私も相手もを大切にするための境界線

いつもありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。

自分と他人との境界線、引けていますか？

引けているようで、なかなか難しかったりしますよね。

以前の私は、そんなことを考えたことすらありませんでした。

境界線？

わかりやすく考えると、私には私の家があり、人には人の家がある、といった感じでしょうか。
1ルームの同じ家に自分と他人が住んでいると、いろいろとトラブルが起こりやすいと思いませんか？
カーテンで仕切ったところで、音や匂いは漏れますよね。

私は静かにしていたいのに、隣にいる人は爆音で音楽を聞いている。
私は紅茶の香りを楽しみたいのに、隣にいる人はキムチ鍋を食べている。

なんなのよ！

と腹が立ってもおかしくありませんね。
（キムチ鍋は私、大好きなので、これはただの一例として受け止めてくださいね。）

物理的なところで考えるとわかりやすいのですが、ココロとして考えると、「え？境界線？考えたこともなかった。」ということ、ありますよね。

身近な人が、過干渉だったり、お節介だったり。
逆に、自分が、相手に対して求めすぎたり、傷つけられた、と感じてしまう。

これら両方、境界線があいまいになっている可能性があります。

他人に振り回されてしまうんですよね。

優しさって、ステキなものだと思うのですが、優しさが自分を苦しめてしまう、という状態になるのは辛いですよね。
何かに対して、「ノー」と伝えるのが苦手、申し訳ない、可哀そう、などの想いで気を揉んでしまう、気を使ってしまう、という感覚。これも優しさの一部ではありますよね。

でも、嫌なことを断れない、となると、だんだん人と距離を置きたくなってしまいます。

逆に、自分が断ることを悪いと思っていると、その分、自分が相手に断られると、すごく嫌な気分になったりして、あの人は私のことを助けてくれない、あの人は私のことを見捨てた、あの人は私を傷つけた！という不満が出てきてしまったりします。

家、を思い浮かべてくださいね。
自分には自分の家があり、他人には他人の家がある状態。
これなら、一緒にいるときは楽しく過ごせて、家に帰ったら相手を邪魔することもなく、相手から邪魔されることもなく、快適に過ごせますね。

でも、1ルームに一緒に住んでいるとなると、自分が邪魔してしまったり、相手に邪魔されてしまったり、支障が出やすくなります。

そしてね、邪魔している側はあまり気づいていないんですよね、自分が邪魔をしていることを。
邪魔された側がとても不快な思いをする。

1ルームに他人と住む状態は、お互いの同意が無いとそのようなことにはならない、と思いませんか？

私自身、以前はこの境界線、全然わかりませんでした。

「ノー」がとても言いづらかったのです。

私の知り合いに、とても物理的に距離感の近い人がいました。
男性だったのですが、恋人でも何でもないのに、とにかく何だか距離が近いんです。とても不快に感じていたんですが、相手は別にセクハラ的な下心があったようには思えなかったんですよね。見ていると、仲のいい人には誰に対しても似たような距離で接していたようでした。とはいっても、私にはやはり不快で…。どう「ノー」を伝えたらいいのかさっぱりわかりませんでした。
いい加減、ある時、もうムリだ、と感じて、もうちょっと距離を空けて欲しい、と伝えました。その彼は、特に嫌な態度もせず、よく近すぎるって言われるんだよね～、なんて言っていました。

でも…、私自身が、なんだかそんなことを言ってしまったことに対して、申し訳ないような、悪いことをしたような気分になってしまったんです。

なんで私にこんな嫌な思いをさせるの？と感じました。

変ですよね、これって。

境界線を引けない、引きづらい、という理由は、自信の無さや、申し訳ない、可哀そう、などの思いがあったりします。そして境界線を引くというのは、他人に対して冷酷では？と感じたりもするのです。

しかし、適切な距離感、というのは、私も相手も尊重し自由であるために必要な線であるとも言えます。

もしも、身近な人が過干渉で困っている、お節介されて困っている、優しいと言われるのが辛い、など感じることがあれば、自分の他人との境界線を少し意識してみられるといいかもしれません。

ご自身と、相手の人を、大切にすることに繋がる、と思ってみてくださいね。