい。
人は、その痛みから自分を守るために、先に“自分にダメ出し”をしてしまうんです。
「望むこと自体が怖い」
「期待して裏切られるのが耐えられない」
「願うほど叶わなかったときの自分が惨めに感じる」
だから、願う前にブレーキをかけてしまう。
どうせ私は結婚なんてできない
どうせ私はお金に恵まれない
どうせ私は選ばれない
これが“自己否定のシャドー”の働きです。
■ 自己否定は、心が自分を守るための「防御反応」
自己否定って、一見ただの「自分いじめ」に見えるんですが…
本当は“これ以上傷つかないようにするための防御”なんです。
たとえば、
「結婚できない自分はダメなんだ」
これを本当に深い場所までたどっていくと、
「本当は愛されたい。でも、もし愛されなかったら?」
「本当は幸せになりたい。でも、叶わなかったら?」
「本当は誰かに必要とされたい。でも、拒絶されたら?」
ここには、願いがあったとしても、単純に喜んで願えないっていう気持ちがあるんです。
それは、「もしも叶わなかったら…?」っていう巨大な怖さを感じてしまうから。
たとえばテストの点数ってわかりやすいと思うんです。
結構頑張って勉強すると、今回は90点以上取れるでしょう!って思ったりしますよね。
でも、79点とかだと「え?なんで…!?」っていう、
ただガッカリって気持ちだけじゃなく、なんかすごく理不尽なくやしさというか、ハートブレイクのような気持ちを感じてしまったりするんですよね。
そうすると、次回からはまぁ75点くらいかな、っていう「取りたい点数」というよりも「取れるであろう点数」に自己照準を合わせてしまう。
結果、90点はおろか、80点を超すことも減ってくる。
そんな現実を作ってしまったりするんですよね。
こうして、テストだけじゃなく、自分自身に対しても、
先に“諦め”を作っておくために自己否定をしてしまうんです。
自己否定は、とても不器用な自己防衛なんです。
■ 自己否定が強い人は、「光」を隠している
自己否定のシャドーには、2つの側面があります。
この世界には陰と陽があって、
誰でもマイナスとプラスを持ち合わせているんですよね。
自然に生えている草木だって、外に出て存在を放っている美しい花や葉の部分があれば
ほぼ見向きもされない根っこが大地に深く広く這っているからこそ安定して美しさを保っていられるわけですよね。
私たち人間も、数学が得意な人も入れば、語学が得意な人もいる。
逆にコミュニケーションが苦手な人もいれば、超機械音痴だっているわけです。
長所と短所って誰でも持ち合わせているはず。
だから、苦手なことを
「できない私」「足りない私」を影として抱え込む部分はあって当然なんですよね。
でも実は…
“本当はできる”
“本当は魅力がある”
“本当は力がある”
という“光の部分”を影に押し込んでいる場合も多いんですね。
だから、自分のダメさばかり目につく。
自分の良さや魅力は“なかったこと”になってしまうから。
そうすると、本来できていることまで、
「これじゃ足りない」
「これじゃダメ」
という判断になってしまって、自分を評価するポイントが全く無いように見えてしまうってことが起こるのです
■ 自己否定がどんどん強くなるのは“自分を責める方が安全”だから
人は誰でも、心のどこかで
「本当はできる自分でいたい」
「本当は愛される自分でいたい」
「本当は認められたい」
という願いを持っています。
でも、その願いに素直になるほど、
叶わなかったときの痛みが鋭くなる。
だから、
「期待しなければ傷つかない」
「願わなければ失望しない」
「自分を下げておけばショックが少ない」
こうした無意識の“痛み対策”として自己否定が生まれます。
自己否定は“諦めることで心を守る”構造なんです。
■ 自己否定のシャドーは「内なる批判者」として現れる
シャドーが強い人ほど、心の中にこんな声が住みます。
「まだまだでしょ?」
「そんなので喜ぶなんて甘いよ」
「もっと頑張らないと価値がない」
「その程度じゃ誰も認めないよ」
これは「内なる批判者」と呼ばれる存在。
でもその批判者の正体は、
過去に誰かから言われた言葉でも、
誰かに否定された記憶でもなく…
“本当は認めてほしかったのに認めてもらえなかった幼い自分の叫び”なんです。
幼い自分、っていうと、親との関係性に結び付きそうですけど、
そうであってそうじゃないんですよね。
親に酷いことをされた・言われた、とか、親以外の誰か、っていうわけじゃなく、
とても日常的なところでの出来事。
子どもって、誰でも本能的にこう思ってるんです。
- わたしを見て
- わたしをわかって
- わたしを喜んで
- わたしを受け取って
これ、ぜんぶ“承認欲求”じゃなくて、
「存在を確かめたい」という根源的な感情なんですよね。
でも、大人の事情で
たとえば、絵を描いて「見て!」って言ったのに
「あとでね」とスルーされた。
そうすると、子どもの心は
「あ、私はそんなに大事じゃないんだ」
って感じちゃったり、
泣いた時に、
「泣かないの」「これくらい我慢しなさい」と言われた。
すると、子どもの心は
「悲しいって言っちゃいけないんだ」
「寂しいって表現しちゃいけないんだ」
って解釈しちゃったり、
こういう“小さなすれ違い”が何度も重なると、
子どもの心はこう学ぶんです
「私は“ありのまま”じゃ認めてもらえない」
これが“認めてほしかったのに認めてもらえなかった幼い自分”の正体なんです。
その小さな自分が、今もあなたの心の奥で泣いているんですよね。
そして、当時の自分は、自分の要求を伝えているつもりだったんです。
だって、描いた絵を見てほしかったから「見て!」って伝えたわけだし
悲しかったり寂しかったから「泣く」ことで一生懸命表現していたわけですよね。
でもそれが自分の思うようには伝わらなかった。
そうすると、大人の私たちでも「じゃあどうしたら…」って上手な答えを見つけられるかどうかもわからないのに
ましてや幼い子供なら…一体どうするでしょう?
これじゃダメなんだ
私はダメなんだ
もっと頑張らなきゃダメなんだ
上手にできなきゃダメなんだ
そんな風に自分を批判することで解釈できなかったんですよね。
だから、今でも、苦しくても“批判という形”でしか声を出せないでいるんですよね。

■ 自己否定の影をほどく第一歩は、「願い」を認めること
自己否定を弱める最初のステップは、
“私は本当はこうなりたいんだ”
と願いを認めることなんです。
願いを否定するほど、影は濃くなるんです。
・本当は愛されたい
・本当は安心したい
・本当は自分を好きになりたい
・本当は幸せになりたい
これらは弱さではなく、“人として当たり前の願い”です。
むしろ、その願いを押し込めてきたから自己否定が強くなったんです。
■ 自己否定は“あなたの本当の願い”を教えてくれるサイン
自己否定は悪いものではありません。
あなたを傷つけるために存在しているのではないんです。
▷ 自己否定
=自分を攻撃しているようで
=実は「わたしを認めてほしい」の裏返し。
▷ 内容が攻撃的なのは
=それしか方法がなかった幼い自分の“サイン”。
▷ 自己否定が強いほど
=本当はすごく頑張ってきた
=すごく寂しかった
=すごく誰かにわかってほしかった
という証拠。
だからむしろ、自己否定は自分自身にこう語りかけています。
「その奥にある本音を見てあげて」
「本当は叶えたい願いがあるよ」
「私を下げる必要はないよ」
自己否定が強く出るときほど、
その影の奥には“あなたの希望や可能性”が眠っています。
■ 内なる批判者に、優しく光を当てよう
自己否定が出てきたとき、
こんなふうに小さくつぶやいてみてください。
「その声の奥に、どんな願いが眠ってる?」
「私は何が怖いんだろう?」
「本当はどうなりたいと思ってたんだろう?」
批判の影に光が当たると、
あなたの心は静かに、でも確実にほどけていきます。
自己否定は、あなたの敵じゃない。
あなたの“本当の願い”を教えてくれるサインなんです。
どうか、その声を責めずに。
ゆっくりと光を取り戻していってほしい。
あなたは、もうずっと前から価値のある人ですから。
この【心の影(シャドウ)を整える心理学】シリーズは、毎週火曜と金曜、全6回のシリーズでお届けしています。
【シリーズ①】嫉妬の正体|羨ましさの裏にある“心の欠片”
【シリーズ②】“突然怒る彼”に振り回される理由|怒りの影が教えてくれる深層心理
【シリーズ③】寂しいと言えない理由|強がりの裏にある“心の影”とは
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