寂しい気持ち 大人編

いつもありがとうございます。
カウンセリングサービスの青山リナです。

リナの軌跡

と題して、青山リナという人物がどんな人なのか、知っていただくシリーズを作ってみようと考えました。
過去の失態や、恥ずかしい話、この人大丈夫?なんて思われそうな内容もあるかもしれませんが、何か読んでいただいている方のヒントや笑顔、元気や安心感などに繋がればいいかな、と思い、綴ってみます。
あたたかい気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

よろしければ、お付き合いくださいませ。

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私が、初めてカウンセリングサービスの母体である神戸メンタルサービスに足を踏み入れた時、「さみしい」という言葉が言えませんでした。 「さみしい」って言える人は、たいして寂しくないんだよ。 と思っていました。

目次

パートナーシップに映し出される母親との関係性

幼少期、「さみしさ」を押し殺していた私が大人になると、子供の頃にも増して、「さみしさ」を我慢しなければならない状況に陥りました。

母親との関係性は、パートナーシップの関係性の元になると言われます。

私は母親にもどこか遠慮して迷惑にならないようにと気を付けていました。だから、恋人ができると、24時間一緒に居たい、だけど、迷惑にならないように、と思うので、物理的に一緒にいても、心の距離は隙間だらけなのです。

例えば、相手が話をしてくれているうちはいい、だけど結局私からは、何を話していいのかわからない。
母に対しても、母の顔色を伺いながらいるうちに、自分から何を話していいのか分からなくなり、結局話すことが何もなくなってしまったように、恋人も同じ状態に陥るわけです。

こんな話しても多分楽しくないよね、興味無いよね、じゃあ止めよう…というような感じです。

「さみしさ」がもたらす癇癪爆弾の効力

不満があると、素直に伝えられないので、癇癪爆弾が発動します。

もちろん寂しさに対しても、癇癪爆弾が代わりに投下されます。
「さみしい」と一言可愛く言えば可愛く済んだものが、癇癪爆弾となり投下されるので、酷いものです。それに付き合って喧嘩してくれるような人ならまだいいんです。

多くの人は手に負えずに去ります。

同じ癇癪爆弾でも、投下した後の結果は、母親とは違う結果になります。母親は去っては行きませんが、パートナーとなると、効力が違い過ぎるのです。大きな誤算が発生します。

子供の頃は我慢して「さみしい」と言わなかったし、周りに迷惑をかけないように頑張っていたので、大人になっても同じやり方を続けてしまうのです。でも、子供の頃と大人になってからは相手も環境も違うのです。このまま続けていてはどう頑張ってもいい関係なんて築けません。

「さみしさ」が痛くて触れられなかった故に

私が結婚していた時、私も元夫もお互い仕事をしていました。

彼は朝早くから会社に行き、20時前後には家に帰ってくるような生活でした。22時過ぎにはもう寝たい、という彼。私はと言えば、仕事柄、夕方から夜にかけて一番忙しい時間帯でした。家に帰るのは22時23時頃。
結婚して、一緒に住んでいても、顔を合わせる時間が少なかったのです。

そんな生活の中、彼は言いました。「これじゃあ結婚している意味ないね。」
一緒に居られる時間がほとんどない、この生活は寂しい、ということが言いたかったようです。でも、私としては、「そんなこと言ったって仕事だよ?別に遊び歩いているわけじゃない!」となんだかとても不愉快でした。

今思うと、彼は、「さみしい」という彼の感じている素直な気持ちを伝えてくれていたのです。それは、私ができなかったことで、素直に想いを伝えることは、とても勇気のいることです。でも、私は私で、責められている、と感じてしまったのです。

「さみしい」というのは、私が昔からずっと、言えずに我慢していた感情だったということ。
なんで私がこれほどまでにずっと我慢してきたことを、この人は平気で要求してくるの?ということへの私の苛立ち。同時に、私がこれだけずっと我慢してきたのだから、あなたも我慢しなさいよ!という彼に対する怒り。

そしてここでもまた、私は、怒りという感情の蓋を使って、
私も寂しいから愛して欲しい、
私も寂しい気持ちをわかって欲しい
私も寂しいのが苦しいから助けて欲しい
という想いを封じ込めました。
彼に素直に伝えられなかったのです。

どこか、申し訳ない、寂しい思いをさせたいわけじゃないし、私自身も寂しい想いをしたいわけじゃない、という気持ちもあったのですが、どうしようもないじゃない!という、自分では手に負えない、どうしていいのかわからない思いを癇癪爆弾という怒りで、相手からしてみたらとても受け止めにくい方法で投下していました。

それは、結局のところ、私自身が自分の「さみしさ」という感情が、あまりに我慢しすぎた結果、痛すぎて苦しすぎて、触れられない、直視できないものになってしまっていたように思います。

そして、それはまた、私が幼いころ、母が私を祖父母の家へ迎えに来てくれて、私を車で待っていた時のあの疲れたような、厳しい顔、あの時の母の感じていた感情と同じなのかもしれない、とも思うのです。あの時の母も、仕事のため、生活のため、働かなければいけない、小さな我が子を人に預けてまで、仕事に行かなければいけない、帰ってきても、母自身が心身ともに疲れているから、まともに遊んでもあげられない、小さかった私に、夕飯も食べさせ、お風呂にも入れ、宿題も確認し、また翌朝ちゃんと起きられるように寝かせなきゃいけない、毎日の生活に追われ時間もない、そんな母が感じていた子供の私に対する申し訳なさや、それでも生活するために、という葛藤、母自身の寂しさもあったのかもしれません。

私は、結果夫婦生活を継続できず、離婚に至りましたが、唯一救いだったのは、元夫が、私の癇癪爆弾に付き合って、喧嘩してくれたことだったのかもしれません。
私と彼は本当によくケンカしました。良い時はとても良かったけれど、喧嘩するときは戦争でした。でも多分、私は感情が凍り付く方が苦しかったんだと思うんですね。だから、戦争はできることならしたくないけれど、冷戦状態よりも、感情が爆発しても逃げずに応えてくれていたことは、私にとっては生きている許可をもらえているような状態で、本当に救いだったのだと思います。そして翌日には私が引きずって不機嫌でも彼は「喧嘩?したっけ?」みたいな状態で不機嫌を持ちこさない技を持っていました。

彼は彼なりのやり方で、彼の愛をいろんな方法で私に伝えようとしてくれていたのです。

大切な人との関係が凍り付く前にできること

「さみしい」「さみしかった」この想いって、本当に心が痛いんです。
冷え切って、凍り付くんですよね、心が。
だから、我慢した分だけ、伝えづらいとも思うんです。

でも癇癪爆弾が発動する前に、伝えてみる勇気を持てると、相手からは可愛らしく映ります。
もっと言えば、心が凍り付く前に、関係性が修復不能になる前に、大切な人に伝えてみてください。

時として、「さみしい」と伝えると、相手は何か解決しなきゃいけない、と思い機嫌が悪くなるかもしれません。そんな時は、「さみしかった。だけど会えて嬉しい、とっても嬉しい!」と伝えてみると、喜びが倍増します。

相手が取り合ってくれないこともあるかもしれません。
そういう時は、相手の心も同じように「さみしさ」で心が冷え切って、痛すぎて触れない状態にいるのかもしれません。

そんな時は、少しずつ少しずつ、お互いの心を温め直していきましょう。

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