人の優しさを受取れるのは、自分を愛している度合いと比例する

人の優しさを受取りましょう。

カウンセリングや心の話をする時に、よく聞く言葉です。

以前の私はこの「受取る」ってナニ？？？ってよくわかりませんでした。

受取れない悪循環にハマってしまう時

私たちって意識している多くの場合、人に優しくしてほしい、親切にされると嬉しい、と頭では思いますよね。
だからもちろん、誰かに愛してほしい、とも思うんですよね。

でもその優しさ、親切さ、愛、って、実は人によって形が違ったりもするんですね。

たとえば、自分が怪我をして入院しているとしますよね。

入院している以上は身体の調子が良くないからですが、暇で退屈でつまらな過ぎて辛い、なんて時に誰かがお見舞いに来てくれたら嬉しいですよね。相手を凄く優しい人だと感じるでしょうし、親切さや愛を感じたりもするかもしれません。

同じように入院しているのだけれど、病気で毎日が辛くてしんどくて人に会うとか全然そんな気分じゃない、という時って、お見舞いに来られても、ありがたいと思う反面、なんで今来るのよ…こんなシンドイ時に…、なんて感じてしまうことだってあったりします。

お見舞いに行く方は行く方で、行った方が喜ばれるかな、逆に行くと気を使わせてしまうからあえていかない方が良いかな、なんていろいろ考えたりするかもしれません。

お互いのニーズや行動がピタッとハマって求めているものが合えば万々歳ですが、合わなかった時ってどこかなんとなく不満な感覚が残ったりしてしまうものです。

これって、誰かが悪い、とかいう問題ではないんですね。
何を感じても良いし、マイナス感情が出てきたところで、そんな自分を悪いと思う必要も無く、そんな自分を責める必要もないんです。もちろん相手に対しても。

相手に不満がある自分に出逢うかもしれません。
相手に不満がある自分に気付くと、相手を責めている自分に出逢うかもしれません。
相手を責めている自分に出逢うと、自分を責めるかもしれません。
自分を責めている自分に気付くと、もっと自分を責めるかもしれません。

ちょっとした悪循環がグルグルと回ってしまうかもしれません。

もしも、そんな悪循環にハマっている自分に気付くことができたなら、「あっ！私ハマってるな。」と自分につぶやいてみてください。

自分の悪循環思考をちょっとストップできると思います。

受取れないってどんな状態？

私たちって、人に不満を感じて、人を責めている時、必ず同じだけ、もしくはそれ以上、自分自身をも責める、ということをします。

こんなことを意識はしていませんよね。
全部無意識で自動的にスイッチが入っている、というような状態ですが
相手だけを責めて自分は無害、という状態には残念ながらならないんです。

そうしちゃいけない、というのではなく
自分自身がそんな状態を許さないんです。

だから、人に不満を感じて人を責めている時って、同じように自分にも不満を感じて自分を責めているんです。

ケース１

先ほどの入院話を例に挙げると、
せっかくお見舞いに来てくれた人の優しさは自分の中でも理解はできる。
だけどそれを喜べる余裕が自分には無い。
それどころか、こんな弱っている姿を見られるのも情けないし、惨めだし、自分が下の存在のような感覚になってきたりして、そんな弱い自分を感じると、今度は、弱っている私をわざわざ見に来たの？気遣いのできない人ね、と相手に怒りの矛先が向いてしまったりして、凄く嫌な気分になる。
相手にも腹立たしいし
そんなことを思ってしまう自分にも腹立たしいし
こんな想いを私にさせる、お見舞いに来た相手がやっぱり悪いじゃない！
なんて、悪循環がグルグル回ってしまうんですね。

ケース２

これが恋愛になると
結婚したい私と煮え切らない彼、だとすると
将来の話とか、一緒に住む話とか、彼にしてみてもイマイチ反応が悪い彼。
ハッキリ「嫌だ」というわけじゃないけれど、ハッキリ将来の話を進めるわけでも無い。
煮え切らない彼の態度が私を苛立たせる
私のこと、何だと思ってるの？
この関係は遊びなの？
そうは思いたくないけれど、私は結婚とか将来を考えるほどの存在じゃないってこと？
私ってそんな程度の女なの？
結局選ばれないってこと？
何なのよ！私のこの数年返してよ！
なんて思いが湧き上がってきたりしてしまうんですね。

そうなると、こんな思いを抱えながら彼の目の前にいたらこの想いを彼にぶつけずにいるのはなかなか難しいですよね。
わかりやすくダイレクトに彼に怒りをぶつけるか
不機嫌な態度で彼に接するか
はたまた嫌みや彼を下げる発言を繰り返すか
どちらにしても、この状態の彼女と一緒にいる彼はとても居心地が悪い。

そして徐々に彼は彼女と一緒にいる苦痛の時間を減らすために、フェードアウトしていく…

という状態ができてしまったりします。

受取れないのは無価値感が原因？

これって何が起こっているのかというと
自分のコンディションが悪い時は特に、自己価値がダダ下がりになるんですね。

自己価値が低い状態って、自分を愛している、自分を大切にしている、という状態とは程遠いところにいたりします。

こんな私、サイテー！
私ってダメな女ね！
どうせ私にはムリなのよ！
私にできるわけないじゃない！

こんな自分を否定する言葉が自分の中を飛び交っている状態。

自分のコンディションが悪い時は特に際立って感じますが
そもそも自分のコンディションが良くても悪くても、平常運転時にすでに自分を否定する言葉が自分の中を飛び交っている状態なんです、自己価値が低い状態、というのは。

自己価値って、何かができるから自分は価値がある、というものではなく
できようが、できなかろうが、存在しているだけで自分には価値がある、というものなのです。

テストの点数が良いから
資格を持っているから
仕事で役職についているから
高収入を稼げているから
ヴィジュアルが良いから
その他もろもろ

そういった理由は必要ないんです。

だけれども、自分で自分の存在を良いと思えないと、後付け理由で、他人と比べて○○ができる私は価値がある、できない自分は価値が無い、と自分をジャッジしがちになります。

自分で自分を認められないと、他人に自分を認めてもらいたくなるし、自分の望む方法でそれを示してほしくなったりするんですね。

だから、先ほどの例、結婚したいと思っている自分に対し、彼がハッキリ返事をしてくれない、というのは、自分の望む方法での答えではないから、彼は私を愛していない、彼は私を大切に思っていない、彼は私を選ばない、私は彼に選ばれない女、という、自分の傷に塩をぬるような答えを導き出す結果となってしまいます。

自分で自分の価値を感じられない、自己価値が低い状態、というのが自分の傷。
そこに塩をぬるひどい彼。

自分には価値が無い、って、それホント？

だけどこれ、塩をぬっているのは彼ではなく自分自身なんです。

彼にはもしかしたら彼の傷があるのかもしれません。
以前結婚していた、もしくは結婚したい相手がいた。
だけどこっぴどくフラれた、という経験がもし彼にあったとしたら、彼がまた結婚することを決める、って、実は彼にとってはとても勇気のいる決断なのかもしれません。

もしくは、彼の育った家族との関係性があまり良くない、とか
結婚して家族を養えるほどの経済力に彼が自信がない、とか

彼には彼の理由ってあるのかもしれません。

もしそうだとしたら、彼は彼女のことを軽く見ている、どころか、とても大切な存在として考えている、ということになりますよね。

価値が無い、どころか、彼にとっては十分すぎるほどの価値があるからこそ、俺なんかが…と思っている、という可能性も大いにあるわけです。

自分を愛するススメ

私たちが誰かの愛を受取ろうとする時
自分の事を価値が無い、とか、こんな私なんて、と感じていると
相手からの愛を受取れない事態に陥ります。

そんなたいそうな愛を受取るほどの価値が自分には無い、って思ってしまうからです。

自分に価値を感じて
自分を大切に
自分を愛している分だけ
誰かからの愛を喜びとして両手広げて受け取れるのです。

自分を愛し、自分を大切にする
できているのか、いないのか、
完璧さや、どうやって？という方法論よりも

まずは、自分を愛してみよう、自分を大切にしてみよう

その想いを自分に向けてみてください。

どちらにしたって、あなたは愛され大切にされる価値のある存在なのですからね。